散策中
情報を整理できたとところで、このロコンの村の散策を始めよう。
見た感じ農業を盛んにしている様子はない。果樹園はあるが、それより家畜のために作られている家のほうが多い気がするな。こんなところに村があるくらいだから、てっきり貧しい村かと思っていた。文明レベルは低いが、食べ物に苦労している様子はない。作物はどうしているんだろうか?外部から行商人とかが来てくれるのか?
正直そんなことはどうでもいいな。魔法について知りたい。この村で魔法について詳しく知っている方はおそらくいないだろう、と言っていた。それが本当ならここにいる理由はなくなるな。明日にでもここをとびったて大都市にでも行こうかな。
そんなことを考えながら村の中を歩いていると、ある家が目に入った。
看板がある。ということはお店なのだろうか?看板の文字は読めないが、家全体が黒い布で覆われていて、前の世界風にいうと占い師の館的な雰囲気だ。扉は閉ざされていて、中の様子は確認できない。外に飾られている大量の植物は、お店の売り物だろうか?それとも、ただの家主の趣味なのかは判断できない。一度目についてしまったら、気になりすぎてしょうがない。だけど看板がなぜか置いてあるだけで、ただの民家だったら気まずいな。
世界が変化しても小心者の心は変わってない。しょうもないことでうんうん悩んでいたら、
『いらっしゃい』
何処からともなくそんな声が聞こえた。これは魔法か?入っていいって言っているのか。誘われたことで、迷いはなくなりお店ののドアを開ける。
そこに広がっていたのは、お店の外観通りの店だった。薄暗い部屋の中で、大量の植物がケースの中に飾られていた。そして、その中央には白いフードを深くかぶった女性がいた。顔や体形の判別はできない。わかるのは頬杖をついていて、非常にけだるそうにしていることだけだ。
「あなた、なんでこんな辺鄙な村に来たの?目的は何?」
めんどくさそうにしている態度を隠そうともしない。初対面なのにこんな態度とられるとは・・・
「なんでそんなこと聞くんですか?別に対して目的なんて持ってないですよ。流れで来ただけです」
「へぇ、そっか。」
彼女がそう返して会話が終わる。・・・・・それだけ?てっきり、もっと詰めてくる感じの人だと思っていた。まぁ、別に俺なんか興味ないか。
「たくさん植物が置いてありますけど、これって売る用の商品ですか?」
「違うよ、ただの趣味。私が扱っているのはこれよ、これ」
彼女はそう言って自分の頭を指さす。
「本だけはいっぱい読んできたから、みんなが知りたい知識とか物語とかを教えることができるよ。あなたも何か頼みたいことがあるんじゃない?」
「本当ですか!?知りたいことがいっぱいあるんですよ!」
まじかー、今一番望んでた人との出会いだ。これは運がいいな。
「しー、少し落ち着けよ。」
指を口にあてがいながら諭してくる。
「別にそんな慌てなくても私は逃げやしないさ。ちょっと心配なのはね・・・・」
「あんた、お金持ってる?」
「あ」
どうやら、一番大事なことを失念していたらしい。




