由実さんのノンバーバルコミュニケーション
由実さんの気持ちを察せられるのか
15話です
(さてと整理するか)
僕は家に戻り彼女達の人間関係の整理をする。
まず浜松グループは浜松さんを中心に構成されている。そしてそのグループの中に同じバスケ部の村井さんと由実さんが所属している。
そして浜松さん達は村井さんをパシリなどに使っており、村井さんはそのグループに馴染めていない。
そして村井さんは自分と由実さんのために余計なことをせず必死になってグループにいる。
村井さん、由実さん、浜松さん三人は同じ部活だから、もし変にこじれたらこれからの関係に響くことになる。
つまりだ、浜松さんと村井さんは友達として成立していない関係だ。ということはやはり問題は由実さんだな。村井さんは由実さんのことを仲良い関係と思い、浜松さんと由実さんは比較的良好関係だ。となると……、
「うーむ」
僕は腕を組みながら考える。どう対処すれば良いだろうか。
「お兄ちゃん、ご飯出来たってー」
僕の部屋にノックをした後、妹の美姫が呼びかける。
中三の妹の美姫は受験生真っ只中だ。容姿は整っているが、勉強に支障をきたすという理由でほとんどおしゃれをせず地味にいる。常に家ではジャージ姿だ。仕方ないとはいえ、兄としては寂しい限りだ。
「どうだ、勉強の調子は?」
「うーん、安全圏にはいるかな」
「そうか」
「お兄ちゃんこそ生徒会の調子はどうなの?」
「うーむ、苦戦中だな」
「え? なにか問題でもあるの?」
「生徒会事態にはないが、生徒要望に少し難があってだな……」
「へぇ、そうなんだ……」
「うん」
「どんな話なの?」
「……人間関係だな、特に女子の」
「あー、それはあるあるね~」
「……」
「なかなか人間関係を変えるのは難しいもんねー」
「あぁ、そうだな」
「あー、やーめたっ。長々と聞いていたら今受験に支障出そうだからやめとくね」
少し相談にのって欲しかったが止めておこう。
「それよりお前、どこの高校受けるんだ?」
「んーとね~」
彼女は食べ終わったお皿を洗い物に持っていきながら、ニコッと笑う。
「そりゃあやっぱりお兄ちゃんと同じ所かな?」
金曜日になりいつもの授業形式に戻る。そして村井さんのいるあのグループの観察を再開することにした。しかし今回は由実さんを重点的に観察することにした。
だが彼女を観察しても村井さんの時も浜松さんの時も良好な関係に見えた。彼女は八方美人なのかもしれない。
(さてとどうしたものかな?)
僕はクラスに戻り、授業中思案に暮れた。由実さんの想いで作戦が変わる。彼女の素を見れる時とは一体……。
全く考えが浮かばないまま生徒会室に向かって、運動場をぼ~っと眺める。
女子サッカー部は頑張って練習しているようだ。優勝目指してくれているのだろう。ふと宮本雫を見ていると、練習に頑張って取り組んでいる。
あんな嫌な性格でもサッカーには真面目だなーっ。
そして宮本雫の様子を見ていると、何やら他のメンバーに指示しているみたいだった。
一体なんだろうか。
見ていると、チームプレーの感じがした。
そう言えば前に宮本雫から聞いたことあったなー。どういう相手が苦手とかなんとか。
そしてふと思い出す。
──それはしゃしゃり出てくる相手ね。例えば補助じゃなくゴールポストに入れたがるタイプとか。チャンスなら良いけど、そうじゃない時が多いから、ほんとムカつく
そうかっ!
「……長、会長っ!」
「え?」
「仕事せずになに運動場眺めているんですか? 目安箱持って帰って来ましたよ」
「……」
机の上を見ると、箱が3つ並んでいた。
「青山……」
「はい、なんでしょう?」
「ちょっと来い!」
「え?」
僕は青山の片方の手を握って、体育館まで連れて行った。
「よし、まだバスケットボール部は練習しているな」
「あの会長……」
「なんだ?」
「手……離して頂けませんか?」
「え?」
見ると青山は少し顔を赤らめ、手はぎゅっと握りしめていた。
「あ、悪いっ。痛かったか?」
「いえ、そんなことは……」
そしてみぞおち近くに握っていた手を持っていって、もう一方の手で抑えていた。
「良いか、普段は隠していても、練習の時や無意識の時はとっさに素が出るもんだ」
「! 確かに……」
「だから由実さんの部活の時の様子を眺めてみよう」
「はいっ」
そしてしばらく眺めていると、以下のことが分かった。
・彼女は村井さんの大体隣に座っている。
・練習中は一瞬村井さんの方を見てから、浜松さんにボールを渡す。
・浜松さんとハイタッチする時、あまり高めに手を上げない。
「そうか、なるほどっ」
「何か分かりましたか?」
「あぁ、まぁなっ」
由実さんの村井さんに対する内情は分かった。後は作戦だな。
「で、由実さんはどちら側ですか?」
「~~」
「そうですかっ。それなら私に考えがあります」
そして青山から作戦内容を聞いた。
「なるほどっ、悪くないなっ。おし、それで行こう!」
「はいっ」
よし、こちらの作戦開始だっ。
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