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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第七章 花見

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 魚たちを桶に入れた状態で運んだ。

 魔法でふわふわと浮かべて運んでいる。

 冷凍させてもいいが、生きた状態で運んだ方が新鮮だろうからな。

 俺たちはラウント山を上る。

 魔法で山頂まで行ってもいいが、道中山菜や肉など素材集めをしながら行きたいので、登っていくことにした。

 ここにしか生えない野草や、生物もいるようで、飛んでいくより登ったほうが楽しめそうではある。


「これは!」


 エミルが山道のわきに生えていた植物を見て、目を見開く。

 赤い実をつけている植物だった。というかこの形状は……イチゴか?


「ラウントストロベリーよ! この山にしか生えないイチゴだわ。何回か登っているけど初めて見たわ」

「そうなのか。おいしそうだな」

「相当甘いらしいわ。ちょうど五つ実ってるわね。皆で食べましょう」


 エミルがそう言った。俺たちはラウントストロベリーを回収する。

 一個ずつ分けて食べていった。

 食べた瞬間、甘みと酸味が口に広がっていった。

 間違いなく普通のイチゴより甘い。酸味もあるので、それがアクセントになってめちゃくちゃ美味しい。


「美味しい~甘い~」

「う、うま!!」


 シーラとエミルは目を見開いて味わっていた。


「美味しいですね!!」

「ほかにはないのか?」


 ライラは目を味わった後、目を輝かせている。

 リオンはよほど美味しかったのか、周囲に同じものがないかを探していた。

 確かにもう一個食べたいが、ぱっと見ないようだ。


「食べ過ぎたらラウントストロベリーがなくなっちゃうかもしれないし、今日はこれだけにしておきましょう」


 エミルがそう言った。食いつくして絶滅、なんてことになったら大変だからな。

 今回は一個でやめておこう。

 もしまた来る機会があったら、また食べたい。

 山を登っていく。


「うああああああ」

「はああ、ひいいいいい!!」


 男たちの悲鳴が突如聞こえてきた。

 上から数名の男が駆け下りてくる。

 何かあったのか?


「あ、あんたら! 逃げろ!!」

「ドラゴンだ! ドラゴンが出たぞ!!」

「しかも群れだ!! こんなこと滅多にない!! 運が悪い!!」


 登山客と思われる男たちは、パニックになってそう言った。

 ドラゴンがいるのか? でも、口ぶりからすると、珍しいようだな。


「ドラゴンがいたのね……この山では出会ったことないけど、いるんだ」


 何回かラウント山に行っているエミルも会ったことがないようだ。相当珍しそうだな。


「ゆ、悠長なことを言ってるんじゃねぇ! 逃げるぞ!」

「お前らみたいなほぼ女の連中、すぐに殺されちまう!!」


 必死に下山を進める男たち。

 確かに見た目は女四人と男一人のパーティーだ。

 あまり強くは見えないだろう。

 この人たちも人がいいな。自分が切羽詰まっている状態で、逃げるように言ってくる。

 まあ、ドラゴンなんか特に障害にはならないのだが。

 というか、逆にいると聞けてラッキーだ。花見のご飯がさらに豪華になる。


「グガアアアアアアアアアアア!!」

「ギャアアアアス!!」


 ドラゴンのうなり声が複数聞こえ来た。話通りドラゴンは複数対いるようである。

 次の瞬間、ドラゴン3体が物凄い勢いでこちらに飛翔してきた。

 あまり大きなドラゴンではない。弱いドラゴンだな。でも、普通の冒険者にとってはかなり脅威ではある。


「ああああ!」

「終わりだ!!」


 ドラゴンが近くまで来て、逃げられないと思ったのか、男たちは腰を抜かしてへたり込んでいた。


「魔弾≪バレット≫」


 完全に消滅させないよう、頭だけを狙って魔法を撃った。

 ドラゴンの可食部位は腹部にある。頭は消し飛ばしても問題ない。

 魔弾は一直線にドラゴンの頭に飛んでいき、吹き飛ばした。

 エミル、リオンも攻撃していた。


「はああああ!!」

「ふん」


 エミルは雷轟剣でドラゴンの首を落とし、リオンは魔法でドラゴンの頭を消し飛ばしていた。

 あっさりと三体のドラゴンを倒した。


「へ?」


 男たちは呆気に取られている。信じられないものを見たという表情だ。

 あんまり目立ちたくはなかったが、まあ、ここは俺が住んでる湖よりだいぶ遠い町なので大丈夫だろう。

 ドラゴンを解体。可食部位を切り離した。


「ど、どうなってんだ?」

「ゆ、夢ぇ?」


 目の前で起こった出来事が信じられないという表情を、男たちは浮かべている。

 説明してやる必要はない。もうドラゴンはいないし、彼らも無事下山できるだろう。

 俺たちはドラゴンの肉を持って、山頂を目指し登り始めた。

 順調に登っていく。

 道中山菜などを取ったりした。どんどん食材が増えていく。

 全部食べられるか分からないが、とりあえず持っていこう。

 余ったら持って帰ればいいしな。

 俺たちは山頂目指して進んでいく。

 そして、


「着いた!」


 エミルが嬉しそうに声をあげた。

 ついに山頂に到着した。

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