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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
エピローグ

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82

 翌日からリオンがちゃんとした家を俺の家の近くに作った。

 元々作ってたのは仮拠点みたいな微妙な家だったので、今度はちゃんとした形の家である。

 自分で作ったようだ。

 魔法を使えば作れはするが、リオンがその手の魔法を習得していたのは意外だった。

 元々戦闘用に魔法以外にはあまり興味がなかったはずだが……

 まあ、俺もレベル9999になる前までは、戦闘用の魔法以外は興味なかったので習得していなかった。

 心境の変化で習得したのだろう。

 ちなみに部下の魔物たちは魔界に戻したようだ。

 唯一ライラだけが、号泣してそばにいたいと懇願したため、リオンのこの世界に残っている。

 彼女はリオンに心酔していたからな。そうなってもおかしくはないか。

 今はこの湖には四軒家が立っており、俺を入れて十人は五人だ。

 今朝もいつも通り料理を作る。

 食糧庫には、湖で釣った魚がたくさん保管されていた。

 今回はクラットという魚と、スラズ、ピネールを使って、いろんな魚料理を作ってみる。

 さらに最近は野菜もこの湖で育てて、収穫したりしているので、サラダなんかも作ってみよう。


「私も手伝うわ!!」


 エミルがやる気満々でそう言ってきた。前も手伝ってもらったが、エルミは料理スキルはあまり高くはない。

 まあ、でも最低限のことはできるし、手伝ってもらって邪魔になることはないだろう。


「ありがとう」

「よ〜し、やるわよ!!」


 エミルは張り切ってエプロンを身につけた。

 可愛いデザインの黄色いエプロンだった。


「ど、どう似合う?」


 照れながらエミルはそう言ってきた。


「ああ、似合うぞ」

「えへへ」


 俺は素直に褒めた。

 確かによく似合っていた。


「何したらいい?」

「そうだな。皿を準備してくれ」

「分かった!」


 エミルはそう言って、棚から皿を取り出す。

 確かにエプロンはよく似合ってるな。

 だが、よく似合っていたが、故に邪なことを考えてしまう。


 裸エプロン、見てみてぇ〜


 もちろんそんな馬鹿な頼みをするわけにはいかない。

 心の中の声だけにとどめていおいた。

 すると、


「その願いなら叶えてあげられるよ!!」


 子供っぽい声が聞こえてきた。

 聞き覚えがあるな。ちょっと前に聞いたような……

 聞き間違いか?

 俺は不意にエミルを見てみる。


 え?


 エミルが来ているエプロンの下から、白い肌が丸見えになっていた。

 見間違いかと思い二度見してみるが、間違いなく何も来ていない。

 裸エプロンになっていた。

 ど、どういうことだ!?

 さっきまでは間違いなく服を来ていた。

 何があって裸に!?

 お、俺は何もしてないぞ!? 無意識でエミルの服と下着だけワープさせるなんて、そんなことしていない。

 エミルは服が脱げたことに気づいていないのか、普通に皿を取ろうとしている。

 高いところの皿を取るため、踵を上げた。

 綺麗なお尻がぷるんと揺れる。


「……え?」


 エミルが何か違和感に気付いたのか、動きを止める。

 そして自分の体を見た。


「えええええええええ!?!?」


 顔を真っ赤にして叫び声を上げた。

 その後、体を隠すため、丸まった。


「ラ、ライズ!? 何これ!」

「ま、待て、俺じゃないぞ!?」


 真っ先に俺がやったと疑われた。


「服は勝手に脱げないわよ! あなたがやったんでしょ!? やろうと思えばできそうだし!」

「た、確かにできるが俺じゃねーぞ!」

「じゃあ、他に誰がやったっていうのよ!」

「し、知らん!」


 家の中にエミルの服を脱がす動機があるのは……俺だけだな。

 俺以外女子だしな。実際、裸エプロン見たいと頭で願ったりはした。

 ……というか、もしかして俺がやったのか?

 見たさすぎて、無意識下でテレポートの魔法を使用し、服を飛ばした?

 さ、流石にそんなことは……ないはずだ。俺は今まで理性的に生きてきた。

 もし、俺がそんな理性のない猿みたいな生物だったら、レベル9999になった時点で、もっととんでもないことをしまくっていただろう。

 断じてそんなことはしていないはずだ……!


「どう? 楽しんでくれた?」


 背後から声が聞こえた。

 振り向いても何もいない。

 ただ、声が聞こえる。

 さっきも聞こえたが、誰の声だったか……確か……

 そうだ、ワイットの声だ。


「君の願いを叶えられなかったのが心残りだったから、取り憑いてたんだ。叶えられて大満足だし、僕は行くよ。じゃあね」

「な!?」


 それを最後にワイットの声は聞こえなくなった。

 奴はまだ生きていたのか。いや、姿が見えないし、生きていたというか、意識だけあったというべきか。

 意識だけの状態で俺の願いを叶えようとしていたのか。

 俺が裸エプロン見てぇ、と言ったから叶えてくれたということか。

 それは、ナイス……じゃない、けしからん奴だ! やっていいこと悪いことの違いもわからんのか!


「……ねぇライズはこの格好好きなの?」


 エミルは照れながらそう尋ねてきた。


「え? す、好きというか。ま、まあ好きではある……」


 濁そうとしたが、思わず本音を口から出してしまった。


「分かった」


 先ほどまで体を丸めていたエミルが、立ち上がる。


「好きならしばらくこの格好でいるわ」

「ええ!?」

「あ、あんまり見ちゃダメだからね!!」


 顔を赤ながらエミルはそう言った。

 それから料理中、エミルの裸エプロンを堪能した。

 チラリと見える胸、大きなお尻最高だった。

 ワイットに感謝を込めて、俺は料理を作った。


 料理を作り終えた。俺とエミルは料理の持った皿をテーブルに乗せる。

 エミルは普通の服に着替えていた。顔を真っ赤にしている。

 俺もちょっと気まずかった。やっぱり服を着るよういうべきだったか……

 い、いやでも、二度とあんな機会なさそうだったしな……

 今回作った料理は、サラダ、スラズのムニエル、ピネールのスープ、それからクラットの塩焼きだった。

 クラットは二十センチメートルほどの大きさの魚だ。

 塩焼きにして食べるのが一番美味しい。

 干物にしたりして食べることもある。

 サラダにはシーザードレッシングを再現したものを作っていたので、それをかけた。

 早速食べてみる。


「このサラダ美味しいわね! ソースが美味しいわ!」


 エミルがサラダを食べて早速そう言った。美味しさで先ほどの裸エプロンの照れが消し飛んだようである。

 彼女はあんまり野菜を積極的に食べるイメージはなかったが、今回は気に入ったのかバクバク食べていた。

 リオンとライラ、シーラも美味しそうい食べている。

 俺もサラダを食べるが美味しかった。苦労してドレッシングを作っただけある。

 他の魚料理も食べていく。

 ムニエルは何度も作っている得意料理だったので、納得の味だった。


「美味しいね〜」

「うん! 絶品ね!」


 シーラとエミルがとても美味しそうに食べていた。


「美味しいですね! 私も料理をもっと学びたいです! そして魔王様に作って差し上げたい! そしてたくさん褒められたい!」


 目を輝かせながらライラはそう言った。


「貴様は不器用だからやめた方がいいぞ」

「がーん」


 リオンの言葉にライラはショックを受けていた。

 リオンは黙々と食事を進める。相変わらず食欲がすごいな。

 そして、誰よりも早く食べ終わった。


「美味かった」


 一言そう言った。


「そりゃよかった」

「明日は私が作る。いつも作ってばかりで悪いからな」

「本当か? 楽しみだな」


 前に魚料理を食べたが結構美味しかった。

 他にもどんなものが作れるのか楽しみである。

 まあ、ライラに作っていたような怪しげな料理だったら困るけどな。


「む……」


 何やらエミルがリオンの言葉を聞き、表情を険しくする。

 リオンの料理を食べたくないのだろうか。


「わ、私も料理を覚えないとね! いつかライズに食べさせたあげるね!!」

「え? いや、無理しなくてもいいぞ。エミルは修行もしてるし……」

「い、いいの! 絶対美味しい料理作って、食べさせてあげるから!」


 エミルはそう言った。

 別に無理はしなくてもいいんだが。まあ、そこまでいうのなら、食べてみたいな。

 彼女は努力家だし、きっと美味しい料理を作れるようになるだろう。


「シーラも何か料理作ってあげるね! 力は使わないで作るよ」


 無邪気な表情でそう言った。


「ありがとう」


 シーラならその気になれば高級料理でも能力でも再現できそうだ。

 それでも手作りのシーラの料理を食べてみたい。

 食事が終わり後片付けをした後、俺はいつも通りを釣りをしに向かった。

 最近は色々あって、ダンジョン行ったり、湖に行ったり、ラポン国行ったりと、ここじゃない場所で釣る機会も多かったが、やっぱり見知った湖で釣るのが一番落ち着くな。

 住民が増え騒がしくなって、俺の生活がどうなるかと思ったが、案外悪くない気分だ。

 まだレベルを落として、最強じゃ無くしてほしいという気持ちもある。

 ただ、今の生活がこれからずっと続くのは、それはそれで楽しそうだと思った。


「さて、今日は釣れるかな?」


 俺はそう呟きながら、釣り糸を湖に投げ込んだ。


このエピソードで完結です!

読んでいただきありがとうございました。

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