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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第八章 復讐

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「……す、すまなかった」


 家に帰還すると、リオンがそう謝ってきた。


「何がだ?」

「……お前を疑ったことだ」


 最初リオンは、俺を魔界に送った犯人だと思っていたから、無事誤解が晴れて、謝罪してきた。


「別に気にしてないから大丈夫だぞ」


 疑われたことは少し悲しかったが、別にリオンに痛い目にあわされたわけじゃないし、そこは問題ない。


「しかし、このままでは私の気がすまん。何か出来ることがあるなら、なんでも言ってくれ。なんでもする」

「な、なんでもする!?」


 リオンのような美少女からそんなことを言われると、思わず邪な考えが頭をよぎってしまう。

 だ、駄目だ。

 俺は首を横に振って邪念を振るい落とす。

 ま、まあでも、何かお願いはした方がいいかもな。

 このままではリオンの気も晴れないだろうし。

 何がいいだろうか? 

 俺は少し考える。


「じゃあ、一緒に釣りでもしてもらうか」


 とそう言った。


「それでいいのか? 別に釣りなら前も一緒にやったはずだが……」

「またやりたくなっただけだ。釣りは楽しいからな」

「……そ、そうか」


 それから俺とリオンは家の前で一緒に釣りをした。


「お前、これからどうするんだ? もう復讐も終わったし、他にやりたい事とかあるのか?」

「そうだな……」


 リオンは悩む。


「ベルゼブブを倒した後は、何やってたんだ」

「前にも行っただろ。勇者の称号にふさわしい実力を得るために修行をしていた」

「そういやそうだったな。でも、それだけ強くなったら、もう修行する必要なないんじゃないか?」

「それもそうだな」


 リオンはどうするか自分で考えるように、空を仰いだ。


「……今はちょっと休みたい。ここでしばらくゆっくりさせてもらいたいが、いいか?」


 リオンがそう聞いてきた。

 彼女は冒険に出てから、魔界に行って今に至るまで、ずっと戦い続けてきたのだろう。

 魔界での生活は聞いてはいないが、過酷な日々だったはずだ。

 休みたいという気持ちになっても、おかしくはない。


「そうか。ずっといてもいてもいいぞ」


 断る理由もないので、俺はそう言った。


「ず、ずっと!?」


 リオンは目を見開いた。普段驚かないのにどうしたんだ? 

 何かおかしい事を言っただろうか。


「ず、ずっと死ぬまでいていいってことか? つもりそういうことなのか? き、気持ちは嬉しいが……」


 顔を赤らめながらリオンは呟いている…


「まあ、釣り仲間が近くにいるのは嬉しいしな。俺は特に困らないが」

「釣り……仲間……」


 突如リオンはすっと不機嫌そうな表情になった。

 失礼なことを言っただろうか? よくわからないやつだ。


「よくよく考えれば、この湖は別にライズのものじゃないから、許可など取らず好きに住んでいいはずだ。私もここに住むぞ」


 リオンはそう言った。確かにそれはその通りである。リオンが住むと言っても、止める権利などない。

 そして、リオンの竿がしなり始める。魚がかかったようだ。釣り上げる。

 大きなスラズが釣れた。

 大物である。


「おお、美味しそうなのが釣れたな」


 リオンはすごく嬉しそうな表情を浮かべていた。

 それは昔、リオンと旅をしていた時に見た笑顔そっくりだった。

 目標を達成し、昔のような心境に戻れたのかもしれない。


「おい、私は釣れたぞ。ライズはまだ釣れないのか?」


 挑戦的な笑みを浮かべてリオンがそう言った。


「な、今は調子が悪いだけだ! す、すぐに釣ってやる」


 結局その日は釣れず、リオンだけが大量に釣った。

 リオンの釣った魚を調理し、夜はご馳走を食べて一日が終わった。

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