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誓いの果て  作者: のの
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66/77

我が民

 雷が激しく轟く。


 城の中で、キッセンベリの若き国王は、椅子に腰掛けため息をつく。


 疲れた。


 今は、何をしても、脱力感しか感じられない。

 いつからこんなことになってしまったのだろう。


「民は?我が民はどこに行った?」

 若き国王は、力なく呟く。


「陛下。心配ありません。この戦いに勝てばすぐにでも民は戻ります。今は、戦いを避け隠れているのです。なんせこの戦いには、最高の魔術師であるこのガスケがおります!みな心待ちにしておるのです。この戦いに勝ち西の全てを治める陛下を!もうすぐです!」

 ガスケは、若き国王を鼓舞する。


「…そうか。待っているのか。」

 若き国王は、ゆっくりと立ち上がった。


「少し休む。」

 若き国王は、ガスケの鼓舞する言葉にもあまり反応することなく、ふらつく足どりで部屋を出た。



「まったく、情けない。」

 ガスケは、若き国王が部屋を出ると舌打ちした。


「昔、アスリー達と戦ったキッセンベリの国王は、容赦なく戦ったと聞いているのに。」

 ガスケは、窓辺に向かい窓を開け放つ。


 窓辺からは、小さな教会とその先の小高い丘が見える。

 もうすぐ昼時だと言うのに、薄暗く、時より雷が轟く。

 小高い丘には、選ばれし魔術師達が封じの石があった祭壇を囲んでいる。


「さて、ワシも行くとするか。もうじき開かれる。《《ワシ》》があやつらを操り西を治める!」

 ガスケは、勢いよく握りこぶしを振り上げた。


「ん、ワシが…?」

 ガスケは、自分の言葉に笑った。


「まぁ、良い。」

 ガスケは、今度は大笑いした。


「ワシが国王か…。」

 ガスケは、自分の握りこぶしを見ながら、想像しほくそ笑んだ。


「あの情けない国王には、まぁ、矢面に立たせ、せいぜい敵の的になってもらうか。」

 ガスケは、軽い足どりで部屋を出た。




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