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六国同盟対抗戦予選

 戦争があった為に延期になっていた対抗戦の学園予選決勝が始まった。

 ルールは10分総当たり、まるでサッカーの様な勝ち点制で勝利は3点、引き分けは1点、負けは0点となる。

 本戦出場は5名、残りは補欠となる。


 4年1位生徒会長ストラフ・フォン・マッシュルール、いつもマッシュルームと言い間違えそうになる。

 2位ソトフリュウヤ、平民だが4年間の努力が身を結んだ。平民が決勝に残るのは十数年振りと言うから驚きだ。

 3年1位生徒会副会長アリエール・ロイヤル、第二王女殿下だ。

 2位カリンジャー・フォン・ベルメイル、オネエさん。

 2年1位ミハエル・フォン・マグトレイル、亜人自治領の王子、エルフだ。

 亜人とは、エルフやドワーフ、獣人等、人属とは違う見た目の者達のことである。

 他国では差別が酷く奴隷や討伐が繰り返された。

 この大陸ではアストラベル王国、クコンホニ帝国が自治領を与え保護している。

 爵位は公爵。

 2位エミリール・フォン・シュナイダー、王国騎士団長の長女。

 1年1位俺。

 2位ルミナス


 第一試合、4年2位ソトフリュウヤ戦。


 剣は試合用に作成した聖剣エスポワールと同じ材質、質量の刃のない剣だ。


 試合前に死亡する攻撃が加わると割れる結界を掛けてもらう。

 元は戦争で使われている個人結界魔法である。

 割れると全ての魔法、攻撃を吸収する優れものだ。


 互いに剣士スタイル。

 同時に相手に突進するも俺は瞬歩を使い一気にソトフリュウヤの懐に入る。

 ソトフリュウヤもそれに気付き剣を振り下ろすも俺はそのままソトフリュウヤの腹部に剣をなぞって駆け抜けた。

 「うっ、やられた」

 結界が割れ審判が反応する前にソトフリュウヤは手を上げた。

 「勝者デュラント」

 観客は一斉に声を上げる。


 第二試合、3年2位カリンジャー戦

 

 試合前にカリンジャーが此方に迫ってくる。

 「あはー貴方プリティさんね」

 一気に鳥肌が立った。

 オネエさんだ。

 化粧をしているがヒゲが青くなっていて、身体はゴリゴリのマッチョ。

 長身のカリンジャーは背丈程ある戦鎚使いだ。


 試合が始まるとカリンジャーは戦鎚を此方に真っ直ぐ向けて懐に入られる事を嫌う。

 あの長者の戦鎚なら懐に入れば何も出来ないだろう。

 「火球」

 多重魔法陣から繰り出される火球の雨霰にカリンジャーの顔は強張る。

 それでも強靭な肉体は火球に負けずに耐えていたが、当たる度に顔を赤らめて「アハーンウフーン」と声を漏らす。

 「くっ、ダメか。ってあっ、魔力込め過ぎたー」

 超巨大な火球を生み出すデュラント。

 会場中が息を呑む。

 それはカリンジャーを飲み込む。

 業火に焼かれるも、カリンジャーはその中から生還する。

 だが、そこで手を挙げ、「降参するわ」と一言を残して前のめりに倒れ結界が割れた。

 

 

 「未だ魔力制御が苦手だな」

 そんな事を言うも強靭な肉体を持つカリンジャーで無ければ骨も残らないだろう。


 第三試合2年2位エミリール戦。

 相手のエミリールは純粋な魔法使い。

 魔法使い相手に魔法を使えば負けるのは目に見えている。

 デュラントは剣を抜いた。

 しかし、開始の合図の直後、涙目のエミリールは手を挙げて降参する。

 どうやらあの火球を上位魔法と勘違いした様だ。


 「ラッキー」


 第四試合

 今現在の一位は全勝の俺とストラフ、2位は1敗のルミナスとアリエールなっている

 

 ルミナスとだ。

 前回の試合から暫く経った。

 どれ程の研鑽を積んだのか。

 各学年1位と試合をして1敗だし、対峙するとこれ迄の相手とは全く比べ物にならない程の圧を感じる。


 「ふぅー」

 と息を吐く。

 これは出し惜しみしている場合ではない。

 鞘からゆっくりと剣を抜く。

 

 試合開始と共にルミナスは弓を引く様な体制をとる。

 すると中級に属するアロー系の魔法を正確に射る。

 それを剣で軌道を逸らし対応、しかしルミナスの動きが早くなる。

 終いには多重魔法陣を用いて連射する始末。

 俺は瞬歩の進化、空歩で空高く駆け上がり避けると、空歩で空間に足場を作ると瞬歩でジグザグと空を駆け降りる。

 ルミナスも対抗するも高速でジグザグと駆け降りるデュラントを捉えきれない。

 デュラントは多重魔法陣で火球を多数放つ。

 ルミナスも対抗して水球を放つ。

 又もや霧に覆われるもルミナスは即座に風魔法で霧を晴らす。

 それをデュラントは見逃さず火魔法を放つ。

 風魔法を吸収し、ただの火球は火炎となりルミナスを焼いた。

 パリンと結界が割れ魔法を吸収する。

 決着した。

 「勝者デュラント」


 第五試合、エルフの王子は弓と精霊魔法を使用、第六試合、王女殿下も弓と魔法とルミナス戦の後では、正直物足りなかった。、

 魔法最終戦、第七試合、4年1位生徒会長のストラフ戦。

 

 ストラフはショートソードより少し長めの剣を両手に持つ。

 試合を見る限り攻撃速度はかなり早い。

 「やっと君と剣を交える事ができる」

 「お手柔らかに」

 

 試合開始すると攻防戦となった。

 しかしデュラントにはまだまだ余力がありストラフを観察していたのだ。

 ストラフの方も「もっと早くもっと早く、もっともっともっと」と口走り、次第に攻撃速度が上がる。

 デュラントはそれを全て往なしながらも攻撃を加える。

 無傷のデュラントと対照的に疲れと傷を負うストラフ。

 ストラフは一度デュラントから距離を置くと剣技を披露する。

 斬撃がデュラントを襲うも剣で断ち切る。

 ストラフが驚き、止まった瞬間を逃さなかった。


 聖剣でしか発動しない剣技スキル断罪の聖剣(ジャッチメント)を発動。

 断罪の聖剣は魔を斬り魔以外には気絶する程の衝撃波を与えるスキルである。

 魔物には絶大なダメージを与えるスキルであるが、対人戦でも相手に傷を負わせる事なく意識を刈り取る有能なスキルである。

 聖剣保持者が魔物以外に盗賊や罪人を捕まえる為に使用するスキルである。


 聖剣擬きは眩い光を帯びて、デュラントが振るうとその光はストラスに伸びる。

 ストラフはその場で力なく倒れた。

 結界が割れると同時に。


 そして、聖剣エスポワールに似せて作った刃を持たない剣はこの時に聖剣となったのだった。

 

 「今日この日、聖剣となった。フランスの叙事詩の歌な出てくる聖剣より銘はデュランダル。これより長く久しくこの剣があり続けてくれたらと言う願いをを込めて」

 

 眩い光を放つと聖剣擬きは不滅の聖剣デュランダルとなった。

 スキルは鋭利化である。

 デュラントの意思で刃の無い聖剣に刃を付ける、訓練用や対人戦は刃の無い状態で戦い、敵には鋭利化し斬る、そんな使い方が出来る聖剣た。

 

 そんな事をしていると、教師や生徒が集まる。

 1人の教師が眼鏡を人差し指でクイッと持ち上げて、「先程、剣が黄金に眩しい程の輝きを放っていましたが、あれはなんでしょうか?」

 と聞く。

 「あれは・・・新たな聖剣が誕生した光?」

 「やはり神聖な光だったのですね」

 「「「おーぉぉー」」」

 「現在、現存する聖剣の9割以上が古代文明の遺産です。中には生涯を賭け数百年でたった一振りの聖剣を拵えたドワーフ族がいましたが・・・それほど残り1割未満の聖剣は偶然の産物といえるのです。それをこの年齢で聖剣を作ってしまうとは・・・」


 アハハハと乾いた笑いで誤魔化してみたものの表彰式の中もヒソヒソザワザワと聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣聖剣と聴こえてくる。


 1位デュラント

 2位ストラフ

 3位ルミナス

 以外アリエール、カリンジャーが対抗戦メンバーとなった。


 一方でその頃、神の住む天界でデュラントの様子を覗き見る一柱の神がニヤっと笑って酒を煽る。

 「そろそろ美味そうな年頃となりましたね。人族の子共は肉が柔らかくて美味。いえいえ、彼は私の手となり足となり部下として働かせる為に異世界の星から数百年掛けて創ったのです。なのに奴に見つかり邪魔をされ奪われました。まぁいいでしょう・・・さて、もう10年もすれば数千年振りに下界へと降りれますね。ウフフフ。デュラント、私の可愛い息子よ。貴方との再会は劇的なものとなるでしょうね。貴方には必ずこの星の王となってもらいますわ」


 悠久を生きる神にとって10年とはあっと言う前の事である。

 

 災厄の魔神ラプラス、元々勝利を司る女神だった。

 しかし、魔族、悪魔族から信仰され魔神へと成り果てた女神である。

 魔神となったラプラスは数千年前に地上に降り、この星の半分を魔族、悪魔族を扇動し手中に収めたのだ。

 しかしそこに創造神から遣わされた異世界の者にそれ以上の侵攻を阻止されたのだった。

 「そしてもう半分を奪う為に・・・」

 現在、ラプラスは死者の彷徨う天界に身を潜めていた。

 神々はここまで降りる事は無く、安全に迷い込んだ死者を摘んでは食し自身の糧とした。

 気に入った者がいれば自身の力を貸し与え魔族、人族関係なく地上へ送る。

 そして幼児(おさなご)として産まれた其れらを使い地上の情報を把握する。

 命令に忠実な駒がこの世界に何人も居るのだ。

 



 その日の夜、不思議な夢を見た。

 あれは、全宇宙お取り寄せスキルを貰った日に会ったような・・・

 その人が俺を抱き締めてこう言った。

 「君を創造した者には従ってはいけないよ。この世界が魔に染まることは許されないのだから。そして君が創造主に打ち勝つ様に、その世界の創造神たる儂の加護を与えよう・・・」


 目が覚めて「・・・なんだ夢か」と鼻で笑って加護に気付くまで数日を要した。

 

 その日ふと、暫くステータスを見ていなかった事に気付いた。

 自分に対して鑑定を行うと・・・加護の欄に創造神ガイアの加護と追加されていた。

 「こないだ見た夢は現実だったのか?」

 数日経っていた事もあって内容は全く覚えてはいなかった。

 しかし、創造主と創造神と言う単語は心に留まっていたのだ。

 「加護か・・・なんの意味があるのだろう?」


 

 それから数日が経ったある日、夢や加護の事も忘れ六国同盟対抗戦本戦が開催されるクコンホニ帝国に向けて出発していた。

 各自馬車で移動となる為、移動はいつものようにルミナスと一緒に向かう。

 今日から10日〜14日程の長旅。

 反対から読むとニホンコクとなる国はどの様な国なのだろう。

 デュラントは出発前からワクワクしていた。

ご覧頂きありがとうございました。

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