これからの生活
不定期です
翌日。テイラはゆっくりと起き上がった
「やあ、おはようテイラ」
「あ、おはようございますタクマさん。起きているんですね」
いつもはテイラが先に起きて横になって待っててくれてるからな
「今日はどうしたのですか?珍しいですね」
「珍しいって、初めてかもな」
「そうですね、フフフ」
まだ気づいてないようだな
「なあテイラ、何か気づいたことってないか?」
「気づいたことですか?そうですね...」
テイラは耳をピクピクと動かす
「特にいつもと何も変わらないと思いますが...いいことでもあったのですか?」
ひょっとして治ってないんじゃ...
「周りじゃなくて体に変化はないか?」
「そうですね~特に何も...え?」
自分の体を手で触り、確認している。そして気づいた
「(やっと気づいたか)」
「タクマさん...足が...動きます」
そういいながら、足を少しだけ動かす。筋肉が弱っているせいで、まだ普通に歩くのは困難だろう
「ああ。でもそれだけじゃない」
俺はテイラの両目を手で覆った
「目を...開けてみろ」
「...開けましたけど何も見えないです」
「当たり前だろ俺がおさえてるんだから。この手を退ければテイラもこの世界を見ることができる」
「はい、とっても楽しみです」
テイラの目をおさえてる手に何かが触れた。それが何なのかはすぐに気づいた
「なんだ、泣いてるのか?」
「やっと...やっとタクマさんのお顔を見ることができると思うと嬉しくて」
そういわれるとこっちも照れるじゃねーか
「これから色々な所を見てまわろう。これからも...ずっと」
「はいタクマさん!!」
俺はこれからの楽しい生活を想像しながら優しく手をはなした
◇
あれから数週間が経過し、テイラのリハビリはまだ続いている。目は問題なく見えるようになり、最初はこれが緑色で、これが白というのですねと、草や自分の服の色をみてはしゃいでて大変だった
「あら、歩けるようになったのね」
いつもお店に来てくれるおばさんがテイラについて話を広げる
「じ、じゃあ、あなたがこの子の怪我を?」
「アハハ、ま、まあ」
おばさんは驚きながらも、いつものように木の実や飲み物を買って帰っていった。そして翌日
「ねぇあの子が目を治したっていう」
「そうそう、あの子よ」
まわりの人が俺のことを言っている
「あの、まわりの方がタクマさんの話をしているようですが」
「らしいな」
「一体だれからきいたのでしょうか」
「決まってんだろ。昨日買いにきたおばさんだよ。あの人にしか話してないからな」
まったく、どうしておばさんに言うと話が広まるのがはやいんだ?俺もうかつだった...
「いらっしゃいませー。ケミラビットのお肉はいかがですかー」
いつものように門の近くで働いていると。ガタガタと音をならしながら二人の鎧を着た人を連れた豪華な馬車が近づいてきた
「なんでしょうか?」
「さーな。でも馬車を見ると偉い人だとは分かるな」
そのまま通りすぎてくれと思いながらも、馬車は予想どおり俺らの馬車の前にとまった。そして一人の男がでてきた
「そなたか、目を治したという男は」
派手な服を着ていて、高価そうなアクセサリーを身に付けているところを見るに貴族で間違いないだろう。まあ馬車を見たら誰でも分かるか
「私はバリエスタ・エル・クライル伯爵様の秘書をしております、エル・ビケットと申します」
「初めまして。私はタクマと申します。こちらはテイラです」
「初めまして」
「さっそくですが、クライル様のお屋敷へ来ていただけますか?」
「何かご用でも?」
「実はあなたの噂をクライル様が興味をもったようで」
「それで、私に何をしろと?」
「ある人の怪我を治してほしいのです」
「重症なのですか?」
「それは実際にみて頂いた方がいいでしょう」
「なるほど...分かりました。しかし今日でなくてはダメでしょうか」
「といいますと?」
「今日はもう朝はやくから働き、疲れてしまって」
ただ面倒くさいだけだけどな
「なるほど。では、3日後でどうでしょうか」
「分かりました」
「では3日後、この場所でお待ち下さい。お迎えに向かいますので」
そう言い残し、ビケットさんは馬車に戻り、鎧を着た二人を連れて帰っていった。
「ひと波乱ありそうだな...はぁ」
「なぜそう思うのですか?」
テンプレだからと言っても分からないよな
「なんとなく...はぁ」
もういったいため息を吐き、テイラと一緒に宿へと戻った




