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魚たちを桶に入れた状態で運んだ。
魔法でふわふわと浮かべて運んでいる。
冷凍させてもいいが、生きた状態で運んだ方が新鮮だろうからな。
俺たちはラウント山を上る。
魔法で山頂まで行ってもいいが、道中山菜や肉など素材集めをしながら行きたいので、登っていくことにした。
ここにしか生えない野草や、生物もいるようで、飛んでいくより登ったほうが楽しめそうではある。
「これは!」
エミルが山道のわきに生えていた植物を見て、目を見開く。
赤い実をつけている植物だった。というかこの形状は……イチゴか?
「ラウントストロベリーよ! この山にしか生えないイチゴだわ。何回か登っているけど初めて見たわ」
「そうなのか。おいしそうだな」
「相当甘いらしいわ。ちょうど五つ実ってるわね。皆で食べましょう」
エミルがそう言った。俺たちはラウントストロベリーを回収する。
一個ずつ分けて食べていった。
食べた瞬間、甘みと酸味が口に広がっていった。
間違いなく普通のイチゴより甘い。酸味もあるので、それがアクセントになってめちゃくちゃ美味しい。
「美味しい~甘い~」
「う、うま!!」
シーラとエミルは目を見開いて味わっていた。
「美味しいですね!!」
「ほかにはないのか?」
ライラは目を味わった後、目を輝かせている。
リオンはよほど美味しかったのか、周囲に同じものがないかを探していた。
確かにもう一個食べたいが、ぱっと見ないようだ。
「食べ過ぎたらラウントストロベリーがなくなっちゃうかもしれないし、今日はこれだけにしておきましょう」
エミルがそう言った。食いつくして絶滅、なんてことになったら大変だからな。
今回は一個でやめておこう。
もしまた来る機会があったら、また食べたい。
山を登っていく。
「うああああああ」
「はああ、ひいいいいい!!」
男たちの悲鳴が突如聞こえてきた。
上から数名の男が駆け下りてくる。
何かあったのか?
「あ、あんたら! 逃げろ!!」
「ドラゴンだ! ドラゴンが出たぞ!!」
「しかも群れだ!! こんなこと滅多にない!! 運が悪い!!」
登山客と思われる男たちは、パニックになってそう言った。
ドラゴンがいるのか? でも、口ぶりからすると、珍しいようだな。
「ドラゴンがいたのね……この山では出会ったことないけど、いるんだ」
何回かラウント山に行っているエミルも会ったことがないようだ。相当珍しそうだな。
「ゆ、悠長なことを言ってるんじゃねぇ! 逃げるぞ!」
「お前らみたいなほぼ女の連中、すぐに殺されちまう!!」
必死に下山を進める男たち。
確かに見た目は女四人と男一人のパーティーだ。
あまり強くは見えないだろう。
この人たちも人がいいな。自分が切羽詰まっている状態で、逃げるように言ってくる。
まあ、ドラゴンなんか特に障害にはならないのだが。
というか、逆にいると聞けてラッキーだ。花見のご飯がさらに豪華になる。
「グガアアアアアアアアアアア!!」
「ギャアアアアス!!」
ドラゴンのうなり声が複数聞こえ来た。話通りドラゴンは複数対いるようである。
次の瞬間、ドラゴン3体が物凄い勢いでこちらに飛翔してきた。
あまり大きなドラゴンではない。弱いドラゴンだな。でも、普通の冒険者にとってはかなり脅威ではある。
「ああああ!」
「終わりだ!!」
ドラゴンが近くまで来て、逃げられないと思ったのか、男たちは腰を抜かしてへたり込んでいた。
「魔弾≪バレット≫」
完全に消滅させないよう、頭だけを狙って魔法を撃った。
ドラゴンの可食部位は腹部にある。頭は消し飛ばしても問題ない。
魔弾は一直線にドラゴンの頭に飛んでいき、吹き飛ばした。
エミル、リオンも攻撃していた。
「はああああ!!」
「ふん」
エミルは雷轟剣でドラゴンの首を落とし、リオンは魔法でドラゴンの頭を消し飛ばしていた。
あっさりと三体のドラゴンを倒した。
「へ?」
男たちは呆気に取られている。信じられないものを見たという表情だ。
あんまり目立ちたくはなかったが、まあ、ここは俺が住んでる湖よりだいぶ遠い町なので大丈夫だろう。
ドラゴンを解体。可食部位を切り離した。
「ど、どうなってんだ?」
「ゆ、夢ぇ?」
目の前で起こった出来事が信じられないという表情を、男たちは浮かべている。
説明してやる必要はない。もうドラゴンはいないし、彼らも無事下山できるだろう。
俺たちはドラゴンの肉を持って、山頂を目指し登り始めた。
順調に登っていく。
道中山菜などを取ったりした。どんどん食材が増えていく。
全部食べられるか分からないが、とりあえず持っていこう。
余ったら持って帰ればいいしな。
俺たちは山頂目指して進んでいく。
そして、
「着いた!」
エミルが嬉しそうに声をあげた。
ついに山頂に到着した。




