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第61話 産卵の完全予約制と、黒の王の一世一代の定時退社

本日『1回目』の擬態魔法を夕方に使い果たし、強制トカゲ戻りの時間を迎えてしまった俺は、昨日から今朝にかけて5頭の全裸猛襲から逃れるために一族の生臭いドブ川(泥沼)の底へと潜水ステルスをキメていたせいで、全身の骨がバキバキに軋み、漆黒のウロコも泥まみれになった【完全な死にかけの満身創痍状態】で、這うようにしてリザードマンの大集落の我が家へと逃げ帰ってきたのだった。


(はぁ……はぁ……、散々な昨日と今日(2日連続スピードリセマラ)だったわ。キアラちゃんとの約束をすっぽかして泥水をすすってたけど、とにかく今は、修理されていないトビラの大穴(防犯性ゼロ)からベッドに転がり込んで一睡させてくれェェェ!!!涙)


俺が不器用にトゲトゲしい前足をバタつかせながら暗い自室のベッドを覗き込み、そこへ視線を向けた、そのコンマ数秒の瞬間だった。


「ひえっ!?(※トカゲの重低音悲鳴フシュゥゥゥ)」


俺の部屋のベッドの真ん中には、お色気もクソもなく、ただのゴツゴツした真っ白なトカゲ姿に戻ってドスンと丸くなっているエルシエラが、当然のように不法侵入して占拠していたのだった。


(また部屋を占拠してんじゃねぇよヤンデレトカゲ!!!俺は今、全裸の怪獣5頭に24時間マウント取られ続けてオスとしての体力が消し炭のお通夜状態なんだよー!!!涙)


俺が恐怖でウロコを逆立てて一歩後退した、まさにその時。目を覚ましたベッドの上の白い巨大トカゲ(エルシエラ)は、長い首をしっとりと垂らし、ツブらな瞳を潤ませて大真面目に謝罪の声を響かせてきた。


「マモル様、昨日は5頭がかりで大集落の広場やドブ川までマッハの速度で追い回してしまい、本当にごめんなさい。お身体が泥まみれでボロボロになってしまって……。どうぞ、今夜はベッドの上で、ゆっくりと横になってお休みになってくださいましね……」


「フ、フシュ、フシュゥ……?(え? あのヤンデレ白竜が、俺を拉致監禁しようとせず、大真面目に反省して休めって言ってくれてる……!? さすが聖女、やっとまともな常識を思い出してくれたか……ッ!)」


ヤンデレ白竜のあまりにも予想外すぎる常識的な反応に、俺は大トカゲ姿のまま、呆然とつぶらなトカゲ眼球をパチパチさせた。

するとエルシエラ様は、ふふっ♡と上品にトカゲ面を震わせながら、尻尾をベッドの上にペチペチと叩きつけた。


「あれから5頭で話し合って、全員で同時にマモル様を追いかけ回すのは、お身体の負担になりますからやめようという話になりましたの。――ですから、マモル様。日付が変わってフルチャージで大復活したわたくしの12時間変身バッテリーを発動させますので……【今日はわたくし1頭だけの『完全予約制(貸切特権)の日』】ということになりましたわァァァーーーッ!!!♡」


「フシュゥゥゥーーーッ!!!(嫌な予感しかしてねぇよバカヤローッ!!! 5頭の混雑を避けるために『1日1頭ずつのローテーション産卵仕様』に裏で勝手にハッキングしてんじゃねぇよヤンデレ聖女ォォォ!!!)」


俺が白目を剥いた、その次のコンマ数秒の瞬間。


シュゥゥゥゥウウウ……ドカン!!!


まばゆい純白の光と共に、ベッドの上の白い巨体が一瞬にして人間の姿へとポップアップ変身をキメた。

そして光が晴れた瞬間、俺の前に現れたのは、服の概念をすべて光の彼方へ置き去りにした、ありのままの完全なる全裸姿の銀髪の超絶美少女エルシエラだった。

擬態魔法の衣服の魔力出力をあえてゼロ(全裸指定)にして化けてくるという、ガチの確信犯である。


エルシエラ様は国宝級の全裸肢体を隠す気もゼロのまま、満面の聖女の微笑みを浮かべて俺ににじり寄ってきた。


「マモル様は、トカゲ(白竜姿)のわたくしよりも、こちらの人間の姿の方がお好みですわよね?ですから、わたくしの変身制限時間が完全に切れて本来のゴツゴツした白竜姿に戻ってしまう前に、今すぐこのベッドの上で、わたくし1頭と神聖なる卵20個の交尾を全力で執行いたしましょうねぇ……ッ!!♡」


(執行するわけねぇだろォォォオオオ!!!

お前、見た目はどんなに目の保養な美少女に変装していようが、中身はゴツゴツした凶悪なトカゲの壁じゃねぇかァァァ!!!)


俺は人間の姿のまま2回目のキスを交わして「1日目」にリセマラされたばかりの絶望と、俺のチェリーの貞操観念の怒りがついに臨界点を突破し、リザードマン一族の王としての最強の野生のチート筋力(物理武力)が、ここでブチ切れ暴発した!


「フシュゥゥゥーーーーーッッッ!!!!(※今日は俺の不貞寝(有給休暇)の日だバカヤローッ!!! 今すぐ部屋から出て行けェェェ!!!)」


俺は漆黒の巨大な質量を爆発させ、ベッドの上に全裸で迫ってきたエルシエラの華奢な身体を、両前足でガシッ!!!と抱きかかえるなり、そのまま壊れたトビラの大穴へ向けて、廊下のガレキの山へと豪快にノータイムでブン投げて完全排除をキメた。


「きゃあああっ!? マモル様、人間の姿の全裸のわたくしをそんな力任せに前足でハグ(※物理パージ)してブン投げるなんて――」


ドササササッ!!!


「あら……。強制排除されてしまいましたわ……♡ でも、マモル様の初めての最強の野生の暴力、最高にときめいてしまいますわァァァ……っ!!♡」


(ガレキの中から全裸で熱いガチ恋バフを這わせて覗き込んでくんじゃねぇよバカヤローッ!!! )


俺は悶絶しているヤンデレ白竜を無視すると、そのままドスンとベッドへダイブし、泥まみれのまま、この世の全てを拒絶するように毛布にくるまって特大の不貞寝をキメるのだった。


アリアちゃんが隣の国で命がけのお使い(単独テロ)に挑んでいる裏で、俺はついに5頭の怪獣たちの完全予約制ローテーションを武力でねじ伏せ、今夜の夜デートを舞台にした、あの銀髪ヤンデレ聖女の生々しすぎる朝帰り自爆爆弾――そして、部屋へ帰った俺を待ち受けている『新調トビラ・ズルズル物理パージ大戦』という、もはや神様でも誰もコントロールできない超泥縄ループへと、容赦なく突き進んでいくのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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よろしくお願いいたします!

(次回更新:明日12時20分!)

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