再会
「きゃー助けてーー!!」
「うるせー黙ってろ!!」
目的地へ到着するとすぐに近くの木に身を隠し様子を伺う
「その者を解放する気はないんだな」
「俺達を見逃してくれたら考えてやってもいいぜ」
小柄な女性を人質にしているボロい布でできた服を身につけているのはこの世界にきて何度か遭遇し見飽きた盗賊だろう。対して彼女を助けようとしている傷ひとつ付いていない鎧をきた人達だ。その鎧は銀色の輝きを放ち以前見た騎士二人が身につけていた鎧よりも美しく足や腕の装飾が丁寧に作り込まれている。まあ簡単に言えば派手だ。それはもうあの格好で出歩くのが恥ずかしいくらいに...これ本人達にいったら怒られるよな絶対
「ということは見逃しても女を殺す可能性があると?」
「そういうことだだからあまり俺達を怒らせない方がいいぜヒヒヒヒヒ」
「(笑い方キメーちょとひいたわ)あれってもしかして」
盗賊は4人いて一人は女性の首にナイフを当てている。鎧を着た男は三人でそのうちの一人が二人の前に立っている
「ならば仕方がない...やれ」
「やれってなにを...まさか!」
何をするのかと思いきや後ろの二人の鎧を着た男がファイアーボールを盗賊に放った
「クソ野郎がーーー!!」
すぐさま電光石火を発動し盗賊とファイアーボールの間に入るそしてそのまま片手でファイアーボールを受け止めた
「なんだ!?」
「おいおいこんなか弱い女性が人質になってんだぞ。お前らも人質になんかにしてんじゃねーよ」
俺の登場に驚いてなのかファイアーボールを受け止めたからかそれとも両方なのかは分からないが一瞬の隙ができた
そのうちに盗賊との距離をつめ彼女の首にあてられたナイフに触れアイテムボックスにしまう。その後すぐに彼女を脇に挟み離れる
「な、何者だ貴様!?」
「団長こいつ手配書にあったやつです」
「ふっそうか貴様がタクマというのか」
「なぜ俺の名前を知ってるんだ聖騎士様。手配書には名前は書いてなかった気がするんだけど」
この会話のなか盗賊はというと4人とも腰が抜け動くことができなくなっている
「ふん街の者に貴様の名前を知っている者がいただけのこと」
聖騎士ってのは否定しないってことは読みはあっていたらしい
「なるほど、それで盗賊と一緒に彼女も殺そうとした理由を聞いてもいいですか聖騎士様」
聖騎士様という言葉を嫌味っぽく言ってみる
「ふん盗賊を逃がさないためだ。もしあいつらを見逃したとしても女を解放するとは限らんならばいっそあの女ごと殺ってしまおうとしたまでのこと」
「もしあのまま見逃して解放されていたら?」
「言っただろう盗賊は逃がさんと。それに民を守るのは聖騎士ではなく騎士の務めだ。我々は高位な方を守るのが義務」
「お前らにとって貴族以外はどうでもいいと?」
「簡単に言えばそうなるな」
「そうかいだったら俺とは気は合わないらしいな」
「貴様と馴れ合う気など毛頭ないわ」
「団長あいつは危険ですあの魔法は雷魔法の電光石火と思われます」
「分かっている」
「へぇこの技の名前を知ってるんだな」
「当たり前だ。しかしその若さで電光石火とはどんな訓練をしたのやら」
マウスをポチポチと連打しただけとは口がさけてもいえない
「ま、まあな」
「そんなことはどうでもいいか。二人は盗賊どもを街まで連行しろ。俺はこいつの相手をする」
「しかし隊長」
「なに殺しはしないさ。半殺しにして引きずりながら街まで連行するさ」
スゲー自信だな俺負ける気全然しないんだけど...人のこと言えねーかも」
「いくぞ!」
戦闘体制に入った男は身体中に魔力を覆い精神を集中している
「なあお前の名前を教えてくれないかこっちだけ知られてるのも嫌なんでな」
「よかろう我の名はアルテミラの聖騎士であり第三班聖騎士団団長ヘヴァン・クリフ・アルテミラだ」
そうそう前にテイラから聞いたんだが騎士の名前の後ろには自分が守護している国の名前を名乗ることができるそうなのだ。もし騎士ではない者が名乗ると厳しい罰をうけるらしい
「(そんなことより)名字があるってことはお前」
「そういうことだ。話はおわったなではいくぞ!」
クリフの体に纏っていた魔力が神々しい光へと変化した
「なんだそりゃ」
「初めてのようだなこれは光魔法だ」
クリフが大きく一歩を踏み出すと姿が消え目の前に現れ拳を振るう
「なに!?」
と普通の人では目で追えないだろうがあいにく俺は普通ではないので振るわれた腕を片手で受け止める
「面白い我のスピードについてこれるとは」
「なんで俺から我に変わってるのか気になるが戦闘モードになるとそうなるのか?」
「いかんなどうも本気になると性格が変わってしまう。なに気にするな」
「へーそうですか」
「それよりはやく続きをしようではないか」
それからクリフは光を纏い俺は雷を纏い森中を走りまわったそして俺達が辿った道はというと...想像にお任せします
「なーそろそろやめないか?このままだと森が森でなくなると思うのだが」
「フン逃げるのか?どのみち貴様を捕らえることに変わりはしない!」
うわースゲーやる気満々だよ。俺なんて戦闘に巻き込まれた森の魔物の数を数えられるくらい余裕なのだが。やっぱこのステータスはチートっすな
「(そろそろ決着をつけねーとな)」
今まで防御に徹していた俺だが長引くとテイラとアイリスに心配をかけてしまう。意識を集中し電光石火を持続させながら手に魔力を溜める
「魔法の同時発動だと!?」
「爆炎弾!!」
手に溜めた魔力が火へと変化し野球ボールくらいの大きさの玉が出現したファイアボールと比べると一回り小さいが魔力量は勝っているそれをほぼゼロ距離から放出するがクリフはすかさず鎧に魔力を注ぎ防御力をあげた
「グホッ!」
結果はいうまでもなく俺の爆炎弾が鎧に触れた瞬間もの凄い音とともに爆発し強い衝撃がクリフをおそい吹き飛ばされた一方同じく吹き飛ばされた俺だが傷ひとつつくことはなかった俺の皮膚は一体何でできているのだろうか
「どうやら俺の勝ちのようだな」
俺はすぐに立ち上がりクリフの元へとむかったそしてそこには倒れたまま動くことができなくなったクリフの姿があった鎧はまるでガラスが割れたような罅がはいっておりもう使い物にはならないだろうしかし鎧のお陰でクリフは意識を保っている
「き...貴様は一体...我が鎧を...砕くなど」
言葉は途切れ途切れだがききとれた
「そんなことはどうだっていい決着がついたんだもういいだろう俺は彼女の所に行くからそれじゃあな」
「ま...待て!!」
「お前は仲間がくるまでそのままでいるんだな。どうせここらへんの魔物はみんな逃げただろうしな」
やれやれと面倒事を済ました俺は彼女の元へとむかった
「君大丈夫だった?怖かっただろう」
「...」
彼女の元に着に話しかけりが反応がないよっぽど怖かったのだろう
「もう大丈夫だとりあえず俺の仲間がいるところに行かないか?」
こういうのは女の子同士の方が何かと心が安らぐと思いテイラ達がいるところに誘う
「クフフフフフまるで誘拐犯みたいだね」
「あれ?この声何処かで」
前にも聞いたことがあるような声になぜかこの世界に来る前にあいつに蹴られた場所がムズムズする。彼女はゆっくりと頭に被っているフードを外す
「あーーーーー!!お前は!!」
「久しぶり会いたかったよ!」
そこにいたのは紛れもなく俺をこの世界に蹴りこんだ神の姿だった




