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魔法収集家  作者: トライ


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14/21

急展開

評価、ブックマークをしてくれたらうれしいです!

「別に敵対する気は何もないです。ただもう少しだけこっちの世界にいさせてもらえないかとお願いしているだけであって・・・」


やばい。急に彼女が機嫌を損ねてしまった。変わりようが激しいな、まったく。とにかくなだめないといけない。美人ににらまれている状況で安心できるメンタルは持っていない。


「それと精霊界が何なのかも教えていただきたくて、何もわからない状況ですぐにはい、行きますなんて言えないですよ」


彼女はプレッシャーを弱め、腕を組む。何か反省したような顔だ。


「確かにそうね、話を請求に進め過ぎたわ」


ポンッ


何もない空間から椅子を二つ作りだす。そのうちの一つに彼女は座り、自分にも座るよう促す。彼女に指示に従わない選択肢はない。


「精霊界はその名の通り精霊たちが住まう場所よ。そこで誰かから召喚されるか、存在が消滅するかしかそこから出られるすべはない、そうね・・・監獄のようなところよ」


なぜ急にそんな悪い話題を出してきたんだ?なんだか嫌な予感がする


「無限に広がる空間に様々な地形や自然があって、見どころはたくさんあるけれど、それだけだわ。」


「精霊は無数にいるけれど、自立して行動できて、自分の意思がある奴はほんの一握り。」


「だから悠久の時をそこで過ごしても、精霊界は何も変わらない。精霊は動物たちと違って、死なない、欲求がない、意思がない、想像力がない。」


「ただそこにあるだけ」


なるほどな。そりゃ、精霊界を監獄っていうわけだ。周りの精霊は何もしゃべらないし、思考もしない。何かを生み出そうとしない。何もないっていうわけだ。


ン?待てよ。精霊の中には・・・


「思考できて、自立している精霊も他にいるんですよね?あなたのほかにも。その人たちはどうしているんですか?」


彼女は頭を横に振る。


「ごめん。それに関しては何も言えない、守秘義務がある。」


「あなたどうなんですか?あなたも精霊なら精霊界にいるべきでは」


「私は一時的にここにいることを許されているだけ。時間がたったら精霊界に戻る」


許されている、か。何か上位存在でもいるのか?守秘義務とも言っていたな、わからないことがどんどん増えていく。


それより、今の俺にとって一番大事な質問をするべきだな


「なんで精霊界に自分が行かなきゃ何ですか?納得できたら行きます」


「・・・・・・・・そう決められているから。もういい?突然だけど説明時間は終了するよ」


また雰囲気が変化する。


「これ以上の質問にはルールに抵触するため話せません。あなたを精霊界に連れて帰ります。了承しないなら力ずくで。」


地面から3メートルほどの大鎌を取り出す。おそらく材質はこの建物と同じものだろう。


「争う気はなかったし、非常に申し訳ないけど、まだ見たいものがたくさんあるからね。必死に抵抗させてもらいますよ」



ブワッ


部屋が広がっていく。おそらく戦闘できるスペースを用意するために。完全にやる気だ。


「申し遅れました、私の名前はゼロと申します。」


口上を述べ、鎌をふるう。その瞬間、


パキッ


空間がゆがむ音が聞こえ、裂け目が現れる。その中から黒色のゴーレムたちがぞろぞろわいてきた。


やはりこの人があのゴーレムを出してたのか。黒いゴーレム・・・壊すことは難しそうだ。


風魔法、重力魔法で空中に浮き、上空から状況を確認する。ゼロは動く気配はない。一度ムカデに気絶させられている以上、自分と彼女の戦力は天と地ほどの差があると分かる。つまりは、


逃げ一択



重力魔法を発動。下向きに重力を強くかけ、ゴーレムの動きを止める。そして超巨大な炎魔法を発動する

スピードを捨て、爆発力に全ぶっぱだ。


炎の玉が地面に着弾した瞬間、超巨大な爆発が生まれる。


その一瞬の間に壁まで移動し、ワームホールを作ろうと魔力を集中させる。


だがそれを勿論許してくれない。


直前まで爆発があってこちらの姿を視認できなないほどの煙と熱だったが、一直線にこちらに向かって鎌を振り下ろす。


「うおっ!」


それを魔力障壁で受け止めようとするが、あっさり切り刻まれ俺の頭に降りおろうされようとしていた鎌を間一髪によける。


あぶなぇ、首落とされるところだった。というかあの鎌、魔力障壁をきれるのかよ。


追撃が来る前に、相手の体に触れ重力魔法を発動し、横方向に力をかける。


ゼロはその方向に吹っ飛んでいき、壁にめり込む。が、効いてる様子は何もなくすぐこちらに向かってくる。


まずい!とっさに光魔法で閃光を放ち、目くらましをしたが通用せず。鎌で体を切り裂いてきた。




あれ、これ死んだか?精霊界に連れていくとか言って殺すのかよ。あー最悪。ってまだ死んでないわ!


何と体を真っ二つにされても生き延びていたのだ。だが生き延びていたとて、最悪の状況には違いない。今まさに4等分されようとしていた。


「くそ・・一か八かだ!くらっとけ!」


魔力をできる限り右手にためる。相手とぶつかるインパクトの瞬間にすべての魔力を出し切る。何もひねりがない技だが、これしか思いつかなかった。


魔力をすべて運動エネルギーに!相手を地平線のかなたに吹っ飛ばす勢いで!


鎌に手が触れ、それを発動させる。自分の全身から何かが減ってく感覚がした。




ドゴォォォンン!


部屋全体を凄まじい衝撃が駆け巡る。発動した自分自身でさえその奔流に飲まれていた。


まずい!まるで制御できない!


しかしその状況で目に入ったのは、俺と同様の状態になっているゼロの姿だ。


今ならいける!今しかない!


重力魔法を発動させ、それを一点に集中させる。


バチ


黒い穴が現れる。またもやどこに飛ぶのかわからないが入るしか選択肢がない。


黒い穴に飲み込まれていく。





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