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孤独の魔女と独りの少女【書籍版!3月30日二巻発売!】  作者: 徒然ナルモ
二十二章 アド・アストラVSマレウス・マレフィカルム
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851.対決 『第二龍神』バティスタ


『第三星神』ホプキンスは驚愕していた。あまりの実力の差に。


「まさかこれ程とは」


静かに目を閉じ、歯を食いしばる。今、彼はとある相手と戦っている。ある程度魔術の勉強をしてそれなりの教養がある人間ならば誰しもが知っている魔術界の大人物。


「これ程とはどれ程でしょうか」


『魔術王』ヴォルフガング・グローツラング。大魔術師トラヴィス、ガオケレナ総帥の表の顔ケイト、両名を押さえて魔術界の頂点に君臨する存在。それはつまり最強の称号ではなく飽くまで学者として著名であるかの称号になるが……だとしてもだ。


練度が即ち実力に直結する魔術という分野おいては、事実上の最強と言ってもいい。そんな奴を前にホプキンスは傷つき倒れていたかと言えば……そうではない。


(なにも出来ん)


戦闘が始まりもう直ぐ一時間。その間ホプキンスは微動だにせずただ立ち尽くすことしか出来なかった。


これでもホプキンスは魔術師としては既に達人の域にある。取得難易度が世界最高峰と言われる星間魔術を習得する才能、それを極める努力、執念の末第三段階に到達したまさしく稀代の魔術師と言える実力者、それは自他ともに認めるものである。


しかし、今……ホプキンスは何も出来ない。勘違いしてはいけないのは何もしていないわけではない。事実として幾度となくこの場に流星群を落とし、自滅覚悟で大規模破壊を行おうとしているのに。


魔術が全て、成立しないのだ。


「……おや?魔術の発動は諦めたのですか?」


「一体、どれ程の腕前を持っている。ヴォルフガング・グローツラング、遠隔で私の魔術に干渉しているな!!」


どう言う理屈かは知らないがヴォルフガングは私が魔術を発動させようとした瞬間、それをバラバラに砕いてしまうのだ。言うなればこちらが必死に組み上げた数式の末尾に『×0』と無理矢理つけられ、全てが無駄になるよう誘導されている気分だ。


なにが起こっているのかまるで分からない。


「ほほほ、まぁなんです。魔術とはとても繊細なものでして、全く同じタイミングで同じ魔術が発動した場合、より精度の高いものが優先される傾向があるのですよ」


「同じタイミングで、同じ魔術を……!?」


「ええ、だから私が使っている星間魔術の方が優先されて、結果的に貴方の魔術が無意味になっている。それほど難しい技ではありません、魔女レグルスの使う魔術無効防壁程無法でもありません」


なに言ってるんだこいつは、そんな事が可能なわけがない。そもそも私は今日に至るまで星間魔術を極めて来たのだぞ。それを詠唱もなしにただボーッと立っているだけで完璧に相殺していると?


(桁外れ過ぎる)


目を伏せる、果てしなさ過ぎる。これがルードヴィヒ、マグダレーナと時代が移っても常に筆頭将軍と同格と見做され続けた怪物の力か。


「あまり、戦いは得意な方ではないのです。出来ればこのまま、静観という形を取っていただきたいが……」


「そうはいかん……私は、陛下の為に命を賭けると決めたのだッ!!魔術がダメならば!覚醒を使うのみ!!」


全身に魔力を込め、粉砕するが如く勢いで噴射。それを一点に束ね……。


「極・魔力覚醒!!『光陰流星こういんりゅうせい大天宙だいてんちゅう』!!」


放つのはこの身を天体に見立て、宇宙の回転を模倣する覚醒、それは全ての物体に隕石の性質を与える事ができる無類極まる大覚醒!こればかりは妨害されない!!


「ふむ、確かに私は魔女様のような覚醒妨害は行えません。というよりこれは術理ではなくただの力技ですので」


「ならばこそ、というものだッ!」


瞬間、踏み込む。一気に隕石のように加速し枯れ枝のような体を打ち抜くように拳を振り抜く。老齢と共に魂を衰弱し、覚醒は本来のスペックを失う。これはイノケンティウス様と同様、いやイノケンティウス様より更に老齢のヴォルフガングは尚のことだ。


ならばこそ!これで────。


「ですが、覚醒者の内心は分かります。覚醒者は最初の一撃で強引になり過ぎる……」


「なッ!?」


「だから初歩的な幻惑魔術にも引っかかる」


ヴォルフガングの体がすり抜ける、いや違う幻惑だ!本物は背後にいた!?いつの間に!魔力を感じさせる幻惑など聞いたことも……いやそれよりももっと!やばい!背後を取られたことを警戒するべきか!!


「力押しで来られたら弱いので、私も力押しが出来るようにしましょうか」


すると、私の背後をとったヴォルフガングはそのまま自らの杖を上空に投げ捨て……。


「『クロノス・オーバーホール』」


するとヴォルフガングの肉体が光に包まれる。魔力覚醒にも似た、しかし全くの別物。揺れる髭が消え去り、枯れていた腕が膨らむように筋肉を得て、……若返っていく。


「バカな……!バカな、若返りだと!?」


「正確には、肉体の時間遡行ですよ」


そうして光が収まった先にいたのは、絶世の美青年。長く白い髪はそのままで、彼はそれを煩わしそうに掻き揚げ上げ、露わになるのは蒼金の双眸。年齢にして二十八、成人男性の肉体的ピーク、即ち魂のピーク時点にまで若返っている。


若返り、限定的とは言え肉体の時間遡行?そんな真似が可能とはとても思えない。だってそもそも時間遡行は理論上不可能と言われている魔術のうちの一つじゃないか。それをどうやって会得したというのだ。


「あり得ない、あり得ない。流石にそれは」


「『あり得ない』。それは魔術開発に於ける最大の障害だ、強くなりたいなら想像力に枷をするべきじゃあないね」


「あるわけがないのだ!若返る魔術など!そんな魔術があるなら!イノケンティウス様は……!」


「そう不思議がる事もないだろう。君達のボスであるガオケレナが不死の肉体を求めてたように、トラヴィス君が不死の体の研究をしていたように、なにより魔女シリウスが不滅不老の法を作り上げたように。魔術師と言う生き物は色々極まると不死を求めるものなのさ。これもその一環だね、まぁ私でさえ不完全なものになったが」


今、この時。ヴォルフガングが抱えていた年齢と言うディスアドバンテージが消え去った。こんな出鱈目が許されていいのか、イノケンティウス様はこれがあったらあんなに苦しむことはなかったのではないか。


「ああそれと。確かに昔は他人に使えたが今はそうじゃない、マグダレーナ君達に使って分かったがこれは非常に肉体に負荷をかけるものらしくてね。術が解除された後必要以上に肉体が加齢すると分かった」


「ッ……やはり、デメリットが──」


「まぁ欠陥があると分かったから、それも改善したがね。私専用の魔術になったが、元より誰かに使わせるものでないし、いいだろう」


……つまり、これはもうデメリットなしの若返りと?そんなの、ないだろ。


「さて、それじゃあ終わらせよう。これを実戦で使うのは初めてで、多少不手際無作法があるかもしれないが、もしそうだったら笑って欲しい」


そしてヴォルフガングは軽く指を前に、ただ前に出し。


「極・魔力覚醒『我他彼此悉皆がたひししっかい依正不二えしょうふじ』」


指先が虚空に触れ、まるで絵の具が水に広がるように一瞬で世界が書き変わる。一瞬にして世界が黒く染まり、ヴォルフガングを中心に黄金の光が溢れ出し全てが染め上げられる。


いや、世界が書き変わったぞ。これ臨界魔力覚醒じゃないのか、そもそも今なにが起きているんだ、なにをされているんだ。


(と言うか、動けん)


身動きが出来ないことに気がつく、まるで鉄のような枷を全身に嵌められガッチリ捕縛されている……と言うよりは、まるで身体を動かすための骨や筋肉というものが消え失せ、肉体に動くと言う機能が消え去ったような、そんな心地を感じる。


動けないと言うより、動く事がそもそも不可能な感覚がする。


「君のように格好いい覚醒ではないが、上手くやれているだろう?」


そんな空間の中ただ一人ヴォルフガングだけが歩く。


───── 極・魔力覚醒『我他彼此悉皆がたひししっかい依正不二えしょうふじ』。それはヴォルフガング・グローツラングが目覚め、生涯一度として戦闘に用いなかった覚醒である。

部類は世界編纂型。そしてその効果は半径100m内に存在する全ての存在。自他、物質非物質、生物概念問わず文字通り全ての境界を曖昧にする覚醒。


これを発動すると同時に全ての存在は一つになり、また存在しなくなる。肉も、骨も、石も、空気も、魔力も、魂も、なにもない状態になり、何もかもがある状態と化す。


一切合一の極致たるこの覚醒は、即ち攻撃能力に直結するわけではない。だがただ一点、存在する力がある。それは────。


「では、失礼する」


覚醒が終了する。歩み出したヴォルフガングがホプキンスの隣を歩み去った瞬間、姿形を取り戻したホプキンスは白眼を向いて倒れ伏すことになる。


ヴォルフガングの極・魔力覚醒中の一切合一の世界、全ての境界が曖昧になった世界で唯一存在出来るのはヴォルフガングの意識のみ。彼の意識を中心に全ての存在が組み合わされる、それはつまり彼の意識一つで範囲内にある全ての事象を好きな形に変更する事ができると言うもの。


かつてこの極・魔力覚醒の効果についてより簡単に説明してほしいと部下に言われたヴォルフガングはこう答えた。


『つまりこれは、識確魔術の極致である世界改変。その爪先程度の力を再現したもので、言ってみれば簡易的な現実改変だよ』と。


倒れ伏したホプキンスの魂、肉体、その全てに至るまで細工を仕込まれ一瞬で彼は戦闘不能に追いやられたのだ。


ただ一つ、この極・魔力覚醒の弱点を述べるなら。


「やはり、安定性に欠く。若返りも解けてしまった、改善が必要か……いや、必要ないか」


ヴォルフガングという人間が、覚醒を用いての戦闘に一切の興味がないと言う点に尽きる。これ程の覚醒を持ちながら、それ程の実力を持ちながら、皇帝陛下に『もう好きにしてていいよ』と半ば呆れられた魔術探究の変人だからこそ目覚めた無欲なる覚醒こそが、それである。


「さて……そろそろ落ち着いて俯瞰出来る。この戦いの趨勢、望ましい結果に向かわせる為に必要な修正は如何程か」


やることはやったし、最早戦いに興味ないとばかりに彼はその場に錬金術で椅子を作り、戦線を魔術眼にて俯瞰する。自分がここですべき行いは一つだけだと言わんばかりに。


そんな中。


「おや、あちらは頑張っているようですね」


そう言ってヴォルフガングが顔を傾け確認したのは……次期魔術王と呼び声高い、アリナだ。


「このーーー!!!」


「きぇえーーー!!」


杖を振るい魔術を降り注がせるアリナと『第五魔神』バフォメット、その戦いを観戦して。


(まぁ、アドバイスは後でいいか)


とりあえず面倒くさいと彼は静かに息を吐き、再び座り直すのであった。


………………………………………………


「アマルトさん!いきますよ!!」


「おっけーい!任せろい!!」


雄叫びを上げる黒龍ことアマルトさんに乗り、僕は戦士の皆さんから貸してもらった重たい鉄剣を高らかに掲げポーズを取る。


人のいないビスマルシアの中心で相対するのは巨大な赤龍。龍神バディスタが変身した姿であり、今僕が打倒すべき敵である。


「ッオレが負けるかぁあああ!!!」


四つ足の赤龍は上半身を起こし凄まじい声量で怒号を上げる、ただの声なのに大地が揺れる。そりゃあそうだ、今のバティスタはフリードリス大要塞よりも大きいんだ。

僕なんか豆粒よりも小さく感じる程のビックサイズ。あれがバディスタの極・魔力覚醒。


極・魔力覚醒『超極龍大転生アルティメット・ドラグーン』……エリスさん曰く、この覚醒の本質は龍になる事ではなくバティスタのイメージを具現化する覚醒だと言う。

バティスタは恐らく、龍こそが最強だと考えているから龍の姿をとっているだけ。犬が最強だと考えてたら多分犬になる。


重要なのは姿ではなく、バティスタのイメージそのもの。彼の中で極・魔力覚醒が完結している以上彼のイメージを覆す事がこの戦いの勝利条件になる。


(全く、出鱈目な覚醒だ。これを力押しで覆したエリスさんとネレイドさんのパワーは本当に凄いな)


だが、今ここにエリスさんもネレイドさんもいない。頼りになる将軍もいない。僕達がなんとかしないといけないんだ!


「アマルトさん、お願いします」


「おうよ!!」


同じく龍に変身しているアマルトさんの頭に乗って僕はバティスタへと突っ込んでいく。さて、ここからどうするか。


はっきり言って、今バティスタにダメージを与える方法は存在しない。僕の攻撃は勿論、アマルトさんの一撃も奴には大したダメージを負っていなかった。

ここで一つ重要になるのは、アマルトさんの攻撃が先程一切効かなかったこと。先程の一撃はアマルトさんの全力じゃない、だが今の一撃を完全に防いだバティスタはこう思ったろう。


『こいつの攻撃はオレには効かない』


と、こうなるともうアマルトさんがどれだけ強力な攻撃をしても、アマルトさんの攻撃は効かないと思っている為ダメージが入らないと思う。それがイメージ、こいつは下、オレは上、そう強く思い込む事でダメージを完全シャットアウトする事ができる。


これを超えるにはエリスさん達みたいにこの覚醒の許容量を超える超火力を叩き込んでイメージを覆すか、まだイメージの定まらない人間がダメージを与える必要がある。


自分で理屈を組み立てていて思ったが、なんて覚醒だ。こいつの立ち回り次第ではもっと手のつけられない存在になっていた可能性がある。


これが八大同盟最強最大の組織ゴルゴネイオンでトップを張る幹部の力か!


(けど、そのイメージさえ逆手に取れればやりようはある!!)


瞬間、組み合うアマルトさんとバティスタ、赤と黒の龍が互いに睨み合うように体をぶつけ合い、その衝撃により地震が発生する。

イメージだ、僕に抱かれているイメージを上手く利用するんだ。アイツは僕のことをよく知らない、一番最初に植え付けた龍殺しの勇者としてのイメージを保ち続ける事が唯一の勝算。


故に……。


「喰らえ!巨龍よ!」


懐から無数のカードをばら撒く、今日のために昨日から用意していた魔術陣入りのカード、これを惜しげもなく使う。それは……。


「『閃光陣』!!」


「ぐぎゃああッ!?」


光を放つ魔術陣。凄まじい光がバティスタはの目を焼き、咄嗟に顔を背けたその瞬間を狙い……。


「神代七陣」


空中に筆を使い大きく描くのは僕にとって最大級の大魔術陣。魔術箋を用いない独力で生み出す最高火力……これでッ!!


「天魔陣『淤母陀琉おもだる阿夜訶志古泥あやかしこね』ッッ!!」


放たれる光の刃…幾千幾億の刃を重ね合わせなによりも強固な魔術刃を作り上げる古式魔術陣の奥義。この一撃をバティスタの胸に放ち……放ち、放ち。


「ッいてぇ!」


(なっ!?弾かれた!?嘘だろ!)


奴の胸板に刃が突き刺さった瞬間、魔力刃は粉々に砕け、突き刺さることもなく魔術が消える。多少バティスタにダメージは入っていたようだが想定していた何百倍も軽度、傷一つついていない。


(視界外の攻撃ならイメージもへったくれもないと思ったけど、そもそも自分が最強のドラゴンだと思っているから攻撃が通用しないのか)


視界外の攻撃なら他者に対するイメージは関係ないと思ったが、自認が最強のドラゴンな時点でそもそも攻撃が効かない。まさかそこまで強固とは思いもしなかった、まずいかも。


「ッてて、あぁ?今の攻撃は……」


即座に視力が戻ったバティスタがこちらを見た瞬間。


「悪いナリア!やっぱ俺の攻撃じゃ効かないみたいだ!!」


「テメェか!!」


アマルトさんが叫ぶ、今の攻撃は自分のものだったことにして僕のイメージが毀損されることを避けたのだ。ナイスですアマルトさん!ありがとうございます!


「ふざけんじゃねぇぞッ!ゴルァ!!」


「チッ!ナリア、早めに逆転頼むぜ」


瞬間、バティスタが爪を振るいアマルトさんに襲いかかる。体を動かし、空を飛び、爪撃を避けるアマルトさんだが……これで完全にアマルトさんからの攻撃は効かなくなった。


残った手は一つ、『龍殺しの勇者ナリアの攻撃はバディスタに効く』と思い込ませるしかない。だがそもそも僕の攻撃はバディスタに効かない事が今証明されてしまった。効かないものをどうやって効くと思い込ませればいいんだ!


「……………」


僕はアマルトさんの頭の上で必死に考える。攻撃では証明出来ない、やれるのは……演技力だけ。


道筋を立てろ、アドリブでも即興劇でもいい、とにかく着地点を思い浮かべどうやって終わらせるかだけでも考えろ。


「ちょこまか逃げるんじゃあッ!ねぇよッ!!」


しかし、次の瞬間バディスタが大きく口を開き凄まじい勢いで炎の熱線を放ち、空を飛ぶアマルトさんの翼を穿つ。そして僕の乗っていたアマルトさんの体そのものが大きく揺れて。


「ぅぐっ!?ナリア!!」


「ッ……」


振り落とされる、アマルトさんから。そのまま下にいるバティスタが口を開けて待ち構え。


「噛み殺してやるッッ!!」


大穴のような口が落ちる僕を待つ、このままいけば死ぬ。噛み砕かれるか、あるいは丸呑み、生きる道はなくなる……。


(落ち着け、落ち着くんだ。僕の演技は武器じゃない、人を笑わせ、楽しませ、感情を揺さぶる絵筆なんだ。この手に、心に、筆があるならば……どんな芸術だって作り出せる)


これは土壇場ではなく独壇場、僕が立つ舞台は……そこにある!!


「死ねッ!!」


「フッ!!」


瞬間、僕を噛み切ろうと振るわれた顎を剣を盾に全身を回転させ弾き捌くと同時に防壁を足場に跳躍、そのままバティスタの鼻先に着地し全力で疾走し剣を突き出し。


「あまり僕をナメるなよ」


「なッ!?」


眼球を前に刃を突き立て、呟く。全身から殺意を滲ませ鋭い視線でその目を睨み。


「キミは、僕をなんだと思っているんだい?名乗ったろ、僕は龍殺しの勇者ナリアだと」


「ッざ!ざっけんなよ!どうせその辺のトカゲみたいなドラゴン殺してそうなってんだろ!爪楊枝みたいな剣を突きつけられたって怖くもなんともねぇよ!」


「へぇ、そうかい。キミは分かってないんだね……僕が剣を握っていることの意味が」


「は?なに言ってんだ……」


「僕もまた、魔女の弟子だよ。エリスやネレイドと同じ魔女、それも……閃光の魔女プロキオンの弟子サトゥルナリアだ」


「閃光の魔女だと!?」


どうやら、コーチの名前は知っていたようだ。そうさ、僕の師匠は史上最強の大剣豪プロキオンだ、それがこうして剣を握っているってのは……つまりそう言うことさ。まぁ僕はコーチから剣を習ってないけどね。


「ッだがサトゥルナリアって言えば役者だろ!剣士なんて話は聞いてねぇけど?」


やべ、そうなるか、そうなるよな。コーチと同じくらい一応僕も有名だし……だけど。


「その噂、信じているのかい?だけどただの噂が八大同盟の幹部を撃破出来ると思うかい?ルビカンテを撃破出来ると思うかい?」


「た、確かに」


「それに……僕の剣の腕をキミが知るはずがないさ。だって、僕に剣を抜かせた相手は一人残らずあの世に行っているからね。疑うなら聞いてみるといい、あの世には……たくさん証人がいるよ」


事実を織り交ぜたアドリブ、ちょっと冷静に考えればバレるような話を本当のことのように思わせる。ただ迫真の演技でそう思わせる、そう言うのは得意なんだ。


「う……」


バティスタの目が揺れる、事実彼は動揺している。だって僕なんか簡単に振り落とせばいいのにそれをしない。もう一押し!!


「キミが龍の姿をとってくれて助かったよ。僕は龍の相手が得意なんだ……大冒険祭ではそりゃあもうたくさんの龍を倒したものさ」


ギリッと剣を握り、刃を舌で舐める、どうだ。ちょっとクセの強い演技だったかな?いや、とりあえずここはこれくらいでいいかな。


「悪いナリア!!」


「げへっ!?」


瞬間、僕に集中していたバティスタの不意を突くようにアマルトさんの拳が頬を叩き抜き、落ちる僕をキャッチしてくれる。そのまま僕はアマルトさんの頭の上に乗り……剣を肩に背負う。


「バティスタ!今からキミの体を解体する!徹底的にだ。一切の躊躇もせず殺し抜く!謝罪は聞き入れず、後悔も意味はなさず、僕はキミを完全に抹殺する!」


「言ってろよ、クソが……!」


強い言葉で威嚇する、さて。道筋は出来た、彼の覚醒の法則もなんとなく分かってきたし、そろそろキメにかかるか。


……………………………………………


(クソが、なんなんだアイツ)


バティスタは今、サトゥルナリアという男を脅威に感じていた。幾多の修羅場を潜り抜け、幾多の強敵に勝ってきたバティスタだからこそ、サトゥルナリアという存在の纏う言い知れない気配を必要以上に大きく感じていた。


頭が良くないことは自分自身で理解している、だがそれを補ってあまりある経験と直感を武器に戦ってきた彼は時に五本指以上の実力を発揮することもあったが……今回はそれが裏目に出た。


(アイツ、マジでヤベェぜ。恐らく魔女の弟子の中でも魔獣撃破に特化したタイプ……龍殺しも強ち嘘じゃねぇかもしれない)


バティスタが有しているサトゥルナリアの情報は多くはない。閃光の魔女の弟子であり、役者であるということ。基本はこの二点、更にそこに加え最近大冒険祭で優勝した経験があるということも加えれば三点か。だが……イノケンティウスは『エリスやラグナに比べれば瑣末な存在』と口にしていた。


しかしそれは翻って言えばサトゥルナリアが弱いということにはならないのを、バティスタは理解していた。

というより、エリスとラグナが強すぎるのだ。自分の覚醒を真っ向から打ち崩し、あの天下無敵のクレプシドラを叩きのめしたエリス、あれに比べれば大体の人間は瑣末。それに並べられるラグナもえげつない采配を振るってきたし、ここらの比べれば確かに弱いだろう。


だが、サトゥルナリアの纏う風格。あれは絶対的な自信に満ちたものだった。


(あんだけ自信満々に言えるってことは、多分マジだろう。参ったな、俺の天敵じゃねぇか)


バティスタは自分の経験を過信しすぎた。今まで会ってきた奴から逆算してナリアを見てしまった。絶対的な自信は絶対的な実績に裏打ちされるものであると感じてしまった。


龍は無敵だ、絶対的だ。だからこそイメージを司るこの覚醒で龍の姿を取っている。だが同時にその絶対的な龍を打ち倒すのは……いつだって人間だ。


大冒険王ガンダーマンが史上最強の龍であるキングフレイムドラゴンを倒したように。大冒険祭で優勝したサトゥルナリアはガンダーマンを受け継ぐ存在とも言えるのかもしれない。


そんな憶測が確信に変わってしまった。それを、ナリアは読んで……一歩踏み出してきた。


「いくぞ!龍よ!!」


(仕掛けてきた!!)


半身引く、バティスタのその行動はサトゥルナリアに答え合わせをさせているも同然だった。黒龍となったアマルトと共に突っ込んできた彼はそのままバティスタに向けて飛びかかってくる。


「ぐっ、来るんじゃねぇ!!」


紅蓮の炎を纏うバティスタの尻尾が槍のように突き出されるが、それをアマルトは身を挺して受けナリアを守ると共に、ナリアは尻尾に飛び乗り、そのまま駆け上がってくる。


「うっ!やべぇ!」


「バティスタ!こんな話は知っているかい?龍の逆鱗!」


「ッ!?」


サトゥルナリアは大きな声で語りかけながら体を足場にドンドン顔に向けて飛び上がってくる。


「龍の顎の下、即ち喉仏の付近に存在する……逆さに生えた鱗、即ち逆鱗。それは龍にとって最も触られたくない部位であり、どれだけ温厚な龍でも触れるだけで荒れ狂うとされている!」


「ッ……それは!」


龍大好きなバティスタは勿論知っていた、逆鱗。如何なる龍型魔獣にも必ず存在する部位であり、触れれば龍を怒らせる箇所として有名。そして同時にそこは。


「何故怒るか、それはそこが龍にとって最大の急所だからさ!!」


そう、弱点である。そう意識した瞬間バティスタの顎下に一枚逆さに生えた鱗が表出する。バティスタからすれば初めてそこに逆鱗があることに気がついたと言う風だが、実際にはイメージにより出現してしまったのだ。


「逆鱗を裂かれた龍がどうなるかキミは見た事があるかい?体の穴と言う穴から血が噴き出し、山のような巨躯を持つ龍でさえ一瞬で動けなくなってしまうと言われている。近年の研究ではそこが龍の魔力溜まりになっているとされており、破壊されると全身の魔力が麻痺するらしい」


これは、完全なるデマである。逆鱗は弱点だがそれは柔らかいと言うだけでそこまで致命的な弱点ではない。だがまるで経験則のように語るナリアにバティスタは咄嗟に『そうなのか』と思い込んでしまう。


その一瞬の呆気を取られ、接近を許す……逆鱗への。


「キミもまた龍なら、そうなるに違いない」


「あッ!やめッ!!」


「おおっと!やめろよなぁ!」


首元の逆鱗に組みついたサトゥルナリアを両手で潰そうとするバティスタ……を邪魔するように両腕で組み付きバティスタを止めるアマルト、その構図が完成した瞬間サトゥルナリアは。


「さぁ受けろ!龍殺しの一撃!『ドラゴンスレイヤー・ソード』!!」


一撃、ただの鉄剣が逆鱗に突き刺さる。バティスタの逆鱗は柔らかいと言うイメージを反映し簡単に刃が通り、更にナリアから与えられた情報が毒のように回り、至上の弱点となった逆鱗が破壊されたことによりバティスタの体内で魔力が一気に爆発する。


「グッ!げはぁっっ!?」


爆発した魔力に血を吐き、全身が痺れ、膝を突く。眩暈がするほどのダメージを負い、咄嗟に動くこともできず苦痛に喘ぐ。


「どうだバティスタ!!逆鱗を破壊された気分は!!」


「し、信じられねぇ、なんでオレがこんなチビに!」


バティスタから飛び降りたサトゥルナリアは大きく剣を引き、さらにもう一撃を放つ準備を始める。全身の魔力が荒れ狂い、電撃が迸る程に力を高めていく。


「更にトドメだ、僕の魔力は龍に対して最強の力を得る!!」


「なッ!や、やめろッ!!」


来る、龍を熟知し殺し尽くした龍殺しの戦士の一撃が来る。咄嗟に防御しようとするが……襲い。


「『ティフォーネ・ディ・プリマヴェーラ』!!!」


「ガハァッっ!?」


一撃、振るわれた剣から放たれた壮絶な魔力衝撃がバティスタの腹を打ち、剣に触れずとも吹き飛ぶ程の衝撃により宙を舞う。

これは正確にはナリアの攻撃ではない。背後でアマルトが練り上げた魔力を呪術に変え、極・魔力覚醒の力により無条件に通すことにより全身を破壊する衝撃を放っただけでナリアは何もしていない、ただ剣を振っただけだ。


本来なら、アマルトは格下というイメージから極・魔力覚醒による呪術攻撃はバティスタには通らない。だが、今回は違う。なんせ今の一撃はバティスタから見ればナリアが放ったようにしか見えないからだ。


今のは間違いなくナリアの一撃、第三段階クラスの一撃を軽々と放つ男。そうバティスタはの中に刻み込まれ、肉体以上の傷を負うことになる。


「ぐっ、ぐげぇ……」


「どうだ、バティスタ。龍である以上僕には勝てない」


そして、アマルトにキャッチされ掌に立ったナリアはそう叫ぶ。それは紛れもない事実として倒れ伏すバティスタに降りかかる。


(マジで勝てないかもしれない、これは)


血を吹き、大地に倒れるバティスタはそう思い込む……ナリアはドラゴン退治の専門家ではないかもしれない。だが、相手の感情、客観的な見え方、魅せ方に関しては全てを熟知した専門家である。


即ちそれは、ドラゴンの天敵なのではなく、バティスタという男そのものの天敵なのだ。


「………に、兄ちゃん」


龍である以上勝てない、そう思った瞬間バティスタはここにはいない兄の名を……ジョバンニの名を呟く。それはもう二度としないと誓った、兄への助けの言葉であった。

それを口にした瞬間、バティスタの脳裏に過ぎるのは……かつて、弱かった頃の自分の姿。


そして……もう一つ──────。


─────────────────


『龍は恐ろしい存在だ、あれほど恐ろしい存在を私は見たことがない』


それが、バティスタとジョバンニが幼い頃からずっと聞かされてきた言葉だった。


二人がまだ子供の頃、それはつまり四十年前。四十年前のマレウスと言えばキングフレイムドラゴンによる獣害の傷跡がようやく塞がり、癒てきた頃となる。


当時の国王の尽力によりあれだけ酷かった被害も消え去り、ようやく安定した日々が戻ってきたマレウス。しかし、消えたのは物理的な被害だけ、当時を知る大人達の心には……あの蜃気楼の先に立ち巨龍の姿が鮮明に残っていた。


「街で噂になってる、キングフレイムドラゴンはまだ死んでないって。また蘇るって、すぐに蘇るって!」


「あなた!しっかりして!」


「もうダメだ、もうダメだぁあ!」


ガンダーマンによりキングフレイムドラゴンは打ち滅ぼされた。しかしその被害により仕事を失った大人は今も龍の幻影に苦しんでいた。


バティスタとジョバンニの父もそうだった。かつては兵士をしていたが、キングフレイムドラゴンのあまりの恐ろしさに敵前逃亡。結果部隊は父以外全滅、父は兵を辞めそのまま無職。十年かけて貯蓄を食い潰し、まだ幼かった二人の兄弟は生まれながらにして困窮していた。


「兄ちゃん、腹減ったよ……」


「我慢しろ、バティスタ」


ボロ布を服の代わりに着て、二人の兄弟は街に出ていた。家に居ても酒を飲んで騒ぐ父を見るだけで、純粋に気分が悪かったからだ。


兄ジョバンニはいつだって冷静にバティスタの手を引いて街に連れて行ってくれたが、バティスタはそう簡単に割り切れていなかった。


(お父さんがあんなに怖がる龍って、どれだけ恐ろしい存在なんだろう……)


小さな子供にとって、父とは強さの象徴である。しかしそんな父が泣いて恐れるキングフレイムドラゴンとは如何なる存在なのか。近所の爺ちゃん婆ちゃんに聞いてもみんな言う。

キングフレイムドラゴンは強い、強すぎると。そうして幼いながらに龍に対して強い恐れと強いイメージを持ったバティスタは……憧れた。


「ねぇ兄ちゃん、オレがさ、めちゃくちゃ大きな龍になったら、腹一杯飯が食えるかな」


「体が大きかったらその分たくさん食べなきゃだから、結局お腹が空くと思う」


兄は賢かった。


「オレ、将来はでっかい龍になりたいなぁ」


「そっか、応援するよ」


そして優しかった。街中でそんな話をしている時が一番楽しかったのは今でも覚えている、そんな中……いつもの奴らがきたんだ。


「お、貧乏兄弟じゃん!」


「あ、ほんとだー!」


「ッ……」


近所の悪ガキが現れたのだ。それも五人も取り巻きを連れて、こいつらはキングフレイムドラゴンが現れた途端、親族のコネを使って魔女大国に逃げていた連中だ。で、騒ぎが収まるなり戻ってきた薄情者の家と近所で噂されている。


だがそれでも、他国を行ったり来たり出来るだけの財力は今のマレウスにとって貴重なものであり、誰も彼らの横暴に強く言えなかった。それが彼らを増長させていたのだ。


「汚ねぇボロ雑巾兄弟が偉そうに道の真ん中歩くんじゃねぇよ、道が汚れんだろうがよ!」


「ギャッ!?」


「バティスタ!ッお前!!」


悪ガキはバティスタを蹴り飛ばし、ジョバンニもバティスタを守る為に立ち向かう。しかし負ける、それがいつもの流れだった。

恰幅がいい悪ガキ達と、いつも腹を空かせている二人の兄弟。人数でも体格でも負ける二人が勝てる道理はなかった。


「オラァッ!」


「ぐふっ……!」


あっという間にジョバンニは組み伏せられ、数人からタコ殴りにされる。体を丸め、蹴られる兄を見てバティスタは思った、咄嗟に……守らなくてはと。


「や、やめろーー!!」


立ち上がり、地面を掻いて立ち向かう。


「オレは、オレはドラゴンだぞー!!」


「はぁ?何言ってんだお前は……よッと!」


「ギャッ!?」


しかし、呆気なく返り討ち。アッパーを喰らい、バティスタはひっくり返り……悪ガキのリーダーが倒れたバティスタの髪を掴み。


「この野郎〜、なにがドラゴンだ、トカゲの間違いだろうが!」


「や、やめてぇ……!」


「バティスタ……!」


髪を掴まれ持ち上げられるバティスタはジタバタ暴れる、兄はこちらを見て心配そうにしているが、既に兄もまた満身創痍。複数人から蹴られ、口から血を流している始末。傷の度合いで見ればジョバンニの方が、兄の方がずっと痛いに決まっている……だが。


「に、兄ちゃん……!」


求めてしまった、助けを。


気がついたら口にしていたその言葉、それを自分の耳で聞いた時信じられなくて目を見開いてしまった。兄の方がずっと傷ついているのに、兄の方がずっと苦しいのに、自分を守ろうとする兄を頼ってしまった。

その事実に、自分で自分にショックを受けるバティスタは咄嗟に兄の方を見て……。


「ち、違ッ……兄ちゃん違う!」


「ッ待てっろ、バティスタぁ……!!」


そして、それを聞いた兄は絶対に助けに来てしまう。腹を抑え立ち上がる兄を見てバティスタは首を大きく振る、違うのだと。しかし……。


「こいつ!まだ立つか!」


「生意気だ!やっちまえ!!」


「ガハッ!?」


立てば当然、殴られる。それもより一層苛烈に。兄は近くの棒で後ろから殴られ、倒れ伏す。血を流し、倒れてしまう。

あれは自分のせいだ。自分が助けを求めたから兄はああなった、自分のせいなんだ。


「あ……ああ、あああ!」


「なんだぁ?兄貴がいじめられてショックでも受けてんのか?」


頭を抱え、涙を流す。賢くて優しい兄が自分のせいでいじめられている。自分が兄を傷つけてしまった。


後悔、出来るならもう二度としない、したくない。そう後悔しても意味がない、兄は既に動けない、自分のせいで傷ついて動けない。


何もかも、自分のせいで………。


「もういいや、お前も寝てろ!!」


そして、髪を掴む悪ガキの拳が迫った。自分には相応しい罰だ、そうバティスタが受け入れた……その時だった。



「ちょ、ちょっと。流石に子供の遊びにしては苛烈すぎない?」


「あ?」


悪ガキの腕を掴んで受け止めたのは……まるで浮浪者のような出立ちのおじさんだった。黒い髭を蓄え、フードの隙間から赤い瞳を覗かせるその人物はバティスタを守るように悪ガキを引き剥がし。


「なんだよおっさん!口出しすんなよ!!」


「お、おっさんって。僕もそんな歳かぁ……いやいや。今はそう言うのはどうでもよくて、君達?彼らが怪我しているじゃないか、今すぐこんなことはやめなさい」


「はぁ?お前に指図される覚えなんかない!!」


「最近の子は怖いなぁ」


ポリポリとおじさんは頬を掻き、そして。


「なら……体験してみるかい。自分よりも遥かに強い存在から一方的に痛めつけられる感覚を。それがどれだけ怖いかを。そうすればもう少し優しくなれるだろう」


「ヒッ!?」


全身から立ち上るのは、絶大な魔力。街を覆い尽くすほどの大魔力が嵐のように吹き荒れ悪ガキ達が腰を抜かす。


「す、凄い……」


おじさんの体から立ち上るその威圧を見たバティスタは、直感にでこう思った。恐らく、父や爺ちゃん婆ちゃんが見たキングフレイムドラゴンとは……こんな感じ達だったのだろうと。


「さぁ立ち去れ、それとも。やるかい?僕と」


「ひぃいい!お、お父さぁああん!!」


「ま、待ってよ〜!!」


「ふぅ、大人げなかったかな?」


そうして悪ガキを立ち去らせたおじさんは、倒れるバティスタとジョバンニを立たせて、こう言った。


「大丈夫かい?傷を見せてみなさい。治癒魔術には覚えがある」


「あ、あの。おじさん」


「ん?なんだい?」


「おじさん、何者?」


兄の傷を癒し、涼しい顔で助けてくれたおじさんは、バティスタを前にこう名乗った。


「僕は、イノケンティウス。マレウスに帰ってきたばかりの冒険家さ」


────それが、ジョバンニとバティスタがイノケンティウスと出会った瞬間であり。


戦いの道を歩む、憧れの始まりであった。


「おじさん、オレおじさんみたいに!ドラゴンみたいに強くなりたい!」


「はぇ!?おじさんみたいに……って、ドラゴン?」


「そう!ドラゴン!!」


「…………まぁ、うん。ドラゴンみたいかは分からないけど、強くなりたいんなら──」


そして、同時に彼はこうも語った。


──────────────


(強くなりたいなら、バカになれ……イノケンティウス様、オレぁ今……バカになりきれていなかったみたいだ)


倒れ伏すバティスタは回想し、憧れの原点を見る。


自分はどうなりたかった、自分はイノケンティウス様にドラゴンのような強さを見た。そしてオレはドラゴンになった。なったが、なっただけだ。


カケラも近づけちゃあいねぇ……。


「ぐっ……もう二度と、兄ちゃんに助けを求めちゃならねぇ……」


膝に手を突き、龍の体を起こし、決意する。今自分達は弱者の立場にいる、それはイノケンティウス様が常々語ってきたことだ。ガキだった頃の自分と悪ガキ達と同じ関係性に立っているんだ。


魔女大国とゴルゴネイオンは、まさしくあの時と同じ立場。一方的にボコられて、傷つけられて、その存在を否定される。違う点があるとするなら、今度はイノケンティウス様に助けてもらえないと言うこと。


だが、いいのだ。助けてもらう必要などない。助けてもらわなくてもいいくらい強くなったのだから。


(忘れてたぜ、兄ちゃん、イノケンティウス様。オレぁよ、最強になる為に強くなったんじゃねぇ、あの時のイノケンティウス様のようになる為に……守りたい何かを守れるようになる為に強くなったんだよな!)


─────その時、バティスタの心の中で変化が生まれる。未だかつてない窮地、自身を追い込み、仲間の命を奪い、憧れの人を死に追いやる敵を前にして。原点へと立ち返った。

それは、極・魔力覚醒を形成する根源たる魂から発生する震動となり、覚醒そのものに影響を与える。


極・魔力覚醒とは全ての人間にとっての最強の象徴、それを極めると言うことは『これこそが己の最強の姿である』と定義し答えを出すこと。そうすることで強くなってきた……エリスもクレプシドラもイノケンティウスも。


その段階に今、バティスタは無意識ながら……踏み込んだ─────。


「ぅがぁああああああああああああ!!!」


「ッ!なんだ!!」


「これは……!」


今、融合する。最強の象徴であるドラゴンと最強の根源であるイノケンティウスのイメージがバティスタの中で。


それはやがて光となり……体を変革させ、生み出す。力と変化を。


「オレはァッ!負けねぇぞぉお!!」


爆発する、魔力が。紅蓮だった鱗は白く染まり、流れる白い滝のような毛が首元に生え、肉体がより一層引き締まり、魔力が増大する。


「変化した!?」


「エリスさんの……流星旅装と同じ、極・魔力覚醒の極限化!?」


イノケンティウスとドラゴンが融合した姿に変化した。この姿に名前をつけるなら……『神王龍』。魔女を殺す最強の龍である、それはバティスタの中に設けられていた限界点を大きく逸脱させ、星そのものを揺らす。


「テメェら全員!!死ねッッ!!」


「ぐっ!?」


放つ、羽を広げただけで太陽の如き輝きが生み出され、大量の魔力弾が雨のように降り注ぎサトゥルナリアとアマルトを襲う。いやそれどころかビスマルクの街全体を粉砕する勢いで史上最も低空で飛ぶ流星群が地表を焼く。


「オレは、最強だッ!!」


そしてその中心にいるバティスタは凄まじい魔力を纏い、その圧力だけで磁場を歪め周囲の瓦礫を浮かび上がらせながら宙へと浮かび上がる。


今、オレはドラゴンを超えた。それがどう言う存在なのかは分からないが、深くは考えない。


オレはバカになる、イノケンティウス様を助けられるなら、あの時のイノケンティウス様のようになれるなら、なににだってなってやる!!!


……………………………………………………


「手がつけられなくなったな、ありゃあ」


「ッ……!」


今僕は、失策を痛感する。やってしまった、バティスタを仕留め損なった。奴の心を折るつもりが……逆に強くしてしまった。


今バティスタは信じられない量の魔力を得て、第二の太陽となって浮かび上がっている。あれは最早龍とかそんなレベルの話じゃない、一種の自然災害だ。


恐らくは、裏返った。恐れや恐怖、僕が与えたそれらを奴は克服した。克服して更なる高みへの昇ってしまった。バティスタという人間が持つ底の強さを侮った。


第三段階に立っている時点で、奴は僕より格上。僕の常識で測っていい相手じゃなかったか!!


「消えろッッ!!魔女の弟子ィィイイイイ!!!」


「ッ捕まってろ!!ナリア!!」


「うわっ!?」


瞬間、バティスタが口開き放ったのはブレス。だと思う……と言うのも口から放たれた白い閃光は一直線に飛び大地を抉り地平の果てまで飛んでいったからだ。とてもじゃないが龍のブレスと呼べる次元じゃない。


咄嗟にアマルトさんが飛んでくれなきゃ二人まとめて死んでいた。


「うがぁああああああ!!」


それと共にバティスタは咆哮を響かせ、大地を持ち上げる。不可視の力が大地を隆起させ抉り、巨大な岩山が奴の周囲を浮かび上がり、ビスマルシア全体を包む巨大な竜巻が発生し街を端から破壊していく。


桁外れの力、完全に極・魔力覚醒を極めてしまった。今アイツは第三段階最上位の扉を開こうとしている。このまま戦いを継続したらエリスさんでも倒せるか怪しい段階に言ってしまう!


いや、下手したら……もっと高い極みに?第四段階にはいけずとも、もっと別の何かになってしまうかもしれない。


「ナリア!早く手を打たないとやばいぜ!」


「分かってます、けど……これはもう」


どうにもならない。渦巻く岩山、世界を削る竜巻、その中心で浮かび上がる青白い太陽。最早人間にどうこう出来るレベルじゃない。それこそエリスさんがいないと……。


(いや、違う。エリスさんにはエリスさんのやるべきことがある。僕が、僕達がなんとかしないと!!)


今、神の如き力を得たバティスタを倒せるのはここにいる僕達だけだ。エリスさんもラグナさんも頼れない!僕達だけなんだ!!


「アマルトさん!すみません!台本が破綻しました!」


「うぇええ!?どうすんだよ!?」


「だからここからは、本当の意味での即興劇になります!……賭けです!失敗すれば全部終わります!」


なんとかする手立ても対抗手段もない、だが打てる手は一つだけある。上手くいく保証はどこにもない、賭けに賭けを重ねるギャンブルの極致。


「乗ってくれますか、僕と一緒に」


それに今から命をベッドする。僕だけじゃない、アマルトさんのもだ、そう言えば彼は……。


「馬鹿野郎ナリア!」


怒号を上げ、僕を大きく振り上げ……。


「許可なんか取る必要ねぇよ、乗るに決まってんだろ!任せとけ!!」


僕を、頭に乗せる。本当に……本当にアマルトさんは頼りになるな。


「それによぉ!俺ぁ土壇場の賭けは外した事ねぇーんだわこれが。まぁ大船に乗った気でいろよ」


「はい!信じてます!」


そして僕は剣を高らかに掲げ……魔力を解放する。


「魔力覚醒『ラ・マハ・ヴェスティーダ』!!」


生み出すのは一千人の役者達。それがアマルトさんの頭の上に乱立し、同時にアマルトさんは僕を乗せてバティスタと言う名の青白い太陽へと一気に突っ込む。


「僕は賭けます、今までの全て。この旅路の全てを!タイトルは……そう!」


書き上げるのは逆転劇、全てを束ねる究極の即興劇!


「『劇目:終わらぬ友壮の(イル・カンミーノ)旅路・ディ・マレウス』!!」


瞬間、僕の生み出した無数の幻影が姿を変える。それは僕がマクスウェルに化けた時と同じ原理。分身達は役を与えるとその役としての力を得る性質の応用。


変わっていく、姿が……マレウスで出会った、全ての人達に。


「ッなんじゃそりゃあ!?」


バティスタが光の中で目を剥く。当然だ、僕の周りに立つのはマレウスで出会った戦士達、ジャックさん達、モースさん達、ファイブナンバーに逢魔ヶ時旅団、カルウェナンさんにルビカンテ。僕の知る限りの全ての人物がいるのだから。


「一人八大同盟!?ありかよそんなの!?」


アマルトさんが叫ぶ、その通りだ。ありなんだよ、演劇は……フィクションはなんでも!


言ったはずだ、全てを賭けると。これは僕がこの旅で得た全てを全魔力で再現する技。当然、後には何も残らない。正真正銘の奥の手。


これで、バティスタに一太刀叩き込む!!


「『終幕のカデンツァ』ッッ!!」


一気に突っ込む、アマルトさんの頭から飛び出し、全ての力が流星のようにバティスタに迫る。


「ッだからなんだぁああ!オレは無敵だ!最強だぁあああ!!!」


しかしバティスタも黙ってはいない、凄まじい勢いで飛んでくる光弾の嵐が流星群を迎え撃つ。それにより逢魔ヶ時旅団やファイブナンバーが崩れていく、やはり……僕があまり知らない人達の再現度は低く、力の一割も再現出来ていないんだ!


けど……。


「『黒銃拳』!!」


瞬間、僕に迫る光の弾を弾き返すのは……逢魔ヶ時旅団の幹部ガウリイルだ、こいつは嫌いだ、強いから。僕もボコボコにやられた。だけどだからこそ強さは分かっている、その頑強な体で第三段階のバティスタの攻撃を弾いていく。その体が崩れ、消え去る頃には既にバティスタは目の前で……。


「やらせるかよ!!」


展開されるあまりにも巨大な防壁、バティスタは僕を近づけさせないつもりだ……けど。


「アハハハハハハッ!!!」


怒涛の連撃が繰り出され防壁の展開が阻害される。僕の隣を飛ぶ……ルビカンテ達の仕業だ。


「狂気とはッ!決して折れぬものさ。狂気的希望程恐ろしいものはないッ!!」


「ルビカンテ!?」


悪魔達を乱造しながら凄まじい勢いで防壁を削り、穴を作るルビカンテ。奴の恐ろしさは言うまでもない、だからこそ最上位の解像度を誇る。あれに関してはほぼ本物と変わらない力を持ってると言ってもいいだろうな。


本当に、彼女には苦しめられた……けど。


「ッ……サトゥルナリア」


「アルタミラさん、行ってきます」


ルビカンテが一瞬見せた懐かしい顔に僕は別れ告げて、前に進む。ここに来るまでに多くと出会い、多くと戦い、多くと別れてきた。その全てが僕の力になっている、今があるってことは……それだけ強いって事なんだ。


「バティスタぁあああああああ!!」


「ッ今更!テメェがなんぼのもんじゃあああああ!!」


防壁の中に入れば、凄まじい魔力の嵐に晒され分身達が消されていく。それでも僕は必死に耐えて、魔力の中を泳ぐように飛びバティスタへと向かう。


「今更テメェの攻撃なんか、蚊ほども痛くねぇぞ!!」


「なら、これならどうですか!!」


瞬間、僕が手を振るえば……バティスタの目前に現れるのは赤い影。そう、あれは。


「時間です」


「ギャッ!?クレプシドラ!?」


クレプシドラ・クロノスタシス。それを見た瞬間バティスタの目の色が変わる。とは言えクレプシドラに関しては一切再現出来ていない、虧月城で一瞬見ただけだから本当に姿しか分からない。


けど、その姿を見ただけで……バティスタの動きが止まる。


その隙を突くように、叩き込まれたのは。


「『流星一脚』!!」


「『閃剣』ッッ!!」


「ぐっ!?これはァッ!?」


叩き込まれたのは、流星旅装を纏ったエリスさんの蹴りとコーチの斬撃。その二つが組み合わさりバティスタの体を削る。二人の解像度の高さなんて今更言うまでもない、けどこの分身形成の八割程の魔力を使っても二人の実力の完全なる再現では出来ていない。


しかし、それでもバティスタの体は削れる、叩きつけられた攻撃が確かに効いているのは……変わっていないからだ。


例え極・魔力覚醒をどれだけ強くしても彼自身の覚醒の性質が変わっていないから。つまりエリスさんに抱いたイメージが変わっていないから、自分より格上の攻撃が確かに通っているんだ!!


「ナリアさん!ファイトですよー!!」


「ナリア、主役は譲る。盛大に決めなさい」


そして二人の幻影はその力に耐えきれず光となって消える……あとは、ボクが決める。


「バティスタ、終わりです。お前がどれだけの覚悟を持っていても……僕が決めます」


そう言って僕が懐からばら撒くのは魔術箋。魔術陣を書き込んだカードが紙吹雪のように舞い上がり、浮かび上がる。その隣に立つのは。


「さて、やろうか。ナリア君」


「はい!イシュキミリさん!」


僕にこの技を授けてくれた、イシュキミリさん。彼の実際の力とか、実力とか、戦い方は少ししか見ていない。けれど……僕にこの技を与えてくれた時の記憶は、何よりも鮮明に残っている。


「幕引きです」


高める魔力を一点に束ねる。そして……イシュキミリさんと同じ構えを取り。


「魔術箋!!!」


燃え上がる火炎がスポットライトになる。台本すらも焼き切る至上の業火、それは渦を巻きバティスタに迫り─────。


「『魔術箋『久那土赫焉』!!!」


「ぐがぁぁあ!!!?!?」


一閃、壮絶な威力の一撃がバティスタの胸に突き刺さる。今まで僕が形成した格上としてのイメージ、更に彼のよく知る八大同盟達のイメージ。それを使って彼の無敵の肉体を突破する。


僕の全魔力、全身全霊を用いた最高の一撃、それを最高のタイミングで放ち、決まった……これなら─────。



「ッッだからァッ!効かねぇよぉおおおおッッ!!!」


燃え上がるバティスタの魔力が更に膨れ上がる、効いていない。いや体に傷は刻まれているが倒すには至っていない。同時に僕は魔力切れを起こし、力無く奴の魔力の嵐の中に浮かび上がる。


「ハハハハハハハ!終わりだなぁ!!賭けとやらは!」


「は、ははは……」


最早足掻く力も残っていない……僕の猛攻は弾かれた、理由は単純。力不足、それ以外に言葉がない。


僕はもう抵抗すらできない、奴が何もしなくても魔力の嵐に飲まれ、体が焼き切れ死ぬだろう……僕は終わった。幕引きだ。




「けれど」


チロリと舌を出して、片目を閉じる。


「幕が開き、幕が閉じ、それを繰り返す。それが至上の美……ならば」


「は?」


「閉じた幕は、また開く」



瞬間、僕が開いた防壁の穴を潜って……何かが飛んでくる。


「俺を──」


「あっ!?」


バティスタが気がついて咄嗟に反応しようとするが、遅い。それは一瞬でバティスタの胸傷に突き刺さり────。


「忘れてんじゃねぇよ!!!」


「って!テメェぇえええ!!!」


防壁の穴に手を突っ込んだのはアマルトさんだ、彼は拳をバティスタの胸に突っ込み、拳を叩く込んだのだ。その拳が叩き込まれたバティスタの体が揺れる……しかし。


「っだがテメェの攻撃は通じねぇ!テメェは弱いからな!!」


しかしアマルトさんは既にバティスタに克服されている、その攻撃は通じない。古式呪術すら通じない。



そう、バティスタは思っている。


だがそもそもだ、彼の覚醒は致命的な欠点を抱えている。


それは、彼の覚醒はイメージに依存するもの。しかしそもそもイメージと現実ってのはギャップがあるもの。いくらアマルトさんを格下だと思っても、実際アマルトさんが今バティスタよりも弱かったとしても。


「言ったろ、土壇場の賭けは外した事がねーんだよ、俺は」


「なッ!?」


バティスタの体が内側からボコボコと膨れ上がる、完璧だった龍の肉体が崩れていく、破壊されていく、アマルトさんの拳に……そう。


土壇場のアマルトさんは強いのだ!


「ナリアが開けてくれた穴ッ!届いてるぜ!!こいつの魂にッッ!!魂に直接触れんなら……呪術は不可避だ!!」


「ぐっ!ぐぉおおおおお!?!?ば、バカなぁああああ!!!!」


賭けは成功に終わったようだ。僕がバティスタのところに辿り着けるかどうか、奴の体に傷を作り、アマルトさんがその傷に攻撃を命中させ、その攻撃が奴の中核に届くかどうか。そしてそれがバティスタに効くかどうか。


全てが賭け、全てが賭けだった。だが……アマルトさんの言った通り。


「悪いな、俺達の勝ちだ」


「ぐっ!がぁぁあああああああ!!!」


爆裂するバティスタの龍の肉体。呪術を魂に直接流し込み、覚醒の影響を受けていない内側から覚醒を破壊することにより、バティスタは覚醒を維持できず、破砕する肉体に巻き込まれ……吹き飛んでいく。


「ガハッ……ぁ、がぁ……!」


「っしゃあおら!!」


ドスンと音を立てて着地するアマルトさんは人間の姿に戻り、バティスタは白目を剥き大地に倒れ伏す。胸に巨大な傷を作り倒れ伏す彼をアマルトさんに受け止められながら見た僕は。


「……これにて、終幕。ですね……」


「おう、かっこよかったぜ。ナリア」


「はは、アンコールは……ご勘弁」


魔力切れによる薄れる意識の中、小さく笑う。僕は、僕に出来ることをやり切った……ならあとは。


みんながなんとかしてくれる。みんなにはみんなのやる事があり、それはきっと……達成されるから。

クライマックスですがここで五日間のお休みに入らせてください!次回投稿は3月27日!それまでお楽しみにいただけると幸いです!

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「ふむ、確かに私は魔女様のような覚醒妨害は行えません。というより俺は術理ではなくただの力技ですので」 急に俺…???
ナリアきゅん活躍回はいいですね。 ところでこの魔術王とかいう爺さん流石に無法すぎるな。やる気ゼロのナーフも納得する。 イメージ合戦で逆に心を強くしてしまうとは……珍しい失策ですね。ただ流石に1人八大同…
まさかのこの2人で概念バトル… バティスタは突き詰めればプロキオンの臨界魔力覚醒みたいにシリウスを倒しえるまでいけるのでは?と思ったけどシリウスや魔女相手に魔女でも殺せるって思い続けるのはかなり厳しい…
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