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誓いの果て  作者: のの
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44/77

サンゼベリア

 ベリンガーは、サンゼベリアに到着した。


 途中、どうしても立ち寄りたくて、グラノゼ国に立ち寄った。

 ベリンガーの故郷だ。

 両親は、もう亡くなっていたが、妹はまだ、グラノゼで、夫と子供二人と暮らしていた。


 妹夫婦に、友や親類を含め、リメルナに向かうように伝えた。

 コッツウォートは、自分のために、別の危険があり、残念ながら住むことは叶わないが、リメルナのミム王子に、リメルナに居住できるようにお願いしていた。


 出来るだけ、グラノゼの民に、他国へ逃げるように話しを広げてもらうよう伝えてきた。


 グラノゼは、保守的で、国王は、まったく融通が効かなかった。

 時間がないので、今回は、妹夫婦に会うだけにして、ベリンガーは、すぐサンゼベリアに向かった。




 サンゼベリアに着いたベリンガーは、すぐに国王への謁見を頼んだ。


 国王との、謁見はすぐに許された。


 謁見の間には、三人の王子達もいた。



「ベリンガー、オレたちも殺しに来たのか?」

 一番下の王子が、国王より先に話し出した。


「静かに!私の客だ。」

 国王の一喝に、王子がまたもや口を開く。


「殺人の指名手配を受けている者と、父上だけを会わせる危険はさせられません。」


 ベリンガーは、唇を噛み締める。


「この者は、旧知の仲よ。良く知るゆえに会っているのだ。」

 王子達は、不満気な顔をしていた。


 王子達は、国王に対する尊厳を失っているようだ。


 コッツウォートでは、国王を差し置いて、話し出したり、話しに割って入るなどあり得ないとテオグラートが話していた。

 ミム王子の言う通り、王子達の暴走を止めるのは難しいだろうと感じた。


 国王は、王子達を下がらせた。


「ベリンガーよ、すまんな。見苦しいところを見せた。部屋を変えよう。お前に頼みがある。」




 客間に移ると、ソファに腰掛けた。


 国王は、ひどく歳をとった気がした。


「お前は、途中で会ったかも知れないが、リメルナの王子が来た。第三王子のミムだ。」

 国王は、酒を手に取り、一息つく。


「あれは、若いのに中々、辛辣だな。いや、若いから辛辣なのか。」

 国王は、笑った。


「奴のおかげで、子供達が、お前をも警戒していた。何事か異議を唱えられるのではと。我々は、異議を唱えられることに慣れていない。」

 国王は、酒の入ったグラスをテーブルに置く。



「陛下、今はキッセンベリの国王には、残念ながら近づけません。橋渡しをする者がいませんので、注意が必要です。どうか王子達に、不必要に、挑発をしないよう諭してほしいのです。今は、難しいところですから。」


「分かっておる。だが、子供達は、武勲を望んでいる。私が次期国王を決めかねている為に。」

 国王は、ため息をついた。



「我が妹には、会ったか?」

 国王には、妹がいた。


「ええ、フレールで元気にお過ごしです。」

 ベリンガーは、妹を思う兄の気持ちは、良く分かる。


「無理をなさらないように。と言付かっています。」

 国王の妹は、フレール国王の弟に嫁いでいた。

 ベリンガーは、キアラが殺害される前から、フレール、エメラルなどを訪れて、情報収集をしていた。



「そうか。ありがとう。妹に心配するなと伝えてくれ。あれの息子は、元気か。」


「はい。頼もしくなりましたよ。魔術師として、遅くに勉強を始めたのに、かなりの使い手になりました。」


「そうか…。」

 国王は、やや考え、立ち上がった。


「ベリンガーよ、お前に頼みがある。使う、使わないにしても、渡しておく。この機会を逃せば、渡せないかもしれん。」


 国王は、隣の部屋へ消えていった。


 ベリンガーは、早々にサンゼベリアを立ち去るべきと考えた。


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