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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第六章 エミルの過去

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「おはよう! ライズ!」


 翌朝。

 何事もなかったかのようにエミルが挨拶をしてきた。


「今日の料理は何かしら」


 昨日狼の魔導士とバレたかもしれないと思ったが、何ともないようだ。

 これは多分気づいてなさそうだな。


「今日は、この前エミルがダンジョンで倒したドラゴンの肉を料理するつもりだ」

「朝から豪華ね!」


 嬉しそうにエミルは言った。

 いつも通りだな。やっぱり気づかれなかったと思って良さそうだな。

 もし気づかれていたら、他の人には言わないようお願いしようと思っていたが、その必要はなさそうだ。

 俺はエミルに言った通り、ドラゴンの肉を料理し始めた。

 朝食べるにはちょっと豪華ではあるが、たまにはこういう日があってもいいだろう。


 この肉はステーキにして食べるのが一番美味しそうだな。

 ふと、後ろを向くと、エミルとそれからいつの間にかきていた、リオンとシーラ、そしてこの前はいなかったがライラが物欲しそうな目で見ている。

 今日は5人いるのか。ドラゴンは可食部位が少ないが、それでも5人分くらいはあった。ちょうどなくなりそうだがな。


 エミルが倒したんだし、彼女の肉は大きめにしておくか。

 ドラゴンの肉を切り分けて、塩と胡椒をまぶす。

 この状態で少し置いておく。


 ドラゴン肉だけなのは不健康そうなので、サラダも作るか。

 俺は野菜を持ってきて、切ってボールの中に入れる。そして、前に作った酸味のあるソースをサラダにかけた。

 サラダを作り終えたら、ドラゴンの肉を焼く。

 美味しそうな匂いが部屋の中に充満してきた。

 あまり焼きすぎないように注意する。表面に少し焦げ目が付くくらい焼いたら、フライパンから取る。


 中はまだ赤くレアである。かなり美味しそうだ。

 五枚焼いて皿に盛り付けていく。先ほど作ったサラダと、それからパンを添えて完成だ。

 皿を食卓に並べる。


「お、美味しそうね……! ドラゴンのお肉は初めて食べるかも」

「そうなのか?」


 エミルくらいの冒険者なら、ドラゴンくらい倒してそうだが。


「倒したことはあるけど、どうやって食べるか分からないし、解体するのも面倒だったから食べなかったのよ」

「そりゃもったいないことをしたな」


 ドラゴンの肉は過食部位は少ないが、かなり美味しい。

 ちなみにエンペラードラゴンは、俺も食べたことがない。あのダンジョンで初めて見たからな。かなり珍しいドラゴンだ。

 味も普通のドラゴンより美味しいかもしれない。楽しみである。


「いただきます!」


 エミルがそう言って食べ始めた。俺も食べる。

 一口食べた瞬間、旨味を濃縮したような肉汁が、口の中に広がった。脂身は少ないが、柔らかい。絶品だった。

 ゆっくり味わいながら飲み込んだ。


「お、美味しいわね……!」


 エミルは目を輝かせながらそう言った。


「これは……魔界で食べたエンペラードラゴンとは全然違うな」


 リオンが驚きながらそう言った。


「どうやって食べたんだ?」

「普通に丸焼きにして鱗ごと食べた」

「そりゃまずいだろ」


 食べ方がワイルド過ぎる。

 鱗ごと食べたのだろうか? まあ、リオンなら食べられそうだな。魔王になったくらいだしな。


「凄まじくうまいですね!! こんなもの人生で初めて食べました!!」


 リオンの部下のライラが、がっついて勢いよく食べていた。魔界にこういう料理をする奴は、確かにいなさそうではある。


「お兄ちゃんの料理毎回美味しくて大好き!」


 シーラは元気よくそう言った。

 めちゃくちゃ味わって肉を食べ切った。

 こんなに美味しいなら、定期的にエンペラードラゴンが出そうな場所に行って、ドラゴン狩りに行くのもいいな。

 どこに出るのか分からないのが問題だが。あのダンジョンにはまた出たりするんだろうか? 今度街に出た時、本でも買って調べてみるか。

 朝からいいものを食べて気分が良い。今日は気持ちよく釣りができそうだ。


 俺は釣りの準備をして、いつも通り釣りに向かった。

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