言葉の意味
不定期です
俺達は腹を満たした所で帰ることにした。これは後で知った話しだがシシリちゃんを尻餅をつかせた男は帰り道に「シシリ防衛隊」のメンバーの制裁が下ったとさ...めでたしめでたしってな
クラリスの死のカウントダウンまで残り1日。一日中スキルを発動したお陰で解呪レベル8まできた。よし!あと少しでレベル10になって解除できる!...と思っていたのだがその必要がなくなった。それは解呪レベルが8に達した日が沈み辺りが暗闇に包まれた頃それは不意におとずれた。今までの発動の時に発生した光とは比べものにならないほど強い光が発生したのだ。その光でウトウトと今にも寝そうだったクラリスの目が大きく見開き一体何が起きたのか気になっていた。その答えを知っているであろうタクマに視線を向け無言で訴える。その瞳は不安と期待の両方が窺えた。そして光は段々と収まっていった
「一体何が起こったのですか?」
光が収まると俺はクラリスに鑑定を発動しステータスを確認する
名前 クラリス・バン・アルテミラ 17歳
レベル 5
種族 人族(女)
HP 1200/1200
MP 980/980
筋力 25
防御力 30
素早さ 50
魔力 250
魔法防御 400
〈ユニークスキル〉
〈スキル〉
・光魔法level1・回復魔法level1
〈称号〉
・第3王女
どうやら呪いは完全に解けたようだ。これで一安心だな。この事実を未だに知らないクラリスは今も俺に視線を向けている
「もう大丈夫だ。呪いは完全に解呪できたよ」
その言葉を聞くと安心したのか目から涙があふれ出した。よほど不安だったのだろう。何度も死を覚悟し今日まで生きてきたんだ。これからは呪いに縛られずあの部屋から飛び出し家族や屋敷で働いている人達とも気軽に接し話すことができ、今までやりたかった事が出来るようになったんだ。彼女は今日から新たな人生を送ることができる。それは解呪した俺にとってもなによりも嬉しいことだ
「あ、有り難う。本当に有り難う」
涙を流しながら感謝する彼女に頭に手を置き慰める。クラリスが泣き止むまでそれから暫くたった後だった
クラリスが泣き止む頃には日が昇り始め辺りが明るくなった。クラリスの目は真っ赤になっていたので回復魔法で直してあげた。うんうんやっぱり可愛い子はこうでなくちゃな。これで性格ももう少し良かったら完璧なのに。まあどの世界にも完璧な奴はいないということだな。クラリスは泣き疲れたのか今は俺の肩に寄りかかりグッスリと眠っている
「さてこれからどうするか」
解呪も出来たことだし後はクラリスをあの屋敷に戻してテイラ達に合流すればいいだけなんだが問題はどうやってクラリスを屋敷に送り届けるかだ。このまま影の中に入れてあの部屋に戻せばいいんだろうが向こうもクラリスがいなくなっていることは知っているはず。それに俺の侵入の件もあり警戒が厳重であると想像がつく。もし見つかったら面倒事になるのは確実だ。なにかいい手はないだろうかと頭を悩ませていると俺の手の甲から煙が上がり一枚の紙が出現した
「これはアランからの手紙だったか」
早速確認してみると手紙にはこう書かれていた
【タクマ様へ まさかこんなに早く手紙を送ることになろうとは思ってもいませんでした。実は1つ問題が起こりまして。自室にいた第3王女クラリス・バン・アルテミラ様の行方が分からなくなりました。現在聖騎士方や我ら騎士団が捜索をしております。なにか知っていることがありましたら至急お屋敷までおこし下さい。あなたが来ることをお待ちしております。また、手配書についてですが王の判断により剥奪することになりました。これまでのご無礼お許し下さい アラン・アルテミラより】
うんこれはどうみても犯人が分かっている様子だな。俺にはこの手紙がこう書かれているように見える
【タクマ様へ また早くに問題を起こしてくれて困っています。早くクラリス様をお返し下さい アランより】
こっちの方がしっくりくるな。でもこれで自由に行動できるようになった。これからの日常が楽しみだ。あと最後の言葉に疑問を感じた。別にアランが謝る理由なんてないはずなんだが。むしろ俺が謝らなければいけないと思うんだが。まあ考えても仕方ないかどうせ分からないし
この時タクマは手配書の剥奪に最後の言葉が関わっていることなど知るよしもなかった
アイテムボックスから漆黒の剣を取り出しクラリスを影の中に入れた。これで安心して置く届けることができる。街を見せる事が出来なくて残念だが。呪いも消えたことだしいつか自分の足で見て回れる日がくるだろう...護衛を連れてだと思うが
「そういえばこいつの名前調べてなかったな」
名前 魔剣エクスレイド
属性 影
鑑定して見たところ名前と属性しか分からなかった。切れ味や耐久度などは表示されないようだ。使い方は剣から直接イメージで送られてくるから問題はないがやはりこれだけでは情報が少ないと感じる。鑑定のレベルを上げればもっと情報を得られるかも知れないな
日が完全に昇り人々が賑わい始めた頃、俺は影の中を移動し再び屋敷の中に忍び込んだ。向かうはクラリスの部屋だ。道はなんとなく覚えているため迷うことはなかった。屋敷の中は俺が初めて侵入した時よりも聖騎士や傭兵達の数が増えていた。必ず3人で行動をし警戒を続けていた。にも関わらず誰も影の中にいるなんて思わず足下を確認するのを怠っていた
クラリスの部屋に辿り付き入り口には二人の傭兵の姿があったが、気にせず扉の隙間に入り込み中へと入った。部屋は俺が来たときと何も変わっておらず、すぐに影から眠っているクラリスを出してベッドの上に降ろした
「これでよしと」
後はクラリスが起きて傭兵達に事情を説明してくれるだろう。そして俺はすぐにアルテミラをでてテイラ達の元に行けばいいだけだ。これぞ面倒なことは人に任せて自分は逃げよう大作戦だ...格好悪い
「とにかくこれで一件落着だ。また会おうなクラリス」
クラリスの寝顔を見ながら俺はこの部屋をあとにした。
翌朝、昨日の騒ぎとは裏腹に食堂は静けさを取り戻していた。朝が早いにも関わらずシシリとその親父さんはすでに働いていた。そこに2階から音をたてながら4人が降りてきた
「おはようございますシシリちゃん」
「おはよ~」
「お、おはようございます」
「おはようございます。昨日はご迷惑をおかけしてしまいすみませんでした」
テイラが挨拶をするとリコが軽い挨拶をし、イリナが緊張しながら挨拶をし、アイリスが挨拶と共に昨日の出来事を詫びた
「おはようございますテイラさんリコさんイリナちゃんアイリスさん」
昨日出会ったばかりなのにシシリとは既に仲のいい友達になっていた。歳の近い友達が少ないシシリにとって4人と仲良くなったことはとても嬉しいことだった。親父さんも厨房から5人が楽しく会話している姿を見て心が癒やされていた
一通り会話を済ました後、4人は食堂に椅子に座り朝食を食べることにした。朝食は柔らかいパンにスープ、そして新鮮な野菜を使ったサラダだ。イリナはそれらを目にすると勢いよく食べ始めた。それを見てテイラがクスリと笑いリコは何も言わず自分の物を食べアイリスはもっとゆっくり食べるように注意した
「本当に仲がいいのですね。イリナちゃんとリコさんは奴隷なのにとても大切にされているようですし」
以前この宿に奴隷を連れたお客さんが来たことを思い出す。その時は奴隷の人は主人からパンの半分を床に落とされそれを拾い食べていた。それを見て心が痛んだことを覚えている
「私達の主人はお優しい方です!」
「そうねーこれほど優しい主人はいないかもね」
「タクマさんは優しいだけじゃなくとても強いんですよ!」
「そうですね私とは比べものになりません」
4人の会話を聞いてシシリは首を傾げた
「2人の主人はテイラさんかアイリスさんではないのですか?」
「実はそうなんです。この2人の主人はタクマさんとういう方なんです」
その名前を聞いてシシリは数日前に届いた手配書を思い出した
「あのその方って指名手配されている方ではないでしょうか」
そう訪ねると楽しく食事をしていた4人の手が止まった。そして表情も明らかに暗くなった。どうやら自分が予想した事は正しかったっと分かったシシリはこの後どうしたらいいか分からなかった。でもこの4人が信頼している人が悪い人ではないことは会わずとも何となく理解できた。困っていると厨房で話しを聞いていたシシリの親父がでてきて4人の前に立った
「今日朝早くに情報があってな指名手配されていたタクマという男の罪が誤りだという紙が届いた...ホレ」
そう言って奥から【指名手配剥奪書】と書かれた紙を取り出し5人に見せた。そこにはタクマと書かれた名前と名前ではなく特徴が書かれた誰かが記されていた。その特徴からシシリはそれがアイリスのことだとすぐに分かった
「こんなことは滅多に見ないからな」
こんなこととは指名手配された者が剥奪されることだ。1度手配されると聖騎士や騎士団に狙われ見つかると捕縛され王の前に突き出され罰を受けることになる。そこで自分が無実だと証明できれば釈放され手配書が剥奪されることになるが大抵は死刑が下されるのだ
「これで安心して街を歩くことができますね」
「よかった。本当に良かったです」
みんなが喜んでいる中テイラはまたタクマが何かしたのだと気づいていた。しかしそれはみんなに言わず自分の心の内にそっと閉まっておくのだった。それから4人は会話を弾ませながら食事を楽しむのだった




