二十八話『裏側にいる者』
立ち上がるペルフェの前に、倒れたままの南陽とコルウス。
「動け…………動けよッ! 俺の体!」
「ッ…………」
ペルフェとは違って、二人の体は動かない。
二人の頭上に雷の予兆が現れる。
バチバチと音を鳴らし、光るそれに二人はなす術もない。
ただ、それを見つめることしかできない。
「…………………ごめんなさい。私は、まだここで…………知るべきことがあるはずなの………………!」
「……………………くそおおおおおっ!!!」
「………………動いて…………!」
落雷の準備は整った。
ペルフェの最後の雷が二人に向かって放たれる。
「――――ったく。体も精神も使い方が荒いね、『示杞くん』は」
「誰ッ!?」
そのはずだった。
雷が落とされる直前。
ペルフェの前に一人の青年が立ちはだかった。
「ゴビ!?」
それは、ボロボロになってまで憑依を実行したはずの黒髪の青年――――癒川示杞。
「出てくるつもりも、手を貸すつもりもなかったんだけど。ねえ?」
『…………うっ』
示杞は誰かを弄るように話す。
その言葉に反応するような部屋に響く声。
示杞は示杞でも、ここにいるのは本物だ。
”彼”は依然、黒荻のいるところに憑依している。
「まあ、いい。彼でなくとも、これだけやってくれれば僕でも問題ないさ――――」
早速、示杞は自らの役目を果たす。
力を抜いて、地面に倒れこむ。
「……………………ッ!?」
その瞬間、ペルフェに異変が起こる。
示杞によって行われる憑依。
未だ”彼”と体を共有しているからか示杞の憑依は健在だ。
そして、その憑依がペルフェへの決定打となる。
「………………何、これ。意識が………………あ」
ペルフェは意識を保とうと抵抗する。
だが、南陽の必殺技を喰らった彼女にそんな気力はない。
為す術もなく、膝から倒れる。
そして、徐に目を閉じた。
「………………ああ。そうだった。私は――――」




