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【3月15日書籍発売】アラサー魔導士の辺境湖畔暮らし〜初級魔法で魔王を瞬殺してしまった俺は、無気力に引きこもりたい〜  作者: 未来人A
第五章 温泉旅行

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「うーん、悔しいわね……」


 食事をすることになったが、一匹も釣ることが出来なかったエミルが、悔しそうに呟いた。


「まあ、当然の結果だな」

「何ですって!?」


 リオンは煽るように言って、エミルが怒る。

 大物とはいえ、一匹釣っただけでよく人を煽れるな。


「仲良くしろ。今から料理するぞ」


 二人の和解を促した後、俺は調理を開始した。

 持ってきていた、調味料や調理器具を出して準備を行う。

 釣れた魚は全部で五匹。

 まず鯛みたいな魚は、見た目的に刺身にすると美味しそうなので、刺身で食べることにした。

 黒魚は二匹釣れた。こいつは塩焼きにして食べてみよう。

 シルバーフィッシュは……スープにして食べてみるか。

 まずいらしいが、調味料をしっかり入れてスープにすればそんなに味は気にならなくなるかもしれない。

 そして、リオンが釣った巨大魚だが……

 身がいっぱいあるので、刺身も作ってみたり、部位によっては焼いて食べたり、色々調理してみよう。


 それからドラゴンの肉もあったが、これを調理すると多くなりすぎるので、冷凍して家に帰ってから食べるとしよう。

 今日は海鮮尽くしの食事をしよう。

 まずはシルバーフィッシュのスープを作る。

 捌いてみたが、生臭くあまり美味しそうではない。骨も多く肉が少ない。どう見ても食用には向いていない魚だ。

 とりあえず煮込んでみるか。

 調味料をたくさん入れて、煮込んでみる。ちょっとでもシルバーフィッシュの風味を消したい。


 煮込んでいるうちに、黒魚の塩焼きの準備をする。

 まずは腹をさばき、内臓を出す。

 その後、魚全体に塩をまぶした。この状態でちょっとだけ待つ。

 待っている間に、鯛のような見た目の魚をさばく。

 身も鯛に似ていた。生臭い匂いもほとんどない。

 骨も少なく、身もしっかりしていて、結構おいしそうである。

 斬って刺身にしていく。


 次はリオンの釣った、大物をさばいていく。

 ほどよく油の乗った、綺麗な赤身だった。骨も少なく、食べられる部分も多そうだ。

 全部食べられるだろうか? 余った部位は魔法で冷凍して持って帰るか。

 切身を四つに分ける。一つは刺身に、もう一つ焼いてみる。


 残りの二つは冷凍して持ち帰ろう。


 まずは刺身を作る。もう一つの切身は厚切りにして、ステーキにする。

 塩と胡椒をまぶす。これもちょっとだけこのまま置いておく。

 しばらく待ったら、まずは黒魚の方からフライパンで焼いていく。

 良い感じで焼けてきた。香ばしい美味しそうな匂いが漂ってくる。

 ひっくり返して、逆側も焼く。

 よく焼けたところで、フライパンから出して、皿に盛り付ける。


「美味しそう……」


 魚の匂いを嗅いだエミルが、よだれを垂らしながら言った。

 次は巨大魚の切り身を焼く。

 同じくフライパンに入れて焼いた。

 ジューという良い音が響き渡る。

 脂が乗っている良い肉なので、あまり焼きすぎると逆によくなさそうなので、中までしっかりとは焼かず、表面の色が変わるくらいに焼いてみた。

 これも良い匂いがした。めちゃくちゃ美味しそうだ。

 切って見ると、表面や焼けていて中は赤身になっており、かなり美味しそうだった。


 全部切り分けて皿に乗せる。

 シルバーフィッシュのスープもちゃんと煮えていたので、お椀によそった。

 調味料をしっかり入れたからか、匂いはそこまで悪くない。

 味見のためスープをちょっとだけ飲んでみる。結構美味しかった。

 生臭さはなかった。旨みだけがしっかりと出て、かなり美味しかった。

 入れた調味料の何かが、臭みを消してくれたのだろう。割と適当に入れてしまったので、何をどのくらい入れたのか忘れてしまった。

 シルバーフィッシュを次、釣り上げても、同じものは作れなさそうだな。


 調理したものを並べてみる。


 中々豪華だった。全部食べるとお腹いっぱいになりそうだな。


「た、食べていい?」


 エミルが目を輝かせながらそう言った。

 お腹もぐーとなっている。空腹で限界のようだな。

 俺も腹が減ってきたし、早速食べるか。


「ああ、食べるか」

「いただきます!」


 俺がそういうと、エミルが勢いよくまずは巨大魚の刺身を食べ始めた。

 塩を持ってきていたので、それにつけて食べる。


「美味しいわ!!」


 目をキラキラと輝かせながら、そう言った。

 勢いよく食べていく。

 俺も一口食べてみた。


「うまい……!」


 口に入れた瞬間、刺身の旨みが口中に広がっていった。身は非常に柔らかい。噛まずに飲め込めるくらいだ。

 しっかり味わって俺は刺身を飲み込んだ。


「美味しいねこれ〜」


 シーラも気に入っていた。


「もぐもぐもぐ」


 リオンは無表情で黙々と食べていた。

 何も言わないので、味が気に入ったのか分からないが……

 これだけのペースで食べているということは、多分気にいったんだろうな。

 次に黒魚を食べる。

 鱗は黒いが、中身は真っ白い身だった。

 かなりタンパクで脂身が少ない。硬さは程よく、旨みもしっかりあった。

 見た目は食べられるか不安だったが、ちゃんと美味しい魚だった。

 鯛っぽい魚の刺身も食べた。見た目だけじゃなく、味もほぼ鯛だった。

 歯応えがしっかりある、美味しい刺身だった。やっぱり新鮮な魚の刺身は美味しいな。


 順調に食べ進めていく。スープも全員に好評だった。

 そして最後にメインのステーキをいただく。


「お、美味しそう……」


 エミルはステーキを眺めながらそう言った。めちゃくちゃ美味しそうな見た目なのは間違いない。

 味はすでについているので、そのままいただく。

 本来はこれにわさびなどをつけて食べると、更に美味しくなりそうだが、今はないので仕方ない。

 俺はステーキをいただいた。


「うまい!」


 思わず声が出るほどの味だった。

 身の旨みと、味付けの塩と胡椒が非常にマッチしていた。

 焼き具合も絶妙で、これは非常に美味しい。


「……うまいな」


 リオンもさっきまで黙っていたが、思わず声を出していた。かなり美味しかったようだ。


「ご馳走様!」


 エミルは美味しすぎたのか、一瞬で完食していた。

 もっと味わって食べれば良いのにな。

 巨大魚が特に美味しかったな。

 冷凍した切り身が二つあるから、家に帰って食べるのが楽しみだ。

 今回と同じく刺身とステーキにするか、別の食べ方にするか考えておこう。


「よし、帰るか」


 俺たちはダンジョン探索を終え、ダンジョンの入り口へと戻った。

 地底湖は中々の釣り場だし、またきても良さそうだな。

 30階も降りないといけないのは少し面倒だが、そこまでしていく価値があるということは、よくわかった。

 俺たちは家へと帰還した。

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