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翌日からリオンがちゃんとした家を俺の家の近くに作った。
元々作ってたのは仮拠点みたいな微妙な家だったので、今度はちゃんとした形の家である。
自分で作ったようだ。
魔法を使えば作れはするが、リオンがその手の魔法を習得していたのは意外だった。
元々戦闘用に魔法以外にはあまり興味がなかったはずだが……
まあ、俺もレベル9999になる前までは、戦闘用の魔法以外は興味なかったので習得していなかった。
心境の変化で習得したのだろう。
ちなみに部下の魔物たちは魔界に戻したようだ。
唯一ライラだけが、号泣してそばにいたいと懇願したため、リオンのこの世界に残っている。
彼女はリオンに心酔していたからな。そうなってもおかしくはないか。
今はこの湖には四軒家が立っており、俺を入れて十人は五人だ。
今朝もいつも通り料理を作る。
食糧庫には、湖で釣った魚がたくさん保管されていた。
今回はクラットという魚と、スラズ、ピネールを使って、いろんな魚料理を作ってみる。
さらに最近は野菜もこの湖で育てて、収穫したりしているので、サラダなんかも作ってみよう。
「私も手伝うわ!!」
エミルがやる気満々でそう言ってきた。前も手伝ってもらったが、エルミは料理スキルはあまり高くはない。
まあ、でも最低限のことはできるし、手伝ってもらって邪魔になることはないだろう。
「ありがとう」
「よ〜し、やるわよ!!」
エミルは張り切ってエプロンを身につけた。
可愛いデザインの黄色いエプロンだった。
「ど、どう似合う?」
照れながらエミルはそう言ってきた。
「ああ、似合うぞ」
「えへへ」
俺は素直に褒めた。
確かによく似合っていた。
「何したらいい?」
「そうだな。皿を準備してくれ」
「分かった!」
エミルはそう言って、棚から皿を取り出す。
確かにエプロンはよく似合ってるな。
だが、よく似合っていたが、故に邪なことを考えてしまう。
裸エプロン、見てみてぇ〜
もちろんそんな馬鹿な頼みをするわけにはいかない。
心の中の声だけにとどめていおいた。
すると、
「その願いなら叶えてあげられるよ!!」
子供っぽい声が聞こえてきた。
聞き覚えがあるな。ちょっと前に聞いたような……
聞き間違いか?
俺は不意にエミルを見てみる。
え?
エミルが来ているエプロンの下から、白い肌が丸見えになっていた。
見間違いかと思い二度見してみるが、間違いなく何も来ていない。
裸エプロンになっていた。
ど、どういうことだ!?
さっきまでは間違いなく服を来ていた。
何があって裸に!?
お、俺は何もしてないぞ!? 無意識でエミルの服と下着だけワープさせるなんて、そんなことしていない。
エミルは服が脱げたことに気づいていないのか、普通に皿を取ろうとしている。
高いところの皿を取るため、踵を上げた。
綺麗なお尻がぷるんと揺れる。
「……え?」
エミルが何か違和感に気付いたのか、動きを止める。
そして自分の体を見た。
「えええええええええ!?!?」
顔を真っ赤にして叫び声を上げた。
その後、体を隠すため、丸まった。
「ラ、ライズ!? 何これ!」
「ま、待て、俺じゃないぞ!?」
真っ先に俺がやったと疑われた。
「服は勝手に脱げないわよ! あなたがやったんでしょ!? やろうと思えばできそうだし!」
「た、確かにできるが俺じゃねーぞ!」
「じゃあ、他に誰がやったっていうのよ!」
「し、知らん!」
家の中にエミルの服を脱がす動機があるのは……俺だけだな。
俺以外女子だしな。実際、裸エプロン見たいと頭で願ったりはした。
……というか、もしかして俺がやったのか?
見たさすぎて、無意識下でテレポートの魔法を使用し、服を飛ばした?
さ、流石にそんなことは……ないはずだ。俺は今まで理性的に生きてきた。
もし、俺がそんな理性のない猿みたいな生物だったら、レベル9999になった時点で、もっととんでもないことをしまくっていただろう。
断じてそんなことはしていないはずだ……!
「どう? 楽しんでくれた?」
背後から声が聞こえた。
振り向いても何もいない。
ただ、声が聞こえる。
さっきも聞こえたが、誰の声だったか……確か……
そうだ、ワイットの声だ。
「君の願いを叶えられなかったのが心残りだったから、取り憑いてたんだ。叶えられて大満足だし、僕は行くよ。じゃあね」
「な!?」
それを最後にワイットの声は聞こえなくなった。
奴はまだ生きていたのか。いや、姿が見えないし、生きていたというか、意識だけあったというべきか。
意識だけの状態で俺の願いを叶えようとしていたのか。
俺が裸エプロン見てぇ、と言ったから叶えてくれたということか。
それは、ナイス……じゃない、けしからん奴だ! やっていいこと悪いことの違いもわからんのか!
「……ねぇライズはこの格好好きなの?」
エミルは照れながらそう尋ねてきた。
「え? す、好きというか。ま、まあ好きではある……」
濁そうとしたが、思わず本音を口から出してしまった。
「分かった」
先ほどまで体を丸めていたエミルが、立ち上がる。
「好きならしばらくこの格好でいるわ」
「ええ!?」
「あ、あんまり見ちゃダメだからね!!」
顔を赤ながらエミルはそう言った。
それから料理中、エミルの裸エプロンを堪能した。
チラリと見える胸、大きなお尻最高だった。
ワイットに感謝を込めて、俺は料理を作った。
料理を作り終えた。俺とエミルは料理の持った皿をテーブルに乗せる。
エミルは普通の服に着替えていた。顔を真っ赤にしている。
俺もちょっと気まずかった。やっぱり服を着るよういうべきだったか……
い、いやでも、二度とあんな機会なさそうだったしな……
今回作った料理は、サラダ、スラズのムニエル、ピネールのスープ、それからクラットの塩焼きだった。
クラットは二十センチメートルほどの大きさの魚だ。
塩焼きにして食べるのが一番美味しい。
干物にしたりして食べることもある。
サラダにはシーザードレッシングを再現したものを作っていたので、それをかけた。
早速食べてみる。
「このサラダ美味しいわね! ソースが美味しいわ!」
エミルがサラダを食べて早速そう言った。美味しさで先ほどの裸エプロンの照れが消し飛んだようである。
彼女はあんまり野菜を積極的に食べるイメージはなかったが、今回は気に入ったのかバクバク食べていた。
リオンとライラ、シーラも美味しそうい食べている。
俺もサラダを食べるが美味しかった。苦労してドレッシングを作っただけある。
他の魚料理も食べていく。
ムニエルは何度も作っている得意料理だったので、納得の味だった。
「美味しいね〜」
「うん! 絶品ね!」
シーラとエミルがとても美味しそうに食べていた。
「美味しいですね! 私も料理をもっと学びたいです! そして魔王様に作って差し上げたい! そしてたくさん褒められたい!」
目を輝かせながらライラはそう言った。
「貴様は不器用だからやめた方がいいぞ」
「がーん」
リオンの言葉にライラはショックを受けていた。
リオンは黙々と食事を進める。相変わらず食欲がすごいな。
そして、誰よりも早く食べ終わった。
「美味かった」
一言そう言った。
「そりゃよかった」
「明日は私が作る。いつも作ってばかりで悪いからな」
「本当か? 楽しみだな」
前に魚料理を食べたが結構美味しかった。
他にもどんなものが作れるのか楽しみである。
まあ、ライラに作っていたような怪しげな料理だったら困るけどな。
「む……」
何やらエミルがリオンの言葉を聞き、表情を険しくする。
リオンの料理を食べたくないのだろうか。
「わ、私も料理を覚えないとね! いつかライズに食べさせたあげるね!!」
「え? いや、無理しなくてもいいぞ。エミルは修行もしてるし……」
「い、いいの! 絶対美味しい料理作って、食べさせてあげるから!」
エミルはそう言った。
別に無理はしなくてもいいんだが。まあ、そこまでいうのなら、食べてみたいな。
彼女は努力家だし、きっと美味しい料理を作れるようになるだろう。
「シーラも何か料理作ってあげるね! 力は使わないで作るよ」
無邪気な表情でそう言った。
「ありがとう」
シーラならその気になれば高級料理でも能力でも再現できそうだ。
それでも手作りのシーラの料理を食べてみたい。
食事が終わり後片付けをした後、俺はいつも通りを釣りをしに向かった。
最近は色々あって、ダンジョン行ったり、湖に行ったり、ラポン国行ったりと、ここじゃない場所で釣る機会も多かったが、やっぱり見知った湖で釣るのが一番落ち着くな。
住民が増え騒がしくなって、俺の生活がどうなるかと思ったが、案外悪くない気分だ。
まだレベルを落として、最強じゃ無くしてほしいという気持ちもある。
ただ、今の生活がこれからずっと続くのは、それはそれで楽しそうだと思った。
「さて、今日は釣れるかな?」
俺はそう呟きながら、釣り糸を湖に投げ込んだ。
このエピソードで完結です!
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