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次へのステップ

不定期です

 子供達全員、俺が課したテストを無事合格した所で次のステップに移行するとしよう。次はいよいよ子供達楽しみに待っていたであろう魔法の習得だ


 「おーし。次は魔法の習得だな。それでお前達には一人一人に覚えたい魔法を聞いていこうと思うんだが既に決まっている奴はいるか。まだ決まってない奴は後から言いにこい」


 急なことだからまだ全員決まっていないだろうと木陰に腰をおろそうとすると、俺に戦いを挑んできた二人の少年...シュウとクナンがやってきた


 「なんだお前らもう決まったのか」

 「なぁ...本当に好きな魔法を習得できるのか」

 「......」


髪が赤く喧嘩っぱやい性格の男がシュウ。蒼い髪に口数が少ない方がクナン。こいつらに血の繋がりはないがそれより固い友情で結ばれている


 「大抵の魔法は習得させられると思うぞ」


 魔法はイメージ。イメージがしっかりしていれば俺が覚えていない魔法でも習得させられるしついでに自分自身も覚えられてむしろ一石二鳥かもしれない


 「だったら俺は光魔法を覚えたい」

 「俺は氷魔法」


 光魔法と氷魔法。どちらも俺が覚えていない魔法でかつ、街中にいる人で習得している奴を見たことがない。そういえば光魔法だけは一度見たことあったな。まぁどちらも不可能ではないだろう。だからすぐにこう答えた


 「分かった。任せておけ。少々時間がかかるかもしれないが必ず習得させてやる」






 他の子供達は木の下に集まり仲良く相談していた。そこには俺の仲間達の姿もあって、何やら会話にまざっていた。そこで、「ちょっと出掛けてくる」とだけ伝えてペルシーがいる魔導学園にむかうことにした。はやくヒュオラの様子を確認したい


 「そういえば、どうやって中に入ればいいんだ?」


 目的地には着いたものの学園の門は閉じられていた。中にはここに通っている生徒達がいるだろうし、俺は部外者だ。その部外者である俺が門を飛び越えて侵入したらそれは明らかな不審者であり侵入者でありと問題になるに違いない


 「ヒュオラがいる部屋の場所は分っているわけだし、いっそ王城に忍び込んだみたいに魔剣を使って...」

 「そこでなにをしているニャ」


 俺が悩んでいると門の奥からペルシーが顔を覗かせていた。全然気づかなかった。【気配探知】と【魔力探知】を常時発動しているというのに。こやつやはりただ者ではない。一体どういうカラクリを...


 ペルシーのお陰で堂々と中に入れたのでそのままヒュオラのもとへ向かう。その途中、教室で授業を行っている最中の生徒が何人か窓から俺を覗いているのが見えた。授業中に知らない人が訪れれば気になって覗いてしまう気持ちはよく分かるが、こっちはあまりいい気持ちはしないな


 ヒュオラは未だに目を覚ましてはいなかった。予想はしていたが、的中してほしくはなかったな。早く目覚めて欲しいものだ


 「ヒュオラの体調は?」

 「魔力が少し回復した以外特に変化はないニャ。まぁ気長に彼女が目が覚めるのをまつニャ~」

 「ならこいつは俺が連れて行く。もうここに寝かしておく必要はないからな」


 ただ魔力が欠乏している事が原因で気を失っていてヒュオラが目覚めるのを待つことしか出来ないならここに置いておく必要はないはずだ。もし断るようならペルシーが何か企んでいると疑わざるをえない。こいつは神であり人ではない。神とは気づいていなくと何か勘づいている可能性はあるし、このまま長いさせる訳にはいかない


 「別に構わないニャ」


 ペルシーの返答は実にあっさりしたものだった。考える仕草も一切なし。さっきまで疑っていた俺がバカみたいだ


 「そんなことよりもニャーは君に興味があるのニャ」

 「俺に?」

 「なぜあの場所...魔族領域にいたのニャ。それにあの強さはなんニャ。あんな大勢の魔物を相手に。それにあの眷属は...」

 「あー俺に興味があるのは分ったからいったん口を閉じようか」

 

 それにしても俺が思っていた以上にあの場所にいたようだ。お陰で困ったことになってしまった。見られた以上誤魔化す事は困難だ...いっそう亡き者に...ってそれじゃ盗賊とかと一緒か


 「ヒュオラを助けてくれた恩があるし答えられる範囲で教えてやる。まずあの場所にいた件だが、それは人に頼まれたからだ。依頼者は教える訳にはいかない。俺は一応冒険者なんでな」


 嘘はいっていない。人(神)に頼まれたのも冒険者であることも。ただ、冒険者の依頼で行ったと誤解されるような言い回しをしただけである。まぁこんなもの調べられたらすぐにバレるだろうが、別にバレた所で断言をしていないから問題ない


 「強さに関しては俺が強いってだけだし、あいつらは確かに俺の眷属だ。だからって俺が魔族ってわけじゃない。これで満足か」


 目の前でフムフムと唸っているペルシー。けど、表情をみるに全ての興味がなくなったわけじゃないようだ


 「ニャるほど。大体の事は納得できたニャ」

 「ならよかったよ。まだ他になにか?」

 「んーそれニャら...君が持っていた魔剣について聞きたいニャ」


 そういえばペルシー(幽霊状態)にあった時に、手に魔剣を握っていたっけか。でもそれを見て魔剣だと見抜けたのは何か見分ける点があるのだろうか


 「よく魔剣だと分ったな」

 「魔剣は剣そのものに魔力が宿っているのニャ。もし付与魔法で魔力を流していたのニャら持ち主自身の魔力が流れているはずニャ」

 「なるほど」


 俺はアイテムボックスから魔剣を取り出しペルシーに見せてやる。その瞬間、ペルシーの目の色が変わった


 「こ、これが魔剣。それにこの凄まじい魔力。やはり書物で見るよりも迫力があるのニャ!」

 「まるで玩具をもらった子供のようだな」


 目を輝かせながら色々な角度から観察するペルシー。もう面倒くさいから持たせようかと思ったが、以前リコが飲み込まれるという事件があったし下手な行動は避けるべきだろう。それに...なんだかこいつが嫌がっているように感じるし


 「この剣は一体どんな力を秘めているのニャ!!」

 「秘密だ。ただ強力ってのは保証する...」


 褒められていると思ったのか剣から嬉しさが伝わってくる。俺の返答に「そこをニャんとか-!!」泣き叫ばれるが気にしせずアイテムボックスに収納する


 「これで恩は返したぞ。じゃあ機会があったらまた会おう」

 「はぁ~残念ニャ。ニャらまた会う機会を楽しみに待ってるニャ」


 ヒュオラを宿に連れていきベッドに寝かせる。そしてイリナ特製木彫り人形を取り出し顔に近づける


 「おいレシウス。聞きたいことがある。暇になったら連絡くれ」


 それだけ言い残しアイテムボックスにしまう。それから孤児院にいる仲間を迎えにいき宿にもどる。当然そこには眠っているヒュオラの姿があるわけで、そこに視線が集まるのは想定内なのだが、そこからなぜ俺がジト目で見られるのか


 何か誤解をしている様なのですぐに説名した。真実を全て話すことは出来ない。大事なのは4人が納得するかどうかだ。内容としてはこの街にある魔導学園の側でヒュオラが倒れているのを発見して、そこにペルシーという魔導学園の職員が現れ看病してくれた


 「それで今日、ヒュオラちゃんを迎えにいったという訳ですか」

 「そういうことだ。なにそんなに怒ってるんだテイラは」

 「べ・つ・に!!」

 「でもさーそんな都合よく会えるものなの?」

 「気配探知と魔力探知に引っかかってな」

 「原因はなんだったのですか」

 「魔力欠乏症だってよ」

 「それって魔法使いによくある症状ですよね!」


 テイラとリコが頬を膨らませながら俺をまだみてくるがアイリスはヒュオラの様子を観察しており、イリナは魔力欠乏症について知っているようだった。これは後から聞いた話だが、この症状は以前フレシアから教わったそうだ。なんでも子供達が頑張りすぎて魔力を枯渇させないように注意させるためだったとか


 「いつ目覚めるかは本人次第らしいんで、みんなヒュオラが起きたときはよろしく」

 「分りました」

 「ふふふーん!このリコに任せなさい!」

 「お任せを」

 「はーい!」


 みんなの返事を聞いて安心した。やっぱ俺の仲間は最高だ


 「...いつかこいつらに恩返しができればいいな」

 「なにかいいましたタクマさん?」

 「いや別になんでもねーよ!」



 


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