アランの正体
少しながめです
不定期です
「さて、これからどうするか」
つい後先考えずに行動してしまった。でも悔いはない。あのまま治療だけしたら、この娘はまた酷い扱いをうけていただろう
「タクマさん一度この街をでた方がいいかもしれません」
「あの貴族様が何かしてくる...だよなー。唯で済むと思うのが間違いだよなー」
テイラに質問しようとしたが、するまでもなかった
「そうだな。それにギルドも辞めないとな。迷惑かけるわけにもいかないし」
さっそくギルドにそのままむかうことにした。この娘はテイラと一緒に外で待っていてもらおう
「すみません。」
着いてすぐに受付へと向かった
「タクマさんですね。今日はどのようなご用件でしょうか」
「はい。実はこのギルドを辞めようと思いまして...」
「...理由をお聞きしても?」
そういえば理由を考えるの忘れてたな。正直に、貴族をボコってしまってなんて言えないし...どうするか
「ええ。少し旅にでようかと思いまして」
「それでしたら辞める必要などないのでは?」
「それには事情がありまして」
どうしようかと困っていると奥から誰かがやってきた
「ん?タクマさんじゃありませんか。お久しぶりですね」
「げっ。お、お久しぶりですアランさん」
この状況のなかで一番会いたくなかったやつが現れた
「アラン様。実は」
受付の人がアランに俺がギルドを辞めたいことを伝えた
「...少しお話ししませんか」
いいえ結構ですさようならと言いたいところだが、断わることができず。再び質問攻めをされた部屋へと案内された
「(この際、アランにだけは言っておくか)実は」
「知っていますよ。クライル様の秘書のエル・ビケットさんと、その護衛騎士二人のことですね」
「(何で知ってんだよ。まさかあのばあさんが...そんなわけないか)なぜそれを?」
「本当に知らないんですね。まあいいでしょう。私はこのギルドで働いていますが騎士でもあるのです」
「...は?」
「第2班騎士団団長アラン・アルテミラ。聞いたことありませんか?」
知らねーよ!って叫びたかったがここはぐっと堪える
「知らないようですね。ちなみにあなたが倒した騎士ふたりは私の班の者ですよ」
なるほど、どうりで情報が伝わるのがはやい訳だ
「そうですか。なら辞める理由も分かっていることだし、どうしますか。今すぐ俺を捕まえますか。もっとも黙って捕まる気はありませんけど」
体から魔力を放出し戦闘体制にはいる
「そうしたいのは山々ですが、残念ながら私には出来ません。貴方とやっても勝てる気がしませんので」
一度手合わせしてるからな。こっちの戦闘力は大体把握しているはずだ
「怖くないのか、自分より強い相手が目の前にいて」
「そんな経験は一度だけではないので。それよりもっと恐ろしいのは貴方がこの国の敵になることです。いくら聖騎士の方たちが一斉に襲っても貴方には勝てないでしょうね。そんな力を持っているという自覚が少し足りないようですね」
「お前も騎士だろ。聖騎士と何が違うんだ?」
「本当に何も知らないんですね。まるでこの世界の人ではないようです」
「(ハハハ大正解)まさか」
「簡単に言えば、王に認められた人達です。聖騎士とは王の護衛、国を守る義務が与えられます。そして、騎士は民を守る義務があります」
この話を聞く限りじゃ聖騎士の方が立場が上のようだな
「話を戻しましょうか。ギルドを辞める件ですが認めます。ですが1つお願いごとがございます」
「きく義理はないね」
「この国の民に手をださないでいただきたいのです」
いつも笑顔で話しているアランだが、この時だけは真顔で言った。こんな真面目なアランは今までに見たことがない
「...わかったよ。元々俺は戦闘が嫌いだからな。無駄な戦闘はゴメンだ」
「ありがとうございます」
話が終わり部屋をでていこうとドアノブに手をかけようとしたとき
「それともう1つ感謝したいことが。騎士二人とビケットさんを生かしてくれてありがとうございます」
その話をきいて心のなかにあったモヤモヤが消えていく。そして、ついホッとしてしまった
「...次はないぞって言っておいてください」
「はい」
俺は静かに部屋を後にした
「(貴方は優しい人だ。殺そうと思っても体が勝手に加減してしまうのでしょう。そんな貴方は命をあやめることは決してできない。最後のお願い事は不要だったようですね)」
他に誰もいない静かな部屋でまたいつもの笑顔に戻るアランだった
「待たせて悪いなテイラ」
「いえ、もう良いのですか?」
「ああ。はやくこの街をでよう。長居は危険だ」
獣人の娘を背負い門の近くに置いてある馬車まで急ぐ。馬車はギルドの受付でお金を払い馬ごと買い取った。そういやまだ名前つけてなかったな、後でつけねば
「じゃあ行くか」
「はい...ってどこに行くか決めたのですか」
「そんなもん決まっとらん。こんなもんなるようになるさ」
「フフフ...タクマさんらしいですね」
「何かバカにされてるような気がするけど」
「いえ。それがタクマさんのステキなところです」
やべ少しキュンってきた。イカンイカン。テイラはまだ中学生くらいの年齢だろうから手を出せば捕まってしまう...ここは異世界ならいんじゃね!って俺は何を考えているんだー!!
「どうしたのですかタクマさん」
頭を抱えながら悶えている俺を見て不安になったようだ
「何でもないよ何でも」
テイラを不安にさせるのが多いな俺は。これからはもっとしっかりしないとなとひっそりと思うタクマだった




