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第57話 一族の産卵規制緩和と、大集落のジュラシック・キャットファイト

「フシュ、フシュゥゥゥーーーッ!!!(誰が産ませるかバカヤローッ!!! 全員まとめて今すぐ部屋から出て行けェェェ!!!)」


リザードマンの大集落にある、俺(大トカゲ姿)の自室。

ココア様から直々に授かった『卵100個の公式救済大義名分』をエルシエラが余計に分担ハッキングしたせいで、本来の2.5m級のゴツゴツした怪獣姿に戻ったトカゲ娘4頭が「アタシも20個死ぬ気で産んでやるわよッ!」と部屋へ雪崩れ込んできた、今日の早朝。


俺は朝一番からオスとしての貞操と命の危機を察知し、壊れたトビラの大穴から大集落の広場へと命からがらダッシュで大敗走をキメていた。


「フシュゥゥゥーーーッ!!!(ハァ、ハァ、死ぬ!! 2.5mのトカゲヒロイン5頭にベッドの上で同時にマウント取られたら、人間に戻る前に自重で俺のウロコが粉砕されて圧死するわ!!!)」


俺が不器用に短い手足を泥縄にバタつかせ、漆黒の大トカゲの質量を激走させて集落の広場をダッシュしていると、突然、俺の全速力な逃走劇を見つめていた広場のあちこちから、フシュゥゥ、フシュゥゥゥ♡と、おぞましい爬虫類の嬌声きょうせいが次々と響き渡り始めた。


大集落に住む、他の若いリザードマンの一般のメス(トカゲ娘)たちだった。


「……えッ!? 聞いたっす!? エルシエラ様や戦士長の娘さんたちが、王(マモル様)を人間の呪いから救うために『卵を20個ずつ分担して産む』って言ってるっす!!」

「ということは……! 1頭で100個産み落とす絶倫レースじゃなくて、みんなでノルマを小分けにしていい仕様なんですのね……!? だったら、ウチら一般のトカゲ娘にも、卵1個分の交尾に参加して、王の初めての既成事実を強奪するチャンスがあるんじゃないかしらァァァーーーッ!!!♡」


「フシュゥゥゥーーーッ!!!(チャンスなんか1ミリもねぇよ!!! 5頭の怪獣(戦士長の娘)をさばくだけでも俺のオスとしての尊厳が秒速で消し炭になるのに、これ以上一族の分母ハーレムを増やして地獄の産卵セット(繁殖場)を拡大すんじゃねぇよ!!!(※涙目の特大ツッコミ))」


今までエルシエラたちの強大すぎるヤンデレ覇気に怯えて「王に近づいたら即座にミンチにされる……涙」と指をくわえて諦めていた一般トカゲ娘たちが、公式の規制緩和(大義名分)を得て一斉に目を血走らせ、「マモル様ァァァ! ウチも1個おもてなしするっす!!♡」と津波のように四方八方から押し寄せてくる。


だが、その一般メスたちの乱入に、俺の後ろから凄まじい地鳴りを立てて追いかけてきていた4属性のトカゲヒロイン(トカゲ姿)たちが、縦長の瞳を怒りでバキバキに直撃で血走らせた。


「ちょっと一般トカゲェェェ!!! マモルとの卵20個の交尾はアタシたち幹部の特権よッ!! あんたたちに分ける卵(利権)なんて1個も存在しないわよッ、すっこんでろォォォ!!!(ゼフィラ・風の大威嚇)」


「マモル様への初産(産卵)を邪魔する泥棒猫は、全員まとめて秒速で焼き尽くすっすよォォォ!!!(ガルダ・火の大咆哮)」


トカゲヒロインたちのあまりのケチっぷりに、一般のトカゲ娘たちもウロコを逆立てて一斉にキレ散らかした。


「何よ幹部風吹かせてケチ!! 100個のノルマなんだから、ウチらに1個くらいお裾分けしてくれたっていいじゃないのォォォ!!!(一般メスたちの大応戦)」


ズガガガガガガガガガッ!!!

バキバキバキィィィン!!!


次の瞬間、俺をベッドへ拉致監禁しようとしていた4属性の娘たちと、チャンスを掴もうと暴走した一族の若いメスたちの間で、俺の保有権(産卵枠)を巡る前代未聞の『リザードマン限定・大集落ジュラシックキャットファイト(内ゲバ)』が大爆発したのだった!巨大なウロコの肉体同士が広場で上になり下になり、凄まじい質量でぶつかり合って更地を作っていく。


(お前ら全員、王の目の前でどこのバイオハザードの怪獣大決戦を開いてんだよバカヤローッ!!!)


だが、ヤンデレどもの身内の内ゲバは、俺にとって唯一無二の命の脱出フラグだった。


「フシュゥゥゥッ!!(今だァァァ!!!)」


俺は2頭のトカゲ娘たちが噛み合って砂煙を上げている真横を、短い前足で泥縄に地面を掻きむしりながらマッハの速度でスライディングですり抜けた。そして、人間の村へ逃げ込んで5頭の怪獣を引き連れて村を更地にさせる大惨事を回避するため、大集落のさらに奥の森の最奥にそびえ立つ、昨日トビラを粉砕したばかりのあの場所――本物の『光の神殿』へと、冷や汗を滝のように流しながら2日連続の全力隠密ダッシュで殴り込み(逃げ込み)をキメるのだった。


キアラちゃんとのキスを100日間我慢するはずのタイムラインの防衛線が、トカゲ村のメスたちの狂った連立方程式のせいで朝一番から大バグを起こすなか、俺の隠密ライフは、神殿のココアの元へ2日連続でドア破壊乱入を仕掛け、最高神を人間の盾(神の盾)にするという、さらなる泥縄日常デスゲームの荒波へと、容赦なく突き進んでいくのだった。

週末限定3話ブースト更新、お付き合いいただきありがとうございました!

特別更新はここまでとなりますが、明日月曜日からはまたいつも通りの1日2話ペースで更新していきます!

「ちょっと面白いかも」「続きが気になる」と思ってくださったら、画面下の【ブックマークに追加】や、【評価の☆☆☆☆☆(星)】をぽちっと押して応援していただけると、執筆の物凄い励みになります!

よろしくお願いいたします!

(次回更新:明日12時20分!)

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