期末試験
とりあえずテストします
13話です
期末試験までに村井さんの解決は無理と僕が判断し、この休みはとりあえず期末テストの勉強に集中しようと思った。
あれだけの公約をした僕だ。学年トップをキープしないと示しが付かない。
この土曜日はガリガリと図書館で勉強に勤しんだ。しかし時々だが、
「会長……」
「何だ?」
「この問題はどう解くんです?」
「え? あーと、これはな~」
青山の質問が飛んでくる。こいつは成績が悪くないとはいえ、実は成績上位層に入ってはいない。しかし今回はどういう訳か成績上位10番以内まで目指しているそうだ。そして今は僕が傍にいるから教えてはいるが、図書館は静寂であまり大きな声で問題の意味を教えにくかった。
「これはこれでー……」
「済みません、聞き取りにくいです」
「しかしこれ以上のボリュームは……」
青山は考える素振りをする。
「あの宜しかったら私の隣に来てくれませんか?」
「え?」
な、何で僕が青山の隣に座らないといけないんだ? いやいや、そんなことする訳ないだろ!?
始め僕は首を横に振ったが、青山の真っ直ぐな眼差しに押し切られ、青山の隣の席に座った。
「これで良いか?」
「ありがとうございます」
それからさっきの問題を教える(どうやらこの問題は理解したようだ)。
それから時々青山の質問を答えながら自分の勉強をすると、気づけば閉館時間になっていた。
「会長、今日は色々と教えて頂きありがとうございました」
「ま、まぁ別に構わんさ」
これは家で徹夜の勉強だな……。
「もし……」
「ん?」
「……もしまた分からないところがあれば、チャットで訊いても構いませんか?」
横に目を反らしながら、気を使った言い方で話す。
(はぁ、全くこいつは……)
「……まぁ、少しならな?」
「ありがとうございますっ」
そして僕達は各自の家に帰った。それからの僕は徹夜で勉強し、偶に来る青山の質問に答えたりした。
試験当日、僕は少しふらふらになりながらも、学校に向かい4日間ある期末テストに邁進した。
そして期末試験は終わった。
「……終わった」
加西はどん底の淵を見たかのような状態になっていた。
「何だよ、いつものことじゃないか」
「おい、人聞きの悪いことを言うなっ。一応これでもクラスで二番目の成績の男だぞっ!」
「下からが抜けているぞ」
「おいっ、それを言うのは秘密だろ?」
「情報操作は良くない」
「それなら俺のこと詭弁士と言ってくれ」
「自慢になってないぞ」
そして一方で宮本雫も唸っていた。
「あーん、もう最悪ーーっ。あの問題全く解けなかったー」
「あれ本当に難しかったよね~」
「林(教師)、◯ね!」
僕は宮本雫の唸り声を聞いて、心の中でほくそ笑んだ。
さて生徒会を始動し、村井さんの問題解決をしようと思ったが、生徒会室で加西はおろか青山も項垂れていた。
「ど、どうしたんですか? 青山先輩。そんなに机に倒れて。先輩らしくありませんよ?」
「今回の期末……いつもより頑張ってみたのに、良い点取れた自信がないの」
「そうなんですか。青山先輩はいつもどれくらいの番数なんですか?」
「4……40くらい……」
「え? 意外と低……そうなんですか。お疲れ様です」
「……」
「加西先輩ならともかく、青山先輩は副会長なんですからしっかりして下さい」
「おい、聞き捨てならないなー紺野。それは一体どういう意味だい?」
「ほら青山先輩の机に資料が溜まってますよ。早くお仕事して下さい」
「それは、そうだけど……」
「おーい、紺野さーん」
「そうだぞ、紺野の言う通りだ。お前がしっかりしないと生徒会が上手く務まらないぞ」
「会長……」
「おーい」
「村井さんのこともあるんだしっかりしてくれっ」
青山は僕と紺野の顔を見る。
「うぅ……」
「けど今回は会長の……」
「僕が……何だって?」
そして青山ははっとし、
「いえ、何でもありませんっ。さあ、生徒会の仕事を取り組みますかっ」
そう言っていつもの調子に戻った。(少し空元気か?)
そして今回の議題は村井さんのイジメ問題についてだ。
「さぁ、これをどう解決するかだ」
三人とも黙る。無理もない、少し入り組んだ人間関係の問題だ。
「やはりキーは浜松さんですね」
「そうだな。彼女がキーを握っている」
「村井さんと仲良さげな人というのも気になりますね」
「そうだな。断定は出来ないが仕草からそう言える」
「だが見た感じ楽しそうでないなら、やっぱりそいつからどこかで嫌な思いしているんだろ?」
「学校外のことを見ていないから何とも言えないが、恐らくそれは間違いないだろう。だから浜松さんから上手く村井さんを遠ざける方法があれば良いのだが……」
色々議論をしたが、良い案が浮かばず今日は解散した。
そして僕は加西と別れて一人で考えながら帰っていると、
「…会長」
と後ろから聞き覚えのある声でそう呼ばれ、振り向くと青山がいた。
「え!?」
「会長、ぼおっとし過ぎです。聞きたかった張本人に付けられていましたよ!」
見ると青山がバスケットボールを携えて、不安な顔をした村井さんの手を取っていた。
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