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その体に出会いと別れの挨拶を ~あの日、憑依した少女にもう一度出会うために~  作者: 炭本 良供
三章「名状しがたい感情」

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二十八話『裏側にいる者』

 立ち上がるペルフェの前に、倒れたままの南陽とコルウス。


「動け…………動けよッ! 俺の体!」

「ッ…………」


 ペルフェとは違って、二人の体は動かない。

 二人の頭上に雷の予兆が現れる。

 バチバチと音を鳴らし、光るそれに二人はなす術もない。

 ただ、それを見つめることしかできない。


「…………………ごめんなさい。私は、まだここで…………知るべきことがある()()なの………………!」

「……………………くそおおおおおっ!!!」

「………………動いて…………!」


 落雷の準備は整った。

 ペルフェの最後の雷が二人に向かって放たれる。

 


「――――ったく。体も精神も使い方が荒いね、『示杞くん』は」

「誰ッ!?」


 そのはずだった。

 雷が落とされる直前。

 ペルフェの前に一人の青年が立ちはだかった。


「ゴビ!?」


 それは、ボロボロになってまで憑依を実行したはずの黒髪の青年――――癒川示杞。


()()()()つもりも、手を貸すつもりもなかったんだけど。ねえ?」

『…………うっ』


 示杞は誰かを弄るように話す。

 その言葉に反応するような部屋に響く声。

 示杞は示杞でも、ここにいるのは本物だ。

 ”彼”は依然、黒荻のいるところに憑依している。


「まあ、いい。彼でなくとも、これだけやってくれれば僕でも問題ないさ――――」


 早速、示杞は自らの役目を果たす。

 力を抜いて、地面に倒れこむ。


「……………………ッ!?」


 その瞬間、ペルフェに異変が起こる。

 示杞によって行われる憑依。

 未だ”彼”と体を共有しているからか示杞の憑依は健在だ。

 そして、その憑依がペルフェへの決定打となる。


「………………何、これ。意識が………………あ」


 ペルフェは意識を保とうと抵抗する。

 だが、南陽の必殺技を喰らった彼女にそんな気力はない。

 為す術もなく、膝から倒れる。

 そして、徐に目を閉じた。


「………………ああ。そうだった。私は――――」

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