修学旅行
修学旅行とか懐かしいですっ!
17話です
「ふー、……飛行機高いな」
冬休み入る前に実は2年生の最初で最後の修学旅行がある。2泊3日の修学旅行だ。行き先は東京……ではなく、北海道にした。あんなごみごみしたとこには行かない。
とはいえ……、
(話し相手がいない……)
加西以外よく話す相手がこの学校にいないので、交友の幅の狭さを改めて痛感してしまった。
加西と青山は共に東京にしたそうだ。これは生徒会での話なのだが、
「え!? 会長、北海道にしたんですか?」
「そうだが、それがどうした?」
「そうだったな、お前東京嫌がってたからな……」
「どうした二人とも。少し暗いぞ?」
「私、東京にしたので……」
「俺も東京だから」
二人は互いを睨んでいた。
「別に解散するでなし、少し離れるだけだ。大したことじゃないだろ?」
「そ、それはそうですが……」
「こいつは決める時は結構通すからな」
「まぁ、私はそれぞれの場所のお土産が食べられれば良いので、宜しくお願いします」
紺野はあっけらかんとしていた。
「ずっと離ればなれになるわけじゃないし、そんなに寂しがるなって」
とは言ったものの……少し寂しかったりする。それに……、
「雫、写真写真っ!」
「ok~」
よりにもよって、宮本雫とは同じ旅行先なんだからっ!
皆がはしゃいでいるのを横目で見ながら、窓から見える白と青のコントラストの風景を眺めていた。
一日目、ついて早々グループ行動をしたが、食べ物は自由行動なので札幌ラーメンを食べた。
バターがスープに染み出て少し脂っぽいが麺に絡めると良い味が出ていた。
気づいたら食べ終わっており、10分で平らげてしまった。
次に札幌の風景を眺めながら、アイヌ文化体験や屯田兵がいた場所に行く。
「ここには屯田兵が……」
と日本史の教諭が細かに語る。話が脱線してなぜか八甲田山のことを特に熱く語っていた。
この時はグループ行動だが、友達がいないので周りにしてみれば、僕の存在は無関心レベルになっていた感じがした。
こういう時にもう少し友達作りしとけばと思ってしまうが、どないしようもないことだ。ところで加西や青山は一体何をしているだろう。
そしてホテルに戻り、あまり美味しくはない食事をしてグループ共同の部屋で寝泊まりする。そんな場所でくつろぐはずもなく、完全に孤立してしまっていた。
(あー、暇だな~。生徒会で仕事している方がよっぽど有意義だ)
そうふて腐りながら、一日目は終わった。
二日目の朝は羊ヶ丘展望台に行ってクラーク像を眺めた。
(Boys be ambitious…。少年よ大志を抱け……か。良い言葉だな。彼が日本から離れる時に生徒達へ発した言葉らしいが、未来有望な札幌農学校の生徒達へのはなむけには丁度良い)
「何か有名な言葉あったよな~。何だっけ?」
「I'll be backだっけ?」
「そう、それだ!」
(確かにそれも別れの言葉だがっ! うちの高校大丈夫か……?)
それからジンギスカンを食べて(これが意外に旨い)、旭川の旭山動物園まで行く。
ここでは自由行動だった。動物を眺めるが、僕はあまり興味がないので変な顔の生き物でも探していた。ただペンギンのとぼとぼと歩く姿は良かった。
一通り回った後、家と生徒会用のお土産を買うことにした。そうしたら、
「あ、宮部じゃん」
げ!? 宮本雫!
「どう動物園楽しい?」
「まぁ、ペンギンは良かったなっ」
「あ! そうだよねー、ちょー可愛かった!!」
「そう、確かに」
「これ誰へのプレゼント?」
「え? 家と生徒会用だけど?」
「あたしにプレゼントは?」
「いやいや、あげる訳ないでしょ?」
「ちぇー、ケチーっ! 色々情報教えたりして仲良くしているのにーっ」
前にそういう約束したよねっ?
「最近さー、宮部、格好よくなったじゃん?」
「え?」
「生徒会長として凄い手腕だし、絶対女子にもてるでしょ?」
「いや、別に」
「え? まだ彼女とかいないの?」
「え? あ、あぁ……」
「そうなんだっ、ふーん」
そう言いながら、鼻唄歌いながらお土産屋から出て行った。
(何のことか分からないが、なんか嫌な気持ちになった)
そしてホテルに戻り、また部屋で一人のんびりスマホをいじっていると、加西から来ていた。
『どうだ? 北海道は?』
『うーん、観光は悪くないが』
『お前、友達作り下手だからなっ』
『そうだな』
と彼といつものようにぐだぐだと話していると、
『こんばんは、会長』
青山からチャットが来た。僕は加西との連絡を後にして、
『どうかしたか?』
『あの……電話して良いでしょうか?』
『どうした?』
『少し直でお話がしたくって』
そうして僕は青山に連絡した。
「どうかしたか青山?」
『特に重要な用があるわけではないのですが、会長は今何をなさっているのかなと思いまして』
「何って、加西と話していたよ」
『あー』
「そっちはどうだ? 楽しいかグループ行動とかどうだ?」
『えぇ、まぁ。しかし私も友達多い方ではないので』
「あぁ、そうかそうかww」
『今、笑いましたね!?』
「あー、悪い悪いっ」
『もー……、ところで北海道はどうですか? 雪とか寒くはないですか?』
「今は部屋だから暖かいよ」
『そ、そうですね。こっち(東京)も寒いです』
「そうかっ」
『……』
「……」
『あの会長』
「ん? どうした?」
『帰ったら温かいお茶入れますね』
「あぁ、そうしてくれ。お前の入れてくれる玄米茶は旨いからな」
『はい』
「……」
『もう、部屋に戻らないと。では会長、おやすみなさい』
「あぁ、おやすみ」
そうして切って振り向いた後、同じグループの連中がこっちを凝視していた。
「彼女か!?」
「恋人か!?」
と悔しそうな声で問い詰められてしまった。
(こういう時は団結力あるんだからこいつらは!)
最後まで読んで頂きありがとうございます。
加西との連絡は途中でしなくなっちゃいました。
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