魔族
長目です
「テイラ無事か!」
勢いよく扉を開けると、そこにはいつもと変わらないテイラの姿が見えた
「はい、大丈夫ですが。ところで、この騒ぎは一体...」
「魔族が攻めてきたんだとよ」
「え!?魔族がですか!これは大変です!」
今まで以上に驚いているな。こんな時になんだが、驚いているテイラの顔は可愛い...勘違いすんなよ
「魔族ってそんなにヤバいのか?」
「魔族は魔法が得意で、街ひとつを消したという噂まであるのです」
へー、街ひとつを消したのか。今の俺なら出来そうだな。グヘヘ
おっと、こんなこと考える暇はないな
「とにかく、ここから避難するぞ」
テイラをいつものように背負い外にでた。「やすらぎ亭」の従業員は既にいなかった。白状もののやつらだな
「どこに避難するんですか」
「わからん、とにかくここから離れるぞ」
上空では魔族が何体かいて、そのうちの一体が叫んでいる
「下等な人間どもが。これは宣戦布告である!!我らが魔族の怒り、思い知れ!!」
「魔族となんかあったのか?」
「え?はい、魔族は昔、人間との戦争に負けたんですが、それ以降の魔族との関係がよくないのです。おそらく、その時の恨みを晴らしにきたのかと...」
なぜ、みんな知っていると思う的な顔をしたんだ。知らねーよ、俺この世界の人じゃねーもん
「ていうか、昔のこといつまでも引きずってんじゃねーよ」
なんて話をしている間に魔法を唱えている。上空に大きな魔方陣がいくつか出現し、その中心からもの凄い魔力が集まっている
「ヴォルフェノク・インフェルノ!!」
そして、丸い形をした魔力が雨のように降ってきた。それが地上に接触した時、激しい熱風がおそってきた。それにあたったものは体が焼かれ倒れていく
「やべー技もってんな~あいつ」
俺は自分の魔力を自身とテイラに纏いバリアをつくった。スキルで覚える技ではない。ただ魔力を纏うだけの魔法を使える人なら簡単にできる技だ。この技は普通、台風なんかの雨や風を防ぐ時に使われるものだ。しかし、タクマが使えばそれは強力なバリアへと変わる
「ほう、これを防ぐとは何者だ貴様」
「(やべ~見つかっちまったよ)タクマだ」
「貴様は冒険者なのか」
「(名前名乗ったのに貴様なのね)いや冒険者じゃねーよ」
こうしている間、テイラの俺の背中を掴む力が強くなった。どうやら、怯えてるようだな
「まあそんなことは、どうでもいい。俺様の攻撃を受けて死なんとは万死に値する」
「(こいつの頭どうかしてんのかね)それで、どうするつもりだ?」
相手が何らかの合図をした後、他の魔族が降りてきた。その数、計6体
「テイラ、大丈夫だ俺がついてる」
6体は俺を囲むように移動した
「随分余裕だな。だが、これをくらっても、余裕でいられるかな...やれ」
6体が一斉に魔法を唱えた。すると、下に魔方陣が出現し、天まで届くくらいの火が柱のように勢いよく現れ俺達をのみこんだ
「そんなもんか」
纏っている魔力を増やし、防御力をあげたのだ
「バカな!あり得ない。人間ごときが耐えられる訳が...」
「ただの商人ですよ。じゃあ次はこっちの番...」
「魔族がいたぞ!!攻撃開始!!」」
鎧をきた人多数集まってきた
「ふん、聖騎士か。おもしろい」
そこから、聖騎士と魔族の戦いがはじまってしまい、お返しができない
「キミ、大丈夫か?」
そう話しかけてきたのは聖騎士の人だった
「はい、あなた達のおかげで(必要はなかったけどね)」
「今、王が城の中に市民を避難させているところだ。キミもはやく城のほうに避難しなさい」
「分かりました」
俺は城へと急いだ
「よくここまできた。さあ入れ」
城へつくと、聖騎士の人に案内された。なかには人が多くいる。まだスペースに余裕はあるが、しばらくすればすぐになくなるだろう
「怪我をした人がいたら、返事をしてください!」
服装を見ると神官か。怪我をした人に回復魔法をかけている
このまま何もしていないのは暇なので手伝うことにした。大声をだすのは恥ずかしいので、見て回ることにした
「すいません、助かりました」
あれからも段々と負傷者が運ばれてきたので忙しかったが、それがやっと一息つけた。腰をおろしていると、神官の人が話しかけてきた
「いえ、役にたてたのなら嬉しいです」
「それはもう。ところで、回復魔法はどちらで覚えたのですか?」
「教会のほうで学びました」
「そうですか。あっ申し遅れました。私は神官のレインと申します」
「タクマといいます。こっちがテイラです」
「テイラです」
テイラの姿をみて、少し驚いたが、すぐに元の表情にもどった
「では、俺達は休みますね」
「はい、お疲れ様でした」
休むといっても、寝る訳ではない。今も魔族との戦いは続いているだろう。油断はできない
「テイラは休んでいいぞ」
「いえ、大丈夫です」
「子供が無理すんなよ」
「子供扱いしないでください」
テイラがムスっとしている。どうやら怒ってるっぽいな
「あはは、悪かったよ。じゃあ二人で起きてよーな~」
腰をおろし、テイラを前に座らせ頭を撫でながらいった
「(子供扱いしてるじゃないですか)」
とは思いながらも笑みを浮かべるのだった




