アイリス
不定期です
日が沈み景色が暗くなっているなかでポツリと赤い光が三人を照らしている
「寒くないか?」
「大丈夫ですよタクマさん。それよりこれからどうするのか決まりましたか?」
「...いや」
俺達は今、獣道で焚き火をしている。今日はここで一晩明かすつもりだ
「後悔しているのですか?」
「いや逆に後悔しなくて済んでホッとしてるよ」
獣人の娘はまだ目を覚まさないで横になっている
「起きませんね」
「だな」
まさか住んでるのかと思い人差し指で頬をツンツンしてみる
「うぅ」
「お、起きた起きた」
どうやら死んではいなかったようだな。獣人の娘はゆっくりと体を起こし目を擦り辺りを見回す
「...ここは?」
「よ、随分と遅いお目覚めですな」
「おはようございます」
「だれだ!!」
俺とテイラの存在に気づくとすぐに距離をとり威嚇した。ペタンとしていた耳がピンとたち毛が逆立っている
「俺達はお前をあの牢から助けたんだよ。よければ名前を教えてくれないか?」
「私を...助けた」
獣人の娘は自分の体を確認する。でもこっちの警戒を忘れていない所をみると相当戦い慣れていることがわかる
「あなたの傷はここにいるタクマさんが治したんですよ」
なぜかテイラが自慢気に話す
「なぜ私を助けた?」
「目の前に酷い目にあっている女性を助けないわけないだろ」
「...は?」
「フフフ、タクマさんはこういう方なんですよ」
これは後で俺がどんな人かと思っているか確認する必要があるようだな
「助けてくれたこと感謝します」
「したくてやったことだ気にすることないよ。もう一度聞くけど君の名前は?」
「アイリスです」
「そうかじゃあ初めましてアイリス」
「初めましてアイリスさん」
警戒もとけたことだし...ってさっきよりは縮まったけどまだ少し距離があるな。まあ少しずつ信頼を得ていけばいいか
「あの二つほどお聞きしたいのですが」
「二つって言わずにもっと聞いていいよ」
「私をどうやって牢から助けたのですか?あそこには騎士がいたと思うのですが」
「ボコった」
「あそこは貴族のお屋敷だったと思うのですが」
「そうだな」
「マズクないんですか?」
「マズイだろうな」
「これからどうするのですか?」
「さあねこっちが聞きたいぐらいだよ」
「つまりノープランだと」
「そういうこと」
それを聞いてアイリスはひとつため息を吐く
「きっと私を牢にいれた貴族は私達をこのままにしておかないでしょう。下手したら国ひとつが敵になる可能性もあります」
「だろうなそれでも俺が生きてる限りお前達は絶対に守るよ。そもそも俺が起こした問題だからな」
俺は焚き火の火で焼いていたブラックウルフの肉を食べる。急いで街をでたせいで食料は店で売り残った物しかない
「では獣人の国へ行きませんか?正確には狐族の村にですが」
「よしそれでいこう」
「随分あっさりしていますね」
「別に悩む必要もないだろ」
「...そうですか」
目的も決まり食事も終えて馬車の中で眠る。見張りは俺一人でやることにした。オールは慣れてるからな
「不思議な人ですね」
「タクマさんのことですか?」
馬車の中ではテイラとアイリスが横になりながらタクマの話をしていた
「私を助けてもあの方には何のメリットもないはずです」
「タクマさんはそういうことは考えないで困っている人を助ける...そういう人なんです」
「あなたもそうなのですか?」
「はい私は前、奴隷だったんです」
テイラはアイリスにタクマとの始めて出会ったことについて話した
「ではその盗賊や魔物から貴方を助けたと」
「はいそれから私はずっとタクマさんと一緒にいます。これからもずっと」
「好きなのですか?」
「はい大好きです」
「おーい何言ってるか分からんがはやくねろ~アイリスも」
「はいタクマさん」
「すみません」
二人は顔を見合せクスリと笑った後、ゆっくり眠りについた




