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女湯6
出川亨だ。九時に夜勤を終えて、とっくに施設にはいない。
一人が、「出川さんがやったんじゃない?」と囁いた。
紗希も近づいて痣を見た。
見ていたら、三か月前に聞いた声が頭の中でまた聞こえてきた。
― あの子、凄い肉付きですよね ― あんなの早く死んじゃえばいいんだよ ―
誰の話だったのかは知らない。
当時はまだ勤務五日目で、入居者の名前はおろか職員の名前さえ覚束なかった。「あんなの」と言われて、誰があんななのか分かるはずもなかった。
出川の声だったのは覚えている。その日の午前中、出川に仕事を教えてもらったから。




