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双鏡の君へ 2 ー輪廻編ー  作者: ゆら。


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室町時代ー出立


翌朝。


村の広場。


徴集役人が名簿を掲げる。


風に紙が鳴る。


琴之は列の中で、名を探す。


――琴之。


確かに、そこにある。


更に名簿を端から端までじっくり見る。


……敦乃の家の名はない。


琴之は、息を吐く。


琴之(……それでいい)


役人が淡々と続ける。


「堤防工事。

 一年以内の帰村を予定する」


琴之は目を閉じる。


琴之(……帰る)


琴之(帰らなければならない)


ふと、敦乃の笑顔が浮かぶ。


琴之(守るために、離れる)


拳を握る。


琴之(……戻るために、行く)


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