↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
妖怪戦国記  作者: 大沢月
出会い編
PR
2/9

出会い

 裏庭から戻ると、母が勘九郎に気づいて声をかけてきた。

「勘九郎。遅かったじゃない。一体何してたの?」

「水汲むのに手間取ってて・・・」

 勘九郎は母の言葉に苦笑いを浮かべながら水たっぷりの桶を置く。横を見ると、勘九郎の父がうどん生地を切っていた。その手さばきは見事なもので、勘九郎は目が離せなくなった。

「あれ?吉郎様、鰹節は?」

 母が父のそばに置いてある笊を指す。この店では、うどんの出汁に鰹節を使っているのだ。父はそれをチラッと見ると、すぐに視線を戻して、「あー・・・。忘れてた」と言う。

「え!?嘘でしょ!?早く買いに行かないと店行っちゃいますよ!?」

 母が悲鳴気味にそう言うのを聞いて、勘九郎は「僕が行きます!」と言って、笊片手に飛び出した。その時、母の「気を付けて!」と言う声が聞こえた。



 街の中心はもう日が落ちるというのに、昼時とさほど変わらない賑わいを見せていた。その中を勘九郎はキョロキョロと見渡す。

(何処にもいない。やはりもう行ってしまったのだろうか)

 勘九郎家族御用達である魚屋は移動式で、いつも決まった時間に決まった場所にいるのだが、今日はいつもより遅く買い出しに出てしまったので、もう行ってしまったのだろう。そう悟った勘九郎は、諦めて帰ろうとした。その時、ガラガラという荷台の音が聞こえた。魚屋の音だ。そう確信した勘九郎は顔をパアッと上げ、振り向いた。だが、勘九郎の目に入ったのは、魚屋の先の光景だった。そこに妖がいたのだ。しかもその妖は2人組の旅人の一人に迫っていた。

「危ない!」

 勘九郎はそう叫び、笊を放って走りだした。その声に旅人は振り返った。その時、勘九郎は旅人の肩を掴み、2人一緒に倒れる。そんな勘九郎に旅人は驚いた。

「お、お主「大丈夫ですか!?」

 旅人の言葉を勘九郎は遮る。勘九郎のあまりの必死さに旅人は「あ、ああ」としか言えなかった。その時、勘九郎の腕に激痛が走る。見ると、そこには火傷があった。妖にやられたのだと勘九郎はすぐに分かったが、そんなことを知るよしもない旅人は驚いて声を掛けた。

「お主、そのや「気にしないでください」

 勘九郎は火傷を手で隠しながら、誤魔化すように笑い、「怪我がなくて良かったです。では、私はこれで」と言って、旅人のそばを離れた。

「おい!大丈夫k・・・ですか!?」

 もう一人の旅人が心配そうに声を掛ける。だが、その旅人は反応せず、勘九郎が去って行った方を見つめた。

「七兵衛、帰るぞ」

「は!?」

 七兵衛と呼ばれた旅人は、素っ頓狂な声を上げた。

「何言ってるんですか!?茶会は!?」

「茶会より興味深いものができた」

 そう言う旅人は、楽しそうに笑った。

次の話では、勘九郎と旅人が再開する・・・かも!?

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。