捕らわれし獣人
不定期です
そして3日後、ヒゲットさんが迎えにきてくれて、そのままテイラといっしょに馬車へと乗り込んだ。お屋敷へは30分くらいかかった。といっても貴族が暮らしているエリアに入る時に必要な手続きに時間がかかり、そこまで行くのは15分くらい
「着きましたよ」
馬車から降り、顔を上げると本でしか見たことがない城が見えた。庭には2つの白馬の像が歓迎している。辺りを見回すとほとんどの物が城も含めて白で統一されている
「ではこちらに」
少し緊張しながらヒゲットさんについていく、二人の男の騎士もついてくる。大きな扉を開き、中に入ってすぐに中庭がみえた。中庭には円型の噴水が置かれている。少し間テイラとみとれた後、再びヒゲットさんに案内された。そして1つの部屋の入り口へと案内された
「ここで少々お待ち下さい」
扉の前で待たされたが、すぐに開かれた
「どうぞお入りください」
「テイラ、手を離すんじゃねーぞ」
「はい」
「失礼します」
何か大学に入る時の面接試験を受けた記憶を思いだした。そして、中へと足を踏み入れた
「きたか。貴様が腕のたつ魔法使いだな」
待っていたのは白い顎髭がとても印象に残る小柄なおじいさんだった。身に付けている服や指輪、手に持っている杖など全てが高価なものだとわかる。しかし、会ってそうそう貴様とは、随分と偉そうだな...偉いのか
「いえそんな。ところで1つお聞きしたいのですが」
「なんだ」
「私のことは一体だれから聞いたのですか?」
「そこにいるヒゲットが庶民街で偶然貴様のことを話している老婆を見つけたそうでな」
あの俺達の店にきてたババ...おばあさんか!!翌日に街中におれのことを広めるなんて、どんだけ人脈ひろいんだよ。あー俺にもそんだけ人脈がありゃなー。あっちの世界の俺の人脈なんて4本くらいしか線がひけねーての...うらやましい
「ではさっさと治せ。あまり、庶民を我が屋敷にとどめておくのも嫌なのでな」
本人の目の前でそんなこといっちゃいますか。俺は慣れっこだからいいけど、横にいるテイラなんて分かりにくいけど頬を膨らましてるぞ...可愛いな
「治していただく方はこちらにはいません」
「では一体どこにいるのですか?」
「牢の中におります」
そうビケットさんが言うと、テイラの手を握る力が強くなった
「牢?」
牢へと案内されると、そこには人族ではない他の種族の女性が倒れていた。身ぐるみはボロボロになっており、血が多く染み付いている
「この方はいったい」
「...獣人」
テイラがボソッと呟いた
「その通りです。この獣人は以前の戦争で捕らえた狐族です」
頭を見ると、ペタんとなった大きいめの耳があった
「どういうことか説明してくれますか。いいや、聞かせてもらいます」
「すみませんが、お教えできません」
「...そうか。なら」
俺はゆっくりと狐族に近づいていく
「エクストリート!!」
回復魔法level4のエクストリートを発動し、狐族の傷を全て治した。そして、そのまま彼女をお姫様抱っこした
「そのものをどうするつもりですか」
「何って、連れていきます。こんな所にいたら可愛そうだ」
「それは困りますね」
ビケットさん...いや、ビケットが手を上げると後ろにいた騎士二人が前にでてきた
「小僧、ここからでれると思うなよ」
「うるせーよ、俺はこっちで初めて本気でキレたぜ。なんだお前ら、だいの大人が揃いにそろって」
俺が殺気を放つと、すぐに騎士が肩にあった槍を構えた
「テイラ、離れるなよ」
「はい」
ビケットが手を降ろすと騎士が突撃してきた。俺はすぐにバリアをはった。それに拒まれ騎士の槍がこちらに届くことはなかった
「テメーらなんかに破れるもんかよ」
俺は手を騎士たちにむけ、魔法を発動する
「ライトニングボール」
頭上に6つのライトニングボールを出現させ、いっきに放出した
「お前らにはこれで十分だろ」
言葉どおり、二人の騎士は鎧とともに焼き焦げた。その無残な姿を見たビケットは変な汗を大量に流し、固まっている
「どけ」
低い声で呟いた。ビケットは動きたくても足がすくんで動けないでいた。それが分かっていても俺はビケットが前にたっていることにイラついた
「ライトニングボール」
1つ出現させ放出した。ビケットは静かに倒れた。魔力を減らしたから、生きてはいるだろう。俺はテイラと共に牢から外へとでた




