依頼
不定期です
「お前は一体だれだ?」
「初めましてだな。いきなりこのような場所に連れてきてしまい申し訳ない私の名前はレシウス。神といえば分かるかな」
こうして二人目の神レシウスとの初めての出会いだった
「神ってことはヒュオラの友達か?」
「ヒュオラ...そうか。うむ友達かは定かではないが知人であることに違いない」
ヒュオラという名前をだした時にレシウスは頭を悩ませたがすぐに何かを納得した様で話を進めた
「あーそうかい。で、俺に何の用だ?まさか俺と雑談しにきた訳じゃねーんだろ?」
神が人に会う理由なんて大抵面倒事を頼むためだろう...ならなぜヒュオラは俺をこの世界に転移させたのだろうか。あのゲームを偶然見つけたからだとは思うがそれだけではない気がする。まぁそんなこと後で本人に聞けばいいだけの話だ
「あぁ...実は君にヒュオラの捜索を手伝って欲しいのだ」
「捜索ってあいつが何処にいるか分からないってことか?それなら別に俺に頼まなくても連絡方法くらい幾らでもあるんじゃないのか?」
地球じゃ連絡手段なんて幾らでもあったしこの世界にも多少だがある。なら神にだって方法がない訳がない
「すぐに試したのだが連絡がつかないのだ」
タクマは目を瞑り思考を巡らす。俺が最後に会ったのはクリフって奴と戦闘して数日たった時だ。そして、俺達のもとから去るときに用があると言っていた事を思いだした
「なぁレシウス、ヒュオラが俺達と別れるとき確か用があるとか言ってた気がしたんだがその用ってやらに心当たりはないか?もしあるなら聞かせてくれ手掛かりになるかもしれない」
レシウスは暫く考えると何か分かったのか深刻そうな表情に変わる。そんな表情を見て俺は嫌な予感がした
「実は君がフェルヴォルカという幻獣に勝利した後、ヒュオラは誰かが君を狙っている事に気付きすぐに調べ始めた。そしこの水晶を使い君の周りを観察もしていた。もしかしたら相手の正体に気付き自ら倒しにいったのかもしれない」
なるほどな俺と会った後か前からは知らないがこの世界に降りて自らの力で調査し相手の正体に気付き倒しに行ったと
しかしそれではヒュオラと連絡がつからないのはその相手と未だに戦闘を続けているか殺られたかもしくは拘束されているかという事になる。まぁ未だに戦闘が続いてる可能性はないに等しいだろうが
「私の推論が正しければヒュオラは今相手の手の内にあると思われる」
同じ考えに至ったのかレシウスは自分の考えを話した
「殺されたっていう選択はないのか?」
「場所は分からずとも生死の確認はできる。方法は言えぬがな」
それから数時間ほどレシウスと話し合いヒュオラの捜索に加わることになった。まぁヒュオラが行方不明ってことを聞いた時点で決めていたのだが
レシウスは地位の関係上この世界に降りることができないため天界で捜索を続けこっちは俺がやることになった。そしてレシウスの代わりに違う神をこちらに送るという。それには手続きが必要で時間がかかるらしく終わったらすぐに向かわせる予定とのこと
話の最後に何か戦闘に役立つアイテムを授けようかと聞かれたが「君のステータスなら問題はなかろう」と俺の言葉を聞かず勝手に却下された
いや確かに必要ないとは思うんだが価値のあるものなら金になるとタクマはすぐに売ろうと考えていた。それをレシウスは察して却下したのかは定かではない
「では何か分かったら呼んでくれ」
「呼べって言ったってどうすればいいんだ?名前を叫べばいいのか?」
「私の像がある付近で呼んでくれればいい。さっき君の前にいた彼女の手にある人形でも構わない」
「あれレシウスがモデルなのか全然分からなかった」
「その言葉彼女の前では言ってはならぬぞ。あれは彼女の気持ちが詰まったものだ。そしてそのお陰で君とこうして会えたのだからな」
話を終えると白い光み身を包まれ辺りが見えなくなっていった。そして最後に「ではまた会おう」とレシウスの声を聞こえた
「タクマさん?どうかしたんですか?」
気がつくと首を傾げ不思議そうな顔をしたイリナの姿があった。思わずうわっと驚きたくなったが何とか耐えた
この急に意識を戻すのをどうにかならないものだろうか心臓にわるくてたまらない今度会ったら言ってみるか
「いや何でもないよ。それよりそれ俺にくれないか?」
俺はイリナが手にもつ木彫りの人形を指差して聞いてみた。恐らくイリナが頑張って作ったであろうものを貰うのは少々申し訳ないと思うのだがいつでもレシウスと連絡がとれるよう自分が所持していた方がいいと考えたのだ。いちいち教会に行って像を見つけるのは効率が悪い
「そ、それは構いませんがこんなものを持ってどうするのですか?」
「なにこれを持っていれば何時でもイリナが傍にいる気がするだろうと思ってな。まぁあお守り的な感じだ」
「そ、それなら...どうぞ」
適当にはぐらかしてイリナから受けとるとアイテムボックスへと入れる。ふとイリナに視線を向けると顔を赤く染めて何やらモジモジしているが嫌な気持ちにはなっていない様だし問題ないだろう
それからイリナ、孤児院の子供達と一緒に夕方まで遊び宿へと戻った。イリナは遊び疲れて今は俺の背中で寝息をたてている
宿へ着き部屋に入ると既にテイラ達が帰ってきていて寛いでいた。俺が部屋に入るなりテイラの「お帰りなさいタクマさん!」という元気な声が聞こえた。それにつられて後からリコ、アイリスも同じ言葉をくれた
「おうただいま」
「...ってタクマさんなぜイリナちゃんを抱えているんですか?」
背中で寝ているイリナを見てテイラが質問してきた。俺はゆっくりベッドにイリナを寝かせてから3人と別れた後の出来事を話した
「そうだったのですか」
「同じ年の子供達と遊べてついはしゃぎ過ぎたんだろうな」
「いいないいなー今度は私も混ぜてもらおうかしら!」
そんなことを言っているリコは今もう1つのベッドに横たわりヘトヘトになっていた。前にもこんな姿になってたがあの時はテイラも同じ状況になっていたが今はそばにいてピンピンしている
「何をやっているかは知らねーがほどほどにしろよ。見てるこっちは心配になる」
「タクマほど無茶してる訳じゃないから安心して」
「俺は別に無茶した記憶なんてないんだかな」
「「「あります!!!」」」
この時3人の息がピタリと合った。なぜこういう時だけ仲間の息が合うのか俺には理解できない。今までやってきた事は単なる自分がやりたい、実行できると確信しての行動だ。だから本当に無茶をした覚えはないのだ
「まぁそんなことより俺も今日は疲れたからもう寝るわ」
そう言ってイリナが寝ているベッドに横になり目を瞑る
「おやすみー」
「おやすみなさい...ってなんでそこで寝るんですか!」
この宿に来てから俺はもう1つ部屋を借りていた。しかし離れてもいないのに一人で寝るなんて寂しいし悲しい...という考えに至り今日からこちらで寝ることに決めたのだ
「では私はこちらのベッドをお借りします」
アイリスはもう一方のベッドを使うらしい
「私もそっちで寝るー」
何かリコがこっちに来そうだが体が重くて動けない様子。こうしてこっちは俺とイリナもう一方はアイリスとリコが使うことになり残りはテイラだけとなった
「わ、私は...えっと...あの...」
戸惑いつつもちらちらと此方に視線を送ってくるテイラ。どうらやこっちで寝たくても恥ずかしくて言えないご様子だったので俺がテイラの手をとりベッドに入れた
「なに今さら恥ずかしくなってんだ?前にも一緒に寝たことあっただろうに」
「あれはタクマさんが勝手に!」
「スピー」
「ってまたですか!!」
またもテイラの声がタクマに届くことはなく、「私もそっちがいいー!」というリコの叫びも届くことはなかった




