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誓いの果て  作者: のの
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37/77

すべてが上手くいかなくて

 翌日、テオグラートは国王にエメラルに行く許可をもらいに王宮に出向いたが、却下された。

 国王は不機嫌な様子を見せた。


「西側の情勢は良くない。今、自国を出るは感心しない。」


「母上を保養地で休ませたいのです。」

 テオグラートは、無理を承知で申し出た。

 国王がダメと言ったらダメなのだ。


「話しは終わりだ。」

 国王は、立ち上がり退席した。


 やっぱりダメだった。

 だいたい第三所領に王家の者が二人ともいなくなるのは、いかがなことか。

 テオグラートは、仕方なく第三所領に戻ることにした。




 キアラは、コッツウォートを出れないことに落胆した。

 やはり、国王は西側のことを懸念している。


 テオグラートは、馬に乗り第二所領に向かっていた。

 母には、コッツウォートを出れないし、出ないと伝えた。

 母は、承諾してくれた。

 これからキリウェルの剣術の稽古だったが、テオグラートは、サボることにした。

 剣術の稽古は、嫌いではない。ただ、今は集中できなかった。

 兄上に話してみようと思った。

 少しでも心を軽くしたかった。


 第二所領へ向かうには、王都経由で向かうのが一般的。

 森を抜けて、近道する。

 道はどんどん狭くなり、獣道となる。

 この獣道を通るほうが、兄の居城のそばに出る。


 リルの居城の門を通り抜ける。

 すぐさま、厩舎の者が出て来てテオグラートの馬を引き受けた。


 第二、第三の居城はこじんまりとしているが、それぞれに手入れのいきとどいた庭園があった。

 その庭園は、母親のための庭園でもあった。

 二人とも、庭園は母親の好きなようにさせていた。

 テオグラートは、庭園を横切り奥へと入って行く。


 目的の扉を開ける。

 リルは不機嫌そうに迎えた。


「庭から入るな。」

 庭園につながる扉は、居城で働く人に会わずに入れるので、テオグラートは良く利用した。


「ごめんなさい。兄上。」

 テオグラートは、悪びれることなくソファに座る。


「この時間では、またサボったのか?側近をぞんざいに扱うな。」


「そんなつもりはないよ。」

 否定をしたものの、確かにキリウェルに悪いことをしていた。


「帰ったら謝って、もうしない。」

 テオグラートは、拗ねたように呟くと、兄が座る横に移動した。


「兄上、聞いてほしいの。誰にも言わないでね。」

 テオグラートは、リルに話した。



 リルは呆れた。

 テオグラートではなく、大人達に。

 11才のテオグラートには、酷な問題だと思った。


「お前は、すぐに戻って母親に監視をつけろ!ベリンガーは放っておけ。母親が、無断で自国を出るなど問題になるぞ。」


「でも、母上は承諾してくれたよ!」


「ベリンガーにほだされかねない。」

 母親であるより、女である自分をとるかもと、テオグラートにとって酷な言い様は止めた。


「でも、誰に頼めばいいの?」


「侍女に頼め!」

 リルは、少しイラついていた。

 リルの周りは、ほとんどがリメルナからの人間が占めている。

 侍女もだ。

 普通に侍女の仕事も出来るが、護衛も殺しも出来る。

 リルの監視も。


「急いで行け。」


「うん。分かった。明日も来ていい?」

 テオグラートは、甘えるように言いながら立ち上がった。


「キリウェルを共に付けるならな。」


「でも、キリウェルも忙しいから、伝えるだけでいいでしょう?」


「ダメだ。誰でもいい。共を付けないなら自分の居城から出るな。」


「えー!」

 テオグラートは、リルのほんの意地悪かと思ったが、リルに睨まれて、意気消沈した。


「…うん、分かった。」

 テオグラートは、仕方なく戻ることにした。


 厩舎でヴァルに会った。

 ヴァルは、頭を下げるとその場を去った。

 テオグラートは、なんとなくヴァルが苦手だった。


 テオグラートは、馬に乗り、また獣道を進み始めた。



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