新たな魔法
不定期です
またもテイラの声がタクマに届くことはなく、「私もそっちがいいー!」というリコの叫びも届くことはなかった
いつもと変わらぬ朝を迎えた俺達は昨日と同じく俺とイリナは孤児院へ他の3人はまた何処かへ行くらしい
別れる前に「クソー次こそは」とリコが言っていたが何かあったのだろうか
孤児院に着くとイリナは笑顔を浮かべながら中へと入っていき俺は少年二人を片付けた後マミルナの所へと向かった
「すまんがイリナを暫く見ててもらっていいか?」
「それは構いませんが何処か行くのですか?」
「少し用事があってなイリナにはもう言ってあるから心配ない」
ここに来る間にイリナには話しておいたのでこれで問題なくヒュオラの捜索できる
まずむかうのは俺がここにきて初めて死を覚悟したあの洞窟のあった場所だ。しかしそこへ行くには時間がかかる
そこで俺は新たな魔法を得ることにした。それは転移魔法よくネット小説ででてくる好きな場所に瞬時に移動ができる魔法だ
この世界にも魔法という存在があるんだしきっと転移魔法も実在するはずだ。しかしこの魔法を実際に見たことがなくどうイメージしたからいいか分からない
とりあえず他人に見られたらヤバそうなので人がいない所へと移動する一応気配探知と魔力探知を使って辺りを確認しておこう...うん問題ないな
とりあえず行きたい場所をイメージする。場所はフェルヴォルカと戦った洞窟だ体に魔力を纏いいざ転移!!...あれ転移しない
一応ステータスを確認してみるがスキルが増えている様子はない
「一体何がダメだったんだイメージか?それとも魔力か?」
イメージが乏しくて成功しなかったのか魔力が足りなかったのか失敗の原因はこれくらいであろう。しかしどちらも自分では問題なかったと思う。イメージは鮮明だし魔力なんてlevel3の魔法を使うくらいの量を体に纏わせたのだ
発動の仕方が違うのか...いやこれは人によってイメージが異なっていても同じ魔法を使うことができるこれはどの魔法でも変わらない
「他に何か...そうか距離か!」
ここから洞窟までは相当距離が離れておりある程度levelをあげなければならないのか。しかし今は習得すらしていない訳でまずは身近な所に転移することにする
ここから近くて誰にも見られない場所と言えば俺達が泊まっている宿の部屋しか思いつかない。今はみんな出掛けているはずなので都合がいい。早速目的地をイメージして体に魔力を纏い魔法を発動する
すると一瞬で周りの景色が変わりテイラ達が泊まっている部屋...ではなく俺が借りているもうひとつの部屋に転移した。念には念をという事で自分の部屋にしたのだ
「どうやら成功のようだな。さてそれじゃステータスオープン!」
名前 タクマ・スズキ 18歳
レベル Error
種族 人族(男)
HP ???/???
MP ???/???
筋力 ???
防御力 ???
素早さ ???
魔力 ???
魔法防御 ???
〈ユニークスキル〉
・成長・全属性適正・アイテムボックス・並列思考
〈スキル〉
・火魔法level5・雷魔法level5・鑑定level6 ・解呪level8
・無詠唱・夜目・気配遮断level5・回復魔法level4・気配探知level7・魔力探知level7 隠蔽level3・転移魔法level1
〈称号〉
・異世界人
・影に潜む者
ステータスにも表示されているのでこれで転移魔法を習得することができた。しかしこのレベルじゃまだ洞窟には転移できないのでレベルを上げることにする
それから一時間ほどこの部屋とさっきいた場所を何回も往復した。次第にこの魔法に慣れ今ではインターバルなしで発動することができる。これにより俺は超高速反復横跳びを可能にすることができた。調子に乗り部屋で暫くやっていると誰かがこちらに近づいてくる気配を探知したので急いでその場を離れた
ステータスを開きレベルを確認すると転移魔法level3となっていた。これで洞窟にも転移可能になっただろう。再び洞窟を頭の中でイメージし体に魔力を纏わせる。そして転移魔法を発動すると体に纏った魔力が強い光を放ち思わず目を瞑った
目を開けるとそこはテイラと初めて出会った洞窟に入り口の前だったあの時は暗くてよく見えなかったが今は【夜目】スキルのお陰で昼間の様に見ることができる
あの時も思ったがやはり大きな扉だ。よく分からない模様が刻まれているし歴史ある扉なのはなんとなく分かる。テイラをさらった盗賊達はこの扉を見てこの中に宝があると思って入ったんだろうな...実際は多くの魔物の住処っだった訳だが
しかしここも迷宮と同じで幾らか宝でもあるかもしれないし探索するのもありかもなしれない。懐かしさを感じつつ今度は洞窟の中へと転移した
そこは壁や地面に凹凸が幾つもあり天井には大きな穴があった。確かこの穴からこの場に落ちてきたんだろうなしかしいくら周りを見渡してもフェルヴォルカの亡骸は見つからない。ヒュオラが天界にでも持ち帰ったのかもしれないな
一応気配探知と魔力探知を使って見るがこの場所から上の層には大勢の魔物の存在を確認できたがここには生命反応が一切確認できなかった。しかし気配に反応がなくても魔力探知には反応があった
僅かではあったが複箇所に魔力反応があり、それは一つの個体ではなく最低でも三つの個体の魔力反応があった。魔力は生物によって僅かに異なり例えるなら血液型?みたいなものだ。因みにこの違いが分かる様になるにはレベル4以上が必要だ
「この中の二つは俺と奴の魔力だとしてもう一つの魔力は一体だれなんだ?テイラかヒュオラのかも知れないな」
残念ながらこれが誰の魔力なのか正確に確認すことは出来ない。レベルが上がればもしかしたら出来る様になるかも知れないが今はそんな事をしている時間はない。この後イリナのお迎えという大事な使命があるのだから
もっと他に出来ることはないだろうかとステータスを開きスキルを確認してみて一つの案を考えた。それは魔力探知と鑑定を同時発動するというものだ
鑑定は対象にしたもののステータスを見ることができて魔力探知は特定範囲の魔力を探知することができる。これを同時発動することで探知した魔力を鑑定してその魔力の持ち主を調べられるのではと考えたのだ
早速試してみると思った通り探知した魔力に鑑定するとその持ち主のステータスが表示された
名前 ベルネクス・アーデクス・ディアヴェンテ
種族 魔族
称号 魔王
そのステータスは名前、種族、称号の3つの情報しか表示されなかった。普通スキルや基礎能力値などこの世にいる生物だったら必ず表示されるはずなのだがこれは明らかに可笑しい。隠蔽スキルを持っていてステータスを誤魔化しているならまだ納得がいく。だが全く表示されないというのはどういうことだろうか
考えられるとすれば隠蔽スキルではないもっと特別なスキルつまりユニークスキルを持っているか、この世の生物ではないか、それかこの世の生物だがもうこの世に存在しない、つまり死亡しているか
「まぁ魔族らしいから二つ目の確率は限りなく少ないとして、どちらにしろこれ以上は調べられないし帰るとするか...でもまだ迎えに行くには早いし魔物でも狩りにいきますかね」
天井にある大きな穴から上の階層に上がった。上がる際に壁を蹴りながら段々と進んでいったのだがこれが面倒くさかった。初めは中二心を擽られたのだが途中から飽きてくる。後で空を飛ぶ魔法でも習得しておこう
「イリナー迎えに来たぞー」
「あっタクマさん今いきます!みんなまた明日ね!」
孤児院に着くと迷わずイリナのいる部屋へと向かう。イリナが俺に気がつくと友達に一言いってから近づいてきた。ちゃっかりまた明日くるって言った時はつい笑みがこぼれてしまった
「どうかしたんですか?」
「いや何でもねーよ」
帰りは転移魔法を使う方法があったんだが帰り道にイリナと今日の出来事を話し合うのが楽しいのであえて使わない。
「今日は魔法について話しまして、みんないつか使えるようになりたいなーって言ってたのでいつも私を迎えに来てくれるタクマさんは魔法が使えますよって話したらタクマさんに興味をもちましてね!・・・」
「魔法か...なら俺がみんなに魔法を教えてやろうか?人に教えるのは初めてだからうまく出来るか分らないけど」
「本当ですか!!みんなも喜ぶと思います!」
イリナを目を輝かせてこちらを見てくる。こんな表情今まで見たことがないそれに前より明るくなった気がする。イリナの友達になってくれた子供達には感謝しなくちゃな。その思いも込めて明日は全力で
魔法の指導をしようと心に決めた
「タクマさんは今日何をしていたんですか?」
「俺は森に行って魔物を狩って冒険者ギルドに売ってきたんだ」
狩ってきた魔物のほとんどはメタルアントで前は苦戦を強いられ必死に戦っていた相手だが今では拳で殴っただけで固い甲羅を砕きその魔物の上位種キングメタルアントを一蹴りで屠れるため時間はそう掛からなかった。倒した魔物は全てアイテムボックスに入れ数は三桁に及ぶ。それを一気に売ると悪目立ちしそうなので冒険者ギルドには20体程しかだしていない。まぁこれでも多かったらしく俺を担当した受付の女性
とギルドにいた冒険者は顎が外れるのではと思うほど口を開け驚いていた。あのまま全部出していたらどんな表情をしたのだろう...後でやってみるかグヘヘ
「タクマさんどうかしたんですか何か悪い顔になっていますけど」
おっといかんいかんつい顔に出てしまっていたテイラはともかくイリナに見抜かれるとは俺もまだまだ修行が足りないな
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