表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コーレリア物語 〜公爵の爵位を返還した僕だけど、最強の銀狼の騎士が一緒にいるから平気です!!〜  作者: 世鷹イチゾウ
破 実は正統王位継承者だった僕が銀狼の騎士と共に運命に抗う話
26/52

銀狼 VS 灰狼①

 襲撃者はどうやらどこぞの騎士の者のようでした。

 私たちを嗅ぎつけてきたというのであれば、誰であっても始末する。

 マーニ様のために!

 

 ──

 ────

 ────────


「うおおぉぉおおおお!!」


 気迫と共に剣で相手を押し体重をかけ続ける。

 狭い家の中は、マーニ様を守りながら戦うのには向かない。

 まずは外へ押し出す!

 向こうも連れていた女性を守りたいのだろう。

 意図を察してか、私ことハティに押されるままに下がっていく。

 二人して屋敷の庭へ出たところでお互いに距離を取り合った。

 マーニ様と女性も表に出て、自身の庇護者へと身を寄せる。


「貴様が貴族共を襲撃していた輩か!」


 襲撃者である騎士は、猛々しく詰問の声をあげる。

 その声には怒りが滲んでいた。

 その怒りは、なんだ。復讐か、義憤か。


「でしたら、どうだと言うのです?」


 だが、私は取り合わない。

 取り合ったところで、マーニ様の得にはならない。


「ここで捕まえるに決まっているだろう! 俺は──、【アマビリス王国騎士団】その団長。カフィー・オーディール! 推して参る!」

「【王国騎士団】、そうですか……」


 どうやら相手は相当の手練のようでした。

 であるならば、都合がいい。

 一定以上の実力がある者には、いつもやる()()が効く。

 私は、この状況においてニコリと笑ってみせる。

 殺気を隠す。空気を作る。雰囲気を作る。

 そして、おもむろに顔の横に剣を構え、雄牛の構えをとってのける。お互いにジリジリと距離を詰め合う。

 激しい剣撃が始まろうとしたその瞬間──、蹴りを叩き込む!

 【無拍子】。

 私の必殺の一撃が、オーディールとやらを襲う。

 けれど。

 足の裏にガッという堅い感触。

 蹴りを、ガントレットで受け止められていた。

 【無拍子】を弾かれた!?

 私は驚愕に包まれ、すかさず一歩距離を取った。

 これまで防がれたことのない一撃を確かにオーディールは防いでおり、そして、一瞬前まで私がいた空間を剣閃が凪いでいた。

 下がっていなければ切られていた。

 その事実に背筋にヒヤリとしたものが流れた。

 

「驚いた。今の蹴りもそうだが、返しの一撃を避けられるとは思わなかった」


 オーディールは感嘆の声を漏らしながらも、私の方が驚いていた。

 驚く私に、騎士団長はフッとほくそ笑んで見せる。

 まるでお前の手の内は読めているとでも言いたげに。


「要は、お前の今の蹴りは【魔術師の手】なんだ」


 【魔術師の手】。

 確かに、私の【無拍子】はマーニ様のために覚えた手品の応用でした。

 笑みを作り、殺気を隠し、異様な雰囲気に呑まれた相手が剣に意識を取られた瞬間、神速の蹴りを叩き込む。

 相手からすれば予備動作もなく、いきなり蹴りが鳩尾にぶち込まれている。

 それが、私の【無拍子】の全てでした。


「ヒントをもらっていたものでな、その手は俺には通用せんぞ」


 その言葉に嘘偽りはないのでしょう。

 私の【無拍子】はあくまで初回限りの必殺の一撃。

 その初撃が通らなかったのだ。今後も、【無拍子】は通じない。

 単純な【無拍子】だけでは、ですが。

 ともかく切り札を一つ失った状態で、やりあわなければならない。

 だが、負けるわけにはいかない。

 私の剣にマーニ様の命もかかっているのだから!

 ジリジリと睨み合いを続ける。

 今度こそ、お互いに相手の出方を窺っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ