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第41話 涙目の羽交い締めストップと、市場のど真ん中のトカゲパニック

「ほ、ほう……。キアラはもっとマモルくんの『本来のゴツゴツしたワイルドな一面』も心から愛して、早く誓いの口づけを交わすべきだよっ!!」

「師匠!? お昼のカフェの真ん中で急に何を言ってるのですか破廉恥なーーーっ!!(大赤面)」


俺(人間姿)から差し出された『1枚数億円の国宝級漆黒ウロコ』の物欲と、昨夜のトラウマの等価交換に一瞬で敗北し、ガタガタ震えながら俺の「トカゲ姿の恋活バフ(命乞い)」を涙目で開始した、金髪エルフの美少女師匠アリア(人間の100倍強い大魔導師)。


キアラちゃんが顔面から湯気を吹いて真っ赤になっている、まさにその時だった。


「ちょっとキアラ!! 一昨日アタシたちの村を武力で脅迫して、お腹パンパンになるまで居座った挙げ句、今日もマモルの隣の席を不法占拠するなんて、どこまで破廉恥な分隊長なんっすか!!!」


カフェのテラス席へと、ババババン!!と怒涛の勢いで乱入してきたのは――お昼の変身枠を使って、人間の村のお買い物スローライフを無邪気にエンジョイしにやってきた、人間姿のガルダ(火・ギャル美少女)やゼフィラ(風・ツインテ美少女)たち4頭(泥棒猫の本隊)だった。


キアラちゃんのルビーの瞳が、一瞬にしてガチの戦闘モードへと切り替わる。


「出たわね、一昨日の朝にマモルさんを破廉恥な空中サバトにかけ、そのまま拉致監禁した、あの極悪非道な5人の泥棒猫ども……ッ!!! 師匠! 手を貸してください! コイツらがあのトカゲの村を脅迫している主犯の魔女たちです! 今すぐ私の最大出力の地魔法で跡形もなく圧殺してあげますわ!!」


キアラちゃんがドヤ顔でデメトの親父のウロコ特注杖をシャキーンと構え、4頭に向けて特攻しようとした、そのコンマ数秒の後だった。


「……え!? 嘘……でしょ……!?」

俺の隣に座っていたアリアちゃんが、その4頭の顔(人間姿)を見た瞬間、エルフの大魔導師としての鋭すぎる魔力感知が脳内で2度目の激しいスパークを起こし、笑顔のまま完全にフリーズした。


昨夜、大集落の守の部屋へ突入した際、ガルダたちは最初から本来の姿(トカゲ姿)だったため、アリアちゃんは彼女たちの『人間姿』をまだ1ミリも目撃していなかったのだ。


(……ひ、ひぃぃぃ!!! キアラが『泥棒猫の女の子(人間)』だって言って杖を突きつけてるあの4人……魔力の波長が、昨夜ボクの目の前で部屋をギチギチに埋め尽くしてボクをミンチにしようとしてた、あの生物としての格が違いすぎる凶悪な巨大トカゲたちそのものなんだけどォォォ!!!?)


「さあ師匠、最強の魔法でコイツらを――」

「だ、だから昨日からそれはキアラの完全な勘違いだと言っているだろうがァァァ!!! いいから今すぐその杖をしまえバカーッ!!!(お前なんかが敵う相手じゃねぇんだよ一瞬で肉片にされて死ぬぞォォォオオ!!!)」


「し、師匠ーーーッ!? なんで急に私を涙目で羽交い締めにして止めるのですかァァァ!!?」


アリアちゃんは滝のような冷や汗をダラダラと流しながら、必死の形相でキアラちゃんの後ろから両脇をガッチリホールドし、死ぬ気で特攻を静止した。


ガルダたち4頭は、自分たちの正体がバレているとは夢にも思っていないため、「あの金髪のエルフ、人間にしては生意気っすけど、なんか必死にキアラを止めてくれてるからお買い物の邪魔が入らなくてラッキーっす(わ)!」と、正体に気づかれたことに1ミリも気づかないまま、無邪気にクレープを食べに市場の奥へとキャッキャと歩いて去っていった。


アリアちゃんは4頭の後ろ姿を見送りながら、心臓が爆発しそうなほどの恐怖でバキバキに目を血走らせ、市場の群衆を見渡した。

すると、今日の日付変更リセットで変身枠が復活し、お留守番に飽きて人間の村へホワイトにお買い物にやってきている、人間姿の長老トカゲや、一族の大人トカゲたちの擬態魔力を、その高すぎる魔力で次々と感知してしまった。


八百屋で不器用にジャガイモをお金で買っている人間のおじいさん、服屋でボタンの扱いに苦戦しているお姉さん……。彼らの肌の奥に潜む「自分より遥かに強い、あの巨大爬虫類の波長」を次々と捉えていく。



(な、何よこれ……!! カフェの4人だけじゃない……あそこのおじいさんも、あのお姉さんも、この市場にいる人間の住人の何割かが、中身はあの凶悪な怪獣たち(リザードマン)じゃねぇかァァァ!!!


何なんだこの村はァァァ!!! ボクの知らない間に、とっくにこの平和な人間の村は、あの化け物どもの手によって100%完璧に潜伏占拠(密入国)されて支配されてたんだわァァァアア!!!( ガチのホラー映画顔))



俺(人間姿)は、市場を見渡してガタガタとマッハで震え、涙目を流しているアリアちゃんの顔を見て、すべてを察した。


(アリアちゃん、トカゲたちの健全で平和なお買い物スローライフを目撃して、人間の村がトカゲに侵略されてる『バイオハザード』の世界観に脳内格上げしてんじゃねぇよ!!! コイツらはただ単に『指先が不器用だから、人間の美味しいお菓子や可愛い服をホワイトに対等なお金で買いに来てるだけ』なんだよ!! 侵略してねぇよ!!)


だが、アリアちゃんは(逆らったら、この市場に潜伏している数百頭の怪獣たちが一斉に本性を現して、ボクごとこの街を更地(滅ぼす)にするんだわ……っ!)と本気で恐怖し、マモル様(黒の王)に完全降伏の涙目のアイコンタクトを送りながら、キアラちゃんに対して「早くマモル様とキスをして村の滅亡を防いでぇぇぇ!」と、ズレまくった『破廉恥な命乞いアシスト(無茶振り)』をさらに加速させるのだった。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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よろしくお願いいたします!

(次回更新:本日18時40分!)

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