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(な、なにが起こったんだ?)
死を覚悟したアンドレは、呆然として呟いた。
突如、声が聞こえたと思ったら、自分を殺そうとしていたストーンタイガーが跡形もなく吹き飛んでいた。
凄まじい威力の魔法だった。
(でも、さっき魔弾≪マジック・バレット≫って……馬鹿な。初級魔法だぞ?)
魔弾は初歩的な魔法だ。あまり威力ない。
もちろん、魔力を多く持っているものが放つ魔弾は強力だ。
ただ、ストーンタイガー並みに強力な生物を一撃で倒すなど、聞いたことがなかった。
「!?」
その後、光の円が発生し、アンドレたちを囲った。
そして、体の怪我が回復する。
先ほど、吹き飛ばされた際に怪我を負ったが、完全回復していた。
「ヒーリング・サークル!?」
「な、なんという広さだ!?」
ヒーリング・サークルは回復魔法の中でも、最上級の高難易度魔法だ。
使うことがまずほとんどの人間には不可能である。
仮に使えても、精々半径1mくらいが限界だ。
それ以上広げると、魔力を大幅に消耗してしまう。
戦闘の際は、味方に近寄るよう呼び掛けて、近寄ったら使うという使い方が一般で来た。
今回使われたヒーリング・サークルは軽く10m以上は間違いなくある。
規格外の魔力を持った者でなければ、ここまで広げることはできない。
「あ、アンタたち!」
声をかけたが、姿をはっきりと確認できないまま、自分たちを助けた者たちは去っていった。
「ど、どういうこと? 助かったの?」
パーティーメンバーのリットが困惑しながらそう言った。
アンドレも全く同じことが言いたい気分だった。
「何者なんだあの人たちは……」
テレンスがそう呟く。
「冒険者だろうが……相当高位だろう……」
「でもストーンタイガーを魔弾一撃で倒す冒険者って、聞いたことあるかしら? 一位でもそんなこと出来る?」
「分からん……」
「それにさっきのヒーリング・サークルも……どんな化け物なのよ」
リットが呆れたように呟いた。
「とにかく今回は助かった。あの人たちは先に進んだみたいだし、俺たちはもう帰るか」
「そうね」
「俺は武器がなくなっちまったが、大丈夫だろうか……?」
武器を折られたテレンスが不安そうに呟く。
アンドレも同じく武器を折られたが、彼は変えの武器を所持しているので戦えた。テレンスは大剣を一本しか持ってきていなかった。
「恐らくさっきの人たちが魔物を殲滅していると思うわ。再び湧くまでは、まだ時間がかかるでしょうし、今なら帰れるはずよ」
「そうだな」
安心したテレンスはそう言った。
「じゃあ、帰るか……」
三人はダンジョンを出るため、歩き始めた。




