第44話 防犯性ゼロの粉砕トビラ大穴と、深夜の鉢合わせ夜這い大戦
「はぁ……お昼のカフェは、アリアちゃんのせいで最悪な誤解のまま終わったな。しかも2回目の変身枠もあのキアラちゃんの修羅場ホールドのせいで無駄に前払い消費しちゃったから、明日の朝まで完全にただのトカゲだ……。まあ、ここは人間が誰も来ない大集落の俺の部屋だし、大人しく寝るか……」
お昼のランチデートの終わり際、キアラちゃんの熱烈な追及から逃れるために本日最後となる2回目の擬態制限時間をすべて使い切り、夕方には安全なリザードマンの大集落へと逃げ帰っていた俺。
元の『漆黒の大トカゲ姿』に戻って引きこもっていた俺は、ベッドの上でゴツゴツした巨体を丸めながら、フシュゥゥゥと安堵のため息をつき、静かに目を閉じようとしていた。
深夜の、静寂。
――昨夜、アリアちゃんが突入してきた際に『地魔法によって跡形もなく粉砕された俺の部屋の木製トビラ』は、手先が致命的に不器用なリザードマンたちの手によって直せるわけもなく、現在もポッカリと巨大な大穴が空いたまま放置されていた。
俺がそんな防犯性ゼロの我が家のベッドで寝ようとしていた、まさにその時だった。
粉砕されたトビラの大穴から、まばゆい金髪とツンと尖った耳を持つエルフの少女――アリアちゃんが、涙目で隠密魔法を駆使し、ガタガタとマッハで震えながら、静かに部屋の中へと潜入してきたのだ。
お昼のカフェでの魔王激怒ブースト(※ただの変身上書き魔力)をまともに浴び、「やっぱり弟子と世界を救うために、ボクが何とかしなきゃ……っ!涙」と完全に狂った腹を括った彼女。愛する弟子を魔王の独占宣言から守るため、なんとガチの涙目で自分が代わりに生贄になるという特攻をキメに、夜のトカゲ村の最奥アジトへと単身潜入してきたのだ。
アリアちゃんは、ベッドの上で丸くなっている漆黒の大トカゲ(俺)を見て、心臓が破裂しそうなほどチビりかけながらも、服の襟元をプルプルと震える手で緩め、意を決して俺のベッドのシーツへと這い上がろうとしてきた。
だが、まさにその直後だった。
粉砕されたままの我が家のトビラの大穴から、フシュゥゥゥ……と冷徹な重低音ボイスが響き、緑色の美しいウロコを持つ【ガチのトカゲ姿のゼフィラ】が、ぬっと不気味に首をもたげて乱入し、アリアと直撃で鉢合わせたのだ。
お昼に擬態のバッテリーが完全に空になり、本来のガチトカゲ姿に戻ってお留守番していたゼフィラ。彼女は扉が粉砕されていることを夜這いのチャンスだと考え夜中にこっそり俺のベッドに潜り込もうとやってきたのである。
ゼフィラ(ガチトカゲ姿)は、俺のベッドの前に先回りしていたエルフの小娘を見つけるなり、縦長のトカゲの目をこれ以上ないほど不快そうに吊り上げ、アリアちゃんの2倍近い巨体をくねらせて激しく威嚇した。
「フシュ、フシュゥゥゥーーーッ!!!(※ちょっと、あんたなんかここに呼んでないのよ!!! アタシが今からマモル様と夜の添い寝をするんだから、その生意気なエルフの耳を風の小爆発で吹き飛ばされたくなかったら、今すぐそこから退きなさいよッ!!!)」
(お前も呼んでねぇよバカヤローッ!!! 何が『あんたなんか呼んでないのよ!』だツンデレトカゲェェェ!!! お前も夜中にただの爬虫類姿のまま俺の部屋に不法侵入してきてんじゃねぇか!!!)
俺が心の中で全力のツッコミをブチかましていると、『風の化け物トカゲ(ゼフィラ)』に直撃で凄まじい野生の覇気で睨みつけられたアリアちゃんの脳細胞は、完全に精神的完全崩壊を迎えた。
(……ひ、ひぃぃぃ!!! 黒い魔王のベッドの前に、すでにあの風の化け物トカゲ(ゼフィラ)が【夜の正妻ガードマン】として暗闇に君臨してボクを睨みつけてるじゃねぇかァァァ!!!
あのバケモノの凄まじい眼光、『この魔王様の夜の閨に、自分以外の不純な生贄が1歩でも足を踏み入れたら、その瞬間に人間の国ごと跡形もなく噛み砕いて消し炭にしてやる』っていう、最悪の嫉妬の警告なんだわァァァアア!!!(ガタガタ震えて涙目))
アリアちゃんがあまりの恐怖のプレッシャーに泡を吹いて卒倒しかけている。俺は大トカゲの太い尻尾をバサァァァン!!と激しく振り回し、ベッドの前にいたアリアとゼフィラの2頭をまとめて物理的に完全パージ(大拒絶)した。
そして、前足でトビラの大穴をガッと指差し、トカゲの重低音覇気(フシュゥゥゥウウウ!!)で「2人とも今すぐ俺の部屋から出て行け!!」と猛烈に吠え散らかした。
だが、ベッドから転げ落ちて床にへたり込んだアリアちゃんは、マモル様(大トカゲ)に尻尾で強烈に拒絶され、さらに横のゼフィラ(ガチトカゲ)からもフシュフシュと不快そうな追撃の文句を浴びたのを見て、恐怖の涙をさらにボロボロと溢れ出させた。
「……ひ、ひぃぃぃ!! ボクの身代わりの肉体じゃ、お怒りが1ミリも収まらないどころか、あの正妻トカゲの逆鱗に触れて世界が滅ぼされるっていう魔王の大拒絶なんだわァァァアア!! やっぱりキアラじゃなきゃ世界が滅ぼされるんだわァァァ(大絶望大号泣)」
(違うんだアリアちゃん!!! 怒って世界を滅ぼすんじゃなくて、中身が18歳のピュアな男子高校生だから、ガチトカゲ姿のままエルフの美少女と野生のツンデレトカゲに深夜のベッド前で夜這い大戦を繰り広げられたら精神的に童貞即死するから必死に尻尾で全員パージしただけなんだよバカヤローーッ!!!)
俺の全力の拒絶とゼフィラの夜間乱入のせいで、大魔導師の誤解がさらに『やっぱりキアラの生贄が必要だ!』という破滅のラブコメ方向へと最悪に加速していく、深夜のリザードマンの引きこもり部屋。
アリアちゃんが(ボクがキアラを気絶させてでもマモル様のもとへ引きずってこなきゃ……っ!涙)と不穏な自己犠牲の炎をめらめらと慢え上がらせるなかで、俺の隠密スローライフは、もはや神様でもコントロールできない大混乱の日常へと、容赦なく突き進んでいくのだった。
「はぁ……お昼のカフェは、アリアちゃんのせいで最悪な誤解のまま終わったな。しかも2回目の変身枠もあのキアラちゃんの修羅場ホールドのせいで無駄に前払い消費しちゃったから、明日の朝まで完全にただのトカゲだ……。まあ、ここは人間が誰も来ない大集落の俺の部屋だし、大人しく寝るか……」
お昼のランチデートの終わり際、キアラちゃんの熱烈な追及から逃れるために本日最後となる2回目の擬態制限時間をすべて使い切り、夕方には安全なリザードマンの大集落へと逃げ帰っていた俺。
元の『漆黒の大トカゲ姿』に戻って引きこもっていた俺は、ベッドの上でゴツゴツした巨体を丸めながら、フシュゥゥゥと安堵のため息をつき、静かに目を閉じようとしていた。
深夜の、静寂。
――昨夜、アリアちゃんが突入してきた際に『地魔法によって跡形もなく粉砕された俺の部屋の木製トビラ』は、手先が致命的に不器用なリザードマンたちの手によって直せるわけもなく、現在もポッカリと巨大な大穴が空いたまま放置されていた。
俺がそんな防犯性ゼロの我が家のベッドで寝ようとしていた、まさにその時だった。
粉砕されたトビラの大穴から、まばゆい金髪とツンと尖った耳を持つエルフの少女――アリアちゃんが、涙目で隠密魔法を駆使し、ガタガタとマッハで震えながら、静かに部屋の中へと潜入してきたのだ。
お昼のカフェでの魔王激怒ブースト(※ただの変身上書き魔力)をまともに浴び、「やっぱり弟子と世界を救うために、ボクが何とかしなきゃ……っ!涙」と完全に狂った腹を括った彼女。愛する弟子を魔王の独占宣言から守るため、なんとガチの涙目で自分が代わりに生贄になるという特攻をキメに、夜のトカゲ村の最奥アジトへと単身潜入してきたのだ。
アリアちゃんは、ベッドの上で丸くなっている漆黒の大トカゲ(俺)を見て、心臓が破裂しそうなほどチビりかけながらも、服の襟元をプルプルと震える手で緩め、意を決して俺のベッドのシーツへと這い上がろうとしてきた。
だが、まさにその直後だった。
粉砕されたままの我が家のトビラの大穴から、フシュゥゥゥ……と冷徹な重低音ボイスが響き、緑色の美しいウロコを持つ【ガチのトカゲ姿のゼフィラ】が、ぬっと不気味に首をもたげて乱入し、アリアと直撃で鉢合わせたのだ。
お昼に擬態のバッテリーが完全に空になり、本来のガチトカゲ姿に戻ってお留守番していたゼフィラ。彼女は扉が粉砕されていることを夜這いのチャンスだと考え夜中にこっそり俺のベッドに潜り込もうとやってきたのである。
ゼフィラ(ガチトカゲ姿)は、俺のベッドの前に先回りしていたエルフの小娘を見つけるなり、縦長のトカゲの目をこれ以上ないほど不快そうに吊り上げ、アリアちゃんの2倍近い巨体をくねらせて激しく威嚇した。
「フシュ、フシュゥゥゥーーーッ!!!(※ちょっと、あんたなんかここに呼んでないのよ!!! アタシが今からマモル様と夜の添い寝をするんだから、その生意気なエルフの耳を風の小爆発で吹き飛ばされたくなかったら、今すぐそこから退きなさいよッ!!!)」
(お前も呼んでねぇよバカヤローッ!!! 何が『あんたなんか呼んでないのよ!』だツンデレトカゲェェェ!!! お前も夜中にただの爬虫類姿のまま俺の部屋に不法侵入してきてんじゃねぇか!!!)
俺が心の中で全力のツッコミをブチかましていると、『風の化け物トカゲ(ゼフィラ)』に直撃で凄まじい野生の覇気で睨みつけられたアリアちゃんの脳細胞は、完全に精神的完全崩壊を迎えた。
(……ひ、ひぃぃぃ!!! 黒い魔王のベッドの前に、すでにあの風の化け物トカゲ(ゼフィラ)が【夜の正妻ガードマン】として暗闇に君臨してボクを睨みつけてるじゃねぇかァァァ!!!
あのバケモノの凄まじい眼光、『この魔王様の夜の閨に、自分以外の不純な生贄が1歩でも足を踏み入れたら、その瞬間に人間の国ごと跡形もなく噛み砕いて消し炭にしてやる』っていう、最悪の嫉妬の警告なんだわァァァアア!!!(ガタガタ震えて涙目))
アリアちゃんがあまりの恐怖のプレッシャーに泡を吹いて卒倒しかけている。俺は大トカゲの太い尻尾をバサァァァン!!と激しく振り回し、ベッドの前にいたアリアとゼフィラの2頭をまとめて物理的に完全パージ(大拒絶)した。
そして、前足でトビラの大穴をガッと指差し、トカゲの重低音覇気(フシュゥゥゥウウウ!!)で「2人とも今すぐ俺の部屋から出て行け!!」と猛烈に吠え散らかした。
だが、ベッドから転げ落ちて床にへたり込んだアリアちゃんは、マモル様(大トカゲ)に尻尾で強烈に拒絶され、さらに横のゼフィラ(ガチトカゲ)からもフシュフシュと不快そうな追撃の文句を浴びたのを見て、恐怖の涙をさらにボロボロと溢れ出させた。
「……ひ、ひぃぃぃ!! ボクの身代わりの肉体じゃ、お怒りが1ミリも収まらないどころか、あの正妻トカゲの逆鱗に触れて世界が滅ぼされるっていう魔王の大拒絶なんだわァァァアア!! やっぱりキアラじゃなきゃ世界が滅ぼされるんだわァァァ(大絶望大号泣)」
(違うんだアリアちゃん!!! 怒って世界を滅ぼすんじゃなくて、中身が18歳のピュアな男子高校生だから、ガチトカゲ姿のままエルフの美少女と野生のツンデレトカゲに深夜のベッド前で夜這い大戦を繰り広げられたら精神的に童貞即死するから必死に尻尾で全員パージしただけなんだよバカヤローーッ!!!)
俺の全力の拒絶とゼフィラの夜間乱入のせいで、大魔導師の誤解がさらに『やっぱりキアラの生贄が必要だ!』という破滅のラブコメ方向へと最悪に加速していく、深夜のリザードマンの引きこもり部屋。
アリアちゃんが(ボクがキアラを気絶させてでもマモル様のもとへ引きずってこなきゃ……っ!涙)と不穏な自己犠牲の炎をめらめらと慢え上がらせるなかで、俺の隠密スローライフは、大混乱の日常へと、容赦なく突き進んでいくのだった。
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(次回更新:明日12時20分!)




