二十二話『落雷』
「くそっ、このままじゃ…………」
俺が憑依する隙を窺っている一方。
コルウスはまだペルフェと戦い続けている。
攻撃はできている。
だが、どこから来るかもわからない、光と共にに繰り出されるペルフェの攻撃がそれを上回る。
――――でも、遠くから見ていた俺は、その正体を理解した。
「やっぱり雷か…………」
原理は知らないが、辺りが光に包まれる直前、細長く光るものが、バチッと音を立てていた。
それに攻撃が繰り出されるときの、豪快に空気を振動させるような音。
雷である可能性が高い。
でも、何故すべてコルウスの下へ行く?
コルウスが雷に打たれた時、ペルフェと同程度の高さにいた。
なのに、雷はすべてコルウスの下へ行く。
炎についてもそうだ。
何故、あんなにも操られているかのように動くんだ?
見ただけじゃわからない。
けど、今は原因を突き止めるより、不利な状況を覆さないと。
「…………無理だ。考えても考えても他に考えが浮かばない」
一つ、方法を思いついた。
出来れば使いたくなかった方法が。
――――示杞、ごめん。今はこの方法しか思いつかないんだ。
お前の体をもっと大事にしたかったけど。どうか、許してくれ。
幾度も攻撃を喰らってボロボロなコルウスが繰り出す拳。
それをペルフェは両手で防ぐ。
二人のせめぎあい。
そして再び雷の予兆が見える。
「――――今だ」
俺はすぐさまコルウスと雷の間に飛び込む。
「!」
「…………何を!?」
「攻撃に集中しろ、コルウス!」
ペルフェは、雷を操作しているのかもしれない。
だけど、この俺の行動が予測できなきゃ、コルウスに雷は当てられない。
「う、あ…………」
雷が俺に直撃する。
全身が痺れ、頭がくらくらとして倒れこむ。
でもこれで、隙ができたはずだ。
うつ伏せになりながら、顔を上げて様子を窺う。
「…………く」
……………………!
だが、コルウスの拳はペルフェに届かない。
――――これじゃ、また――――
もう一度、雷の予兆がコルウスの頭上に現れ、バチバチと音を立てる。
これで仕留めようとしているかのように、力を溜めに溜めて。
「コル、ウス――――! 避け、ろ…………!」
雷を喰らった俺の体は動かない。
俺が何を言っても、雷は止まらない。
「…………!」
コルウスもペルフェの手から離れられない。
「…………うご、け」
誰もペルフェの雷に為す術もなく、雷は落ちる。
「やらせてたまるかあああああ!!」
「――――南陽!?」
そう思った時だった。
疾風の如く飛び出す南陽。
その勢いのままペルフェに飛び蹴りする。
「!?」
ペルフェは突然の出来事に対応できずに、後ろの壁に吹き飛ばされた。
壁には亀裂。
ついに、ペルフェに攻撃が入った。
「…………コルウス、俺に手を貸してくれるか?」
「……………………」
「一度逃げてしまった俺だけど、一緒に戦わせてくれるか?」
「…………私、01のことは覚えてない」
「!」
「けど、嫌な感じはしなかった。あの時も。敵だったのに」
「…………そうか」
「一緒に彼女を救ってくれ、01」
「! ああ、もちろんだ!」
南陽とコルウスは共に構える。
ペルフェを救うために。




