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バニラの甘さは危険な甘さ  作者: 島の住人
3/5

女湯3



違いは紗希にも分かっている。


大学を出た。社会福祉士もとった。


本部採用の総合職で、将来は施設長だ本社勤務だといった見方もあるが、お客が風呂場でよろけた時には、どれもたいして役に立たない。


三か月働いて、それくらいは分かった。


だから紗希は、自分がここでは一番仕事が下手だと考えている。いつも人の目を気にする。


百一歳のお客が車椅子に乗って風呂場へ来たのは、十一時半を過ぎたころだ。ひどい認知症がある女だ。


普段は車椅子に乗るものの、立てないわけではない。むしろ何を思うのか急に腰を浮かせて立とうとするので、そのたびに職員が慌てる。


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