表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誓いの果て  作者: のの
PR
35/77

2年前 ベリンガー

 ベリンガーは、キアラのお気に入りの庭園のベンチに座り悩んでいた。

 キリウェルからは、部屋で待っていろと言われたが、勝手に部屋を出た。

 ベリンガーは、急いで西に向かいたかった。


 キアラが、第三所領の居城の庭を急ぎ足で進んでくる。


 キアラは、17才でコッツウォートに嫁いだ。とくに家柄ではなく、国王が魔術を使える子供が欲しかったことと、魔術師達側から西側以外でも住む場所が欲しかったことで、決まった結婚だった。

 キアラは、もちろんそんな結婚を望んでいなかったが、魔術師達の生活の場は厳しいものだった。

 豊かな国での生活を求めて、キアラは仕方なく結婚を承諾した。

 しかし、コッツウォートは、保守的な国だった。

 よそ者も、変化も望まなかった。

 魔術師達は、コッツウォートよりリメルナやエメラルに向かうものが多かった。

 自分は、何のために嫁いだのだろうか。


 キアラも、リルの母親レティも、王子を産むと自分の子がもつ居城に居住していた。

 エドモントの母親が、田舎者の娘達を王宮に住まわせたくないと毛嫌いしたからだ。



 庭は花が咲き乱れ、訳ありの人を隠してくれる。


 キアラは、ベンチに座るベリンガーの前に立つ。


「ひどいわ!なぜ、テオグラートに話したの!私から話すと言ったのに!」

 キアラは泣きながら、ベンチに座り込む。


「時間がない。昨日の夜、西から私の教え子のラザフが来た。キッセンベリは魔術を使える者達を集めている。集めるではなく、捕らえ始めるになるのは時間の問題だ!」

 ベリンガーは、キアラの肩を掴む。


「なんとか、みんなを西から救い出したい!急いで西に向かおう!」


「無理よ。国王がテオをキッセンベリに渡すかもしれない。置いていけない!」

 キッセンベリ国が何を言ってくるかわからない。養子と言う人質としてテオグラートを要求してくるかもしれない。

 キアラは、なんとしても国王を止め、テオグラートを守ろうとしていた。


「私は、明日ラザフを連れて西に行く。キアラ、テオグラートを連れて来るんだ。」


「でも…」

 キアラが言い淀む。


「国王が守ってくれないなら、出たほうがいい!君とテオグラートはエメラルにいればいい。必ず君の両親を連れて来る。テオグラートを君の警護としてエメラルに帯同させ、とりあえずコッツウォートを出れば後はなんとかなる。」


「どうしてこんなことに…。クレメンス王はどうされたの?」

 クレメンス王は、キアラの故郷、サンゼベリア国の国王で、西の最果てにある教会に飾られてあった絵に描かれていた勇者の末裔と言われていた。


「国王は、西の諸国と一緒にキッセンベリ国と戦うと言っているらしい。キッセンベリの国王は狂っている。最近は、攻撃的だ。善からぬ魔術師と一緒に、他の魔術師を捕らえて、魔術書を集め、不可解なことを調べさせている。」


「キッセンベリは小国よ。何ができると言うの?」

 キアラは、ベリンガーにすがった。


「東の小国にも、同じようなことがあった。誰もがそんな小さな国と笑った。確かに彼らは負けたが、戦いが終わるまで3年も費やした。戦いなんて大小関係ない!起こってしまえば被害は甚大だ!その前に火種を消さなければ!」


 すがるキアラを抱きしめる。


「明日、必ずコッツウォートを出るんだ!いいな!」

 ベリンガーは、落ち合う場所と時間を伝え、キアラに口づけをすると走って庭を出ていく。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ