表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
52/78

全ては己自身のために

不定期です

 魔力を感じる練習を開始してから3日が経過した。子供達はみな一生懸命に練習に励んでいるらしく以前のように遊んでいた時間を特訓の時間に費やしているらしい。俺がいない時、職員の方で魔法が使える人が指導しているらしく上達が著しく高い。しかし全員が同じ練習をしていてもやはり成長が遅いものもいた。そういう人は積極的に先生(職員)に聞きにいったり睡眠時間を削り練習時間を確保しているらしくイリナを含め数人の子供達の目の下に大きな隈ができていた。本当はしっかり睡眠時間を確保するように注意した方がいいと思うのだがこんなに努力してる姿をみると応援したくなる。まぁまだ若いんだし多少寝なくても大丈夫でしょ!という思いもすこしあった


さて何とか全員目標を達成したことだし次の段階に入ることにする。次は魔力操作の練習だこれが出来なきゃ詠唱しても魔法が発動しない場合や発動できたとしても数秒の遅延が発動する可能性があり威力も落ちるらしい


 「という訳で次の課題はバリアを習得することだ」


 バリアは以前魔族の襲撃の際に使った技で。この技は普通、台風なんかの雨や風を防ぐ時に使うのだが俺が使うと相手の攻撃を防ぐ強力なバリアになる。そこまでにしろとは言わないがせめて雨風を防げる程のバリアを目指して欲しい


 子供達も実際にバリアを見たことがあるそうでイメージはしやすいはずだ。後は魔力を纏えるようにひたすら練習して慣れるしかない。それじゃ練習開始!!


 一通り見てみると魔力を放出するだけで魔力を纏えないものやバリアが歪んでいるものがいた。そんな中一人だけ俺と同じように一発でバリアができた子供がいた周りの子供達がそれを見て驚いているが本人も同じようでまさか一発でできるとは思っていなかったようだ


 「君は確か木の陰で本を読んでた」


その子は俺達が初めて孤児院を訪れた時も木の陰で本を読んでいた少女だった。大人しい性格で人と話すのが苦手なのか練習中も他の子と会話をした姿を見たことがない。学生だった頃、クラスに一人はこんな性格の子がいたなと思い出す...って話が逸れてしまった


 「えっと...その...はい」


 俺に声を掛けられて恥ずかしいそうに返答した。こういう子にはどう接していいか分からず困っていると少女の手にいつも読んでいるであろう本が握られていた。練習中にも本を握ってるとか相当好きだな


 どういう本を読んでいるのか気になりその本の題名を見てみると「初級魔法の基礎」と書かれていた。どうやら魔法を練習する前から興味があったようだ


 「その本少し見せてくれないか?」


 魔法の指導をする上で重要なことでも書いてあるかもしれないし俺自身が興味をもち少女に頼んで本を読ませてもらう。開いてすぐに気づいたことは、この本は手書きで書かれているということだ。少女に聞いてみるとこの本は少女のものではなく孤児院に置かれている本だという。その事を他の子供達も初めて知ったようで職員に方の一部の人も知らなかったようだ...どんだけ持ち出してんだよ。因みにこの少女の名前はリリアというらしい


 孤児院にある本は職員が書いた本や寄付されたもので、この本は後者の本らしい。著者名は書かれておらず試しに鑑定を使ってみると見覚えのある名前が表示された


 「ペルシー」


 子供達からフレアおばちゃんと呼ばれ親しまれているこの孤児院の職員の一人フレシアが掛けていたペンダントの制作者と同じ人物だった。どうやらこのペルシーは魔法に関するアイテムを作成している人物と予測できるさらに詳細を調べようとするがこれ以上は分からなかった


 「なぁリリアこの本を寄付した人って見たことある?」


 「えっと...魔法学園にいるって言ってた」


 試しにリリアに聞いてみると意外な情報が手に入った。魔法学園って確か魔法を学ぶ所で生徒のほとんどが貴族っていう...なるほどそこで働いているなら魔法について詳しいのも頷ける。今度会いに行ってみるか。幸いにもこの街にも魔法学園があるらしいしな


 さて話も終わったし指導に戻ることとする。俺はみんなの見本になるべく実際にバリアを使いながら子供達を見て回る。こうしたほうがイメージしやすいと思ったからだ。リリアはバリアを維持し続ける練習に励んでもらった


 午後はいつものヒュオラの捜索だが...正直、未だに洞窟で得た情報以外何も得られていない。洞窟周辺の森も探索したのだが痕跡など全くなく行き詰まっていた


 困りに困り現状得ている情報を交換すべく神レシウスに連絡をとることにした。イリナが作った人形をアイテムボックスから取り出し神に呼びかける


 「おーーい出てこーい!聞いてるんだろー」


 人形に話し掛けるなんて...こんな姿を誰かに見られたら変人だと思われるだろう。なので人目がない自分の部屋で行っているのだが神から応答がない。レシウスと会った時はこの人形があったから俺に会えたと言っていた。それとレシウスの像がある所でも構わないって言ってたがそんな場所知らないしな。どうしたものか頭を悩ませているとあの時と同じ眩い光が人形から放出された


 「やっとお出ましか」


 「すまない遅くなってしまった」


 何でも下界から神が住んでいる天界に送信される場合、教会にある像からでしかなく、イリナが作成した木彫りの人形のようなものから送られたことがないため受信に遅延が生じるのだとか。つまりそのあたりの状況には不備があるってことか。本当は像から呼びかけるほうが良いんだろうがそれがある場所が教会と知ると躊躇してしまう。昔から教会のような場所なんか行ったことがないしその場の空気というか雰囲気が苦手なのだ。城に忍び込んだ時は何だが心にくるものがあり、あの時の緊張感といったら...決して中〇病ではないぞ


 そんなことよりレシウスとの情報交換だ。俺は洞窟で得た情報と推測を細かく伝えた。その後、レシウスからは伝えられたのはあまり有益にならない情報ばかりだった。これじゃ交信している意味がないと思ったのだが最後にこんな話を聞いた


 「現在、魔族の領域から魔物の大群が君たちがいる国スイランに迫ってきている」


 国名なんて気にしていなかった俺はここで初めて知った。まぁそんな事より今は魔物の進行についてだ。なぜ今そんな情報を俺に教えるのか何かヒュオラに関係があるか


 「人族、獣族などの国は全て調べてみたがヒュオラに関する情報は一切得られなかった。我ら神の手を欺けることが出来る存在は限られている」


 「それでその存在の内の一つが魔族ってことか」


 魔族って言ってもさらにその中でも絞られてくるだろう。それに魔族の中には魔物を操る能力を持つ種族がいると聞いたことがあるしな。そして謎の魔物進行...これは調べる必要がありそうだ


 進展がこれ以上見込めない現状調査する価値は十分にあると判断した。それにこれはヒュオラのためだけでなく俺達の大切な日常を守ることにも繋がるしな。俺にとって今の生活を守ることは最も優先されることであり大切な人を危険に晒すものは最も排除する敵である


 レシウスに魔物の大体の位置を教えてもらい早速向かうことにした。幸いにもまだ国はこのことに気づいてはおらず戦闘の妨げをするものがいないしこれで全力をふるうことが出来る。いやー久しぶりに暴れることができるってものだ


 「なぜ君はそんなに嬉しそうな表情をしているのだ?」


 おっと顔にでていたかこの癖そろそろ直して方がよさそうだ。予定も決まった事だし早速もどって出発しようと考えているとレシウスが目的地に転移させようかと提案してきたので頼むことにした。帰りは転移魔法で帰れるだろうし


 「帰る時は転移魔法を使えばいいがもっとレベルを上げた方がいいと宣告しておくぞ」


 「(ハハ全て観察済みってことかい)アドバイスありがとよ」


 こうして俺は魔族の領域へと足を踏み入れるのであった


 


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ