表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双鏡の君へ 2 ー輪廻編ー  作者: ゆら。


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/16

室町時代ー残す


翌朝。


敦乃は井戸で水を汲んでいる。


その背後、母屋の陰で。


父が琴之に小さな包みを渡している。


父「……持っていけ」


琴之「これは……」


父「乾き飯と、少しの銭だ」


琴之「……」


父「堤防の向こうは、思っているより寒い」


琴之「……ありがとうございます」


父「帰ってこい」


その言葉が、

まだ見ぬ未来へ投げられたことを、

誰も知らなかった。


琴之「……必ず」



母は少し離れた場所から二人を見ている。


琴之が去ったあと、母が父に囁く。


母「……あの子、強いね」


父「強いから、限界まで耐える」


母「……だから――」


一拍、置いて。


母「折れずに、戻ってこられる“場所”を残す」


父は、何も言わず、ただ頷く。


母は、そっと井戸端の敦乃を見る。


敦乃は何も知らず、水桶を持って振り返る。


敦乃「お母さん、なに見てるの?」


母「……畑の雲」


敦乃も空を見上げる。


敦乃「……今日も晴れるねっ」


母は微笑む。


母「ええ。晴れるよ」


その空の下で、

誰にも知られないまま、

二人の恋は守られていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ