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道中、図らずも人助けをして、そのまま先に進む。
出来れば、誰とも出くわしたくはないが、どうなるだろうか。
ダンジョンは別に誰でも挑んでいいので、俺たち以外誰かいても不思議ではない。
まあ、このダンジョンレベルの高難易度ダンジョンに挑む者は、そう多くはない。
流石にもういないだろう。
俺たちは雑魚を蹴散らしていき、先に進む。
下に行けば行くほど、魔物数は増えていった。
さらに魔物を餌にしている、危険生物も生息していた。
難易度はどんどん上がって行っているようだが、俺たちには特に関係なかった。
正直言うと、それぞれが一人だけで攻略できるくらいの難易度だ。
この中だと今のところエミルが一番弱いと思うが、それでも一人で攻略可能だと思う。
15階まで到着した。
「この階に温泉があるはずだわ!!」
エミルがテンション高そうにそう言った。
どうやら心待ちにしていたようである。
「温泉ってなに~」
シーラが尋ねる。
「自然に湧いてる風呂だな」
「へ~お風呂なんだ。皆で一緒に入ろうね!」
シーラがそんなことを言い出した。
「そ、そうだな」
混浴することになるのか?
裸になるのか? いや、足だけつかるパターンか? それとも、水着着たりするのか?
シーラがいるし水着は作れるが……
「でも楽しみね~温泉に入るのいつ以来かしら。お風呂の効能も気になるわね
!」
「ふん、はしゃぎすぎだ」
リオンは鼻で笑いながらそう言った。
皆でとシーラは言ったが、多分リオンは一緒には入らないだろう。
水着を着ているところは、あんまり想像できない。
そういう態度のリオンに、「つまんないやつねぇ」とエミルは不満を漏らしていた。
それから15階を歩き続けて、温泉を捜索する。
「お、あれは……」
もくもくと湯気が出ている場所を発見した。
温泉か?
確認してみる。
お湯がたまっている場所を発見した。
間違いなく温泉である。
結構広い。泳ぐことも出来そうだ。
「あったかーい」
とシーラが足だけ温泉に入りながら、気持ちよさそうにしていた。
エミルとリオンも同じく足だけつかる。
足だけつかる感じか。
ちょっとがっかりしながら、俺も靴を脱いで足に湯を入れ、近くの岩に腰かけた。
「気持ちいわね~」
エミルが足をつけながらそう言った。確かに程よい温度で気持ちいい。
ゆっくり浸かる。
「悪くないお湯だけど、魔力が増えた感じはしないわね」
「そうだね~」
エミルとシーラがそう言った。
俺も魔力が増えた感覚などしなかった。俺の場合は増えていても、多分分からないだろうがな。というか、これ以上増えようがあるのか?
「全身浸かってみよ!」
シーラがそう言いながら、服を脱いで温泉に飛び込んだ。
「こ、こら何脱いでるのよ!」
エミルが慌ててシーラを叱る。
「水着着てるから大丈夫だよ~」
シーラはそう言った。確かにこの前海に行ったときに着ていた水着を、今回も着ている。
「そ、それならいいわね」
「お兄ちゃんたちも一緒に入ろう~。水着作るよ!」
そう言ってシーラは水着を三着作り出した。
俺の分の男性用水着1着と、エミル、リオン用の女性用水着2着だ。
「ありがとう」
俺は男用の水着を受け取った。
「……これを私にも着ろと?」
「うん!」
シーラは笑顔で頷いた。
リオンは嫌そうな表情を浮かべている。
あまり水着とか着そうにないタイプではある。
ただ、温泉には浸かってみたいのか、悩んでいるようだ。
「まあ、服を汚すのも何だし、着るか」
悩んだ末、着ると決断したようだ。水着を手に取る。
「……着替えるからどっか行ってて」
エミルが少しほほを赤く染めながらそう言ってきた。
「え? あ、そ、そうだな」
俺は慌ててほかの皆が見えない場所まで移動する。
そして、自分も水着に着替えた。
女性の方が着替えの時間は長そうなので、少しだけ待って、
「もういいか?」
と尋ねた。
「大丈夫よ!」
とエミルから返事が来る。
行ってみると、水着姿の三人が。
エミルは前も水着姿を見たが、相変わらず凄いスタイルである。
シーラは子供らしいスク水でかわいい姿だ。
そしてリオンだが……彼女の水着姿も別の意味ですごかった。胸はそこまでないが、体は引き締まっており、肌はしみ一つない美肌である。芸術品のような水着姿だった。
リオンを元々男だと思っていたのが、信じられないくらい美しかった。
「おい、じろじろみるな」
リオンが俺を睨みながらそう言ってきた。思わず見すぎていたようだ。慌てて目を逸らす。
「……ふん」
エミルもなんだか不機嫌そうな様子になった。リオンをじろじろ見すぎて、ひかれてしまっただろうか。
「さ、早速入ろうぜ」
俺は誤魔化すようにそう言って、温泉に入った。
肩までつかる。
気持ちがいい。極楽だ。
肉体的に疲れることはレベル9999になってからは、なくなったのだが、精神的はいろいろ疲れていた。
その疲れが癒されるようだ。
とても気持ちいが、やはりというか、魔力が上がった感覚はない。
これ以上上がってもらっても困るので、これでいいのだが。
「気持ちいいわね~」
エミルも温泉に入りそう言った。
リオンは温泉に浸かった後、何も言わないが、なんだか表情が緩んだような気がする。
気持ちいいんだな。
「!!」
目をつぶって温泉に浸かってエミルが、突如目を見開いた。
「どうした?」
「これ……魔力が上がった気がする!」
自分の手のひらを見つめながら、エミルはそう言った。
「今なら前より強い雷撃を放てそうだわ!」
嬉しそうにエミルはそう言った。
本当だろうか? まあ、エミルくらいの実力者は自分の魔力量をある程度把握している。上がったと思ったのなら、上がった可能性が高いな。
「それは良かったな。リオンは上がったのか?」
「いや? 別に上がってないぞ」
「そうなのか?」
「ああ」
リオンは頷く。
「ちょ、ちょっとうそでしょ! 上がってるでしょ!」
「全くだな」
「そ、そうなの? うーん、人によるのかしら?」
「まあ、上がったのが微量すぎて気づいてないだけかもしれんがな。貴様にとっては、大喜びするくらい上がったみたいだがな」
「な、なんですって!?」
リオンが煽るように言って、エミルは怒りながら叫ぶ。
確かにリオンの魔力量は、エミルと比べてもだいぶ多いだろう。上昇量が低ければ、気づきにくいのも事実だ。
そういえばシーラはどうなんだ?
先に入っていたが……
彼女の魔力量はエミルと大きな差はないだろう。もし上がったのなら、自覚がありそうだが。
シーラを探すがいない。
あれ? どこに……
「お兄~ちゃ~ん!!」
とシーラの声が響いたと思ったら、俺の背中に何か柔らかい感触が。
な、なんだ?
振り返ると、シーラが俺に抱き着いていた。
しかも、なぜか変身して、大人バージョンになっている。
背中の感触はシーラの胸か……
しかもこれ……
もしかして裸か!?
布に触れている感じが一切なく、肉体と接触している感触だけがあった。
シーラは裸で俺に抱き着いているみたいだ。
「ちょ、シーラ!? 何で大人に!? 何で裸なの!?」
様子を見ていたエミルが混乱している。
「えへへへ~あ~お姉ちゃんたちだ~」
やたらハイテンションで言う。なんかどう見ても様子がおかしいな。
シーラは俺から離れ、今度はエミルに抱き着く。
大人シーラの裸が目に入った。見てはいけないと思い、咄嗟に視線を逸らす。
「ちょっと、どうしたのシーラ!」
「えへへ~。あー、お姉ちゃんたちなんで水着着てるの?」
「は?」
「消しちゃお! えい!」
シーラがそう言った瞬間、エミルとリオンの水着が消滅した。
下は湯につかっているので、見えなかったが、胸ははっきりと見えてしまった。
エミルは相変わらず豊かな胸。
リオンは形の整った、美乳だった。
「ひゃあああ!?」
「!?」
二人は咄嗟に胸を隠す。
エミルはもちろん恥ずかしそうに顔を赤らめていたが、リオンも同じように顔を赤らめていた。
リオンはぎろりと俺を睨む。
「見たのか?」
「え? い、いや、見えなかったかも」
「……見たんだな」
恥ずかしそうにリオンはそういう。
「というかいつまでいるのよ! 早く出て行って!」
「わ、分かった!」
エミルが恥ずかしそうに言ったので、俺は立ち上がる。
すると、二人は俺の股間のあたりを凝視した。
なんだと思って下を見る。
水着が消えていたのは、エミルとリオンだけじゃなかった。
俺のも消えていた。
粗末なものが美少女二人の前に晒されていた。
俺はダッシュでその場から立ち去った。




