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閑話 まだミセス聞こえてくる

今回は読者の方が、二次創作を書いてくれたので、それを掲載します。

ファンアートならぬ、ファンノベルです。


書いてくれた作者さんのユーザーページ→ https://mypage.syosetu.com/1994322/

 ある日の昼下がり、俺がボケーっとしていると、ルカが俺のスマホをイジリはじめた。


 どうやらTikTokを見たいらしい。

 スマホ中毒かよ。こいつ異世界に帰ったらどうするんだろうな。


「なんか面白い動画でもあるか?」


「ん。ナルトダンス」


 スマホからミセスのライラックが流れはじめる。


「でたよそれ、まだ流行ってんのかよ」


「たいよう、ぼくも踊りたい。撮って」


「踊りたいってな、そんなすぐに覚えられるダンスでもないんじゃないか?」


「ぼくの世界にも似たようなダンスがあった。その名も、ワンピースダンス」


 異世界にもワンピースあんのかよ、尾田先生さすがだな。


「残念ながら俺はその曲が好きじゃない。どこかしこでも流れてて過食気味なんだよ、ミセスの曲全般。ゲシュタルト崩壊するわ」


「かしょく?」


「ルカだって、毎日強制的にオムライス食べさせられたらしんどいだろ?」


「味変する。マヨネーズかけたり」


 卵の上に卵をかけるな。


「とにかく、他の曲ならまだしもミセスはウチでは禁止だからな」


 と忠告しつつ、トイレに向かう。

 ズボンとパンツを下げたところで、便器の水が七色に煌めいていることに気づいた。

 しかもぶくぶくと泡まで立って……ま、まさかこれは!!



 案の定ワームホールが開通し、3人の男が飛び出してきた。

 な、なんだ? オシャレな洋服を着たカッコいい中年男性たち。


 どこかで見た覚えがあるぞ?

 知り合い? 違う、たぶん……ネットニュースとかで。


「ふー、なんとか潜り抜けられた」


「な、なにもんだあんたら!?」


「僕たち? 僕たちは……ミセス(本人)です!!」


「……は?」


「ミセス(本人)です!!」











「は?」


「ミセスグリーンーー」


「いいってもうそれは。なんだお前ら。法律の力でこの世界をぶっ壊しに来たスパイか?」


「君がミセスを嫌っていると聞いて馳せ参じたのさ!! 費用対効果くん!!」


「たいようね。どこの世界に自分の子供に費用対効果なんて名前つける親がいるんだよ。意識が高い経営コンサルタントでもそんなことしねぇよ」


「日本でも最も人気で売れている僕らが嫌いだなんて、そんな悲しいこと言わないでくれよ〜。たいよ〜」


 韻を踏んでじゃねえよ。

 小賢しいアーティスト気取りするな。


「別に嫌ってるわけじゃない。あとミセスのことは知らんが絶対そんな喋り方じゃないだろ」


 ていうか耳が早すぎる。

 盗聴されてんのかよこいつらに。


「信じてないかな? じゃあ生歌で信じてもらおうかな。あ〜の頃の青を、お〜ぼえて」


「ちょいちょいちょい、歌うな。やめろ。マジでやめろ。歌詞載せるのはマジでシャレにならんからやめろ」


「てれれんれんてってってれてれれ、てんてけてけてけてんててんててん、てって」


「ライラックのイントロを口で演奏するな」


 ていうか両サイドの2人も喋れよ。

 ボーカルとしか会話してないぞ俺。


 どうやってこいつらをトイレワームホームの向こうへと送り返そうかと考えていると、


「たいよう、騒がしい」


 ルカがやってきた。


「ん。たいよう、ちんぽこ丸出し」


「ちんぽこっていうな。丸出しではあったけど」


「ん」


 ルカの視線が自称ミセス(本人)たちへと向けられる。

 どことなく、瞳が煌めいているような。


「ミ、ミセス」


「どもールカちゃん☆ ミセス(本人)どぇ〜す」


「す、すごい……」


 凄いのはお前の純粋さだよ。


「待てルカ、どう考えても偽物だろこいつら。本物のミセスがネットのディープウェブのさらに地下を流れる下水道に存在するこの作品に特別出演するわけないだろ。昔は知らんが今となっては覇権アニメしか相手にしないぞあいつら」


「ん。地下であればあるほど、いつかはブラジルから顔をだす」


 こいつポジティブモンスターか?


「だとしても、偽物であることには変わりないぜ」


「ん。偽物が(本人)なんて言うはずがない」


「俺もそんな世界だったらよかったよ」


 全国のオレオレ詐欺常習犯さん、ここに絶好のカモがいますよ。


「たいよう、ぼく、生歌聴きながら、たいようとナルトダンスしたい」


「勘弁してくれ。自分の指をすべて切り落としてから切腹する方が楽しそうだそんなの」


「おそうじ、がんばる。おねがい」


「えぇ……」


「おねがい」


「うーん」



ーーぽわぽわぁ〜ん



「早ぇよ。フライングぽわぽわするなよ。こっちの回答を確定させる裏技するな」


「たいようと踊ったら、きっと楽しい」


「まったく、しょうがないな」


「うっし」


「ぽわぽわしろよ」


 そんなこんなでミセス(本人)たちが楽器の準備をはじめる。

 俺の狭い部屋のなかで。


「てれれんれんてってってれてれれ、てんてけてけてけてんててんててん、てって」


「口で演奏するのかよ」


 とツッコミつつ、サビで拙いナルトダンスを踊る。


「ん。楽しい」


「た、確かに、楽しいかも」


 食わず嫌いしていたのかな。

 流行り物に乗っかってみると結構楽しいものだって、ルカから教わってしまったな。





 その後、俺の家から漏れたミセス(本人)たちの歌は東京23区を超え、関東圏、日本列島、地球の反対側まで響いて、世界中の人間がナルトダンスを踊ったのだった。

今度こそ、次回から2章開始です。

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