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その体に出会いと別れの挨拶を ~あの日、憑依した少女にもう一度出会うために~  作者: 炭本 良供
三章「名状しがたい感情」

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二十二話『落雷』

「くそっ、このままじゃ…………」


 俺が憑依する隙を窺っている一方。

 コルウスはまだペルフェと戦い続けている。

 攻撃はできている。

 だが、どこから来るかもわからない、光と共にに繰り出されるペルフェの攻撃がそれを上回る。


――――でも、遠くから見ていた俺は、その正体を理解した。


「やっぱり雷か…………」


 原理は知らないが、辺りが光に包まれる直前、細長く光るものが、バチッと音を立てていた。

 それに攻撃が繰り出されるときの、豪快に空気を振動させるような音。

 雷である可能性が高い。


 でも、()()()()()()()()()()()()()()

 

 コルウスが雷に打たれた時、ペルフェと同程度の高さにいた。

 なのに、雷はすべてコルウスの下へ行く。

 炎についてもそうだ。

 何故、あんなにも操られているかのように動くんだ?


 見ただけじゃわからない。

 けど、今は原因を突き止めるより、不利な状況を覆さないと。


「…………無理だ。考えても考えても他に考えが浮かばない」


 一つ、方法を思いついた。

 出来れば使いたくなかった方法が。


――――示杞、ごめん。今はこの方法しか思いつかないんだ。

 お前の体をもっと大事にしたかったけど。どうか、許してくれ。


 幾度も攻撃を喰らってボロボロなコルウスが繰り出す拳。

 それをペルフェは両手で防ぐ。


 二人のせめぎあい。

 そして再び雷の予兆が見える。


「――――今だ」


 俺はすぐさまコルウスと雷の間に飛び込む。


「!」

「…………何を!?」

「攻撃に集中しろ、コルウス!」


 ペルフェは、雷を操作しているのかもしれない。

 だけど、この俺の行動が予測できなきゃ、コルウスに雷は当てられない。


「う、あ…………」


 雷が俺に直撃する。

 全身が痺れ、頭がくらくらとして倒れこむ。

 でもこれで、隙ができたはずだ。

 うつ伏せになりながら、顔を上げて様子を窺う。


「…………く」


……………………!


 だが、コルウスの拳はペルフェに届かない。


――――これじゃ、また――――

 

 もう一度、雷の予兆がコルウスの頭上に現れ、バチバチと音を立てる。

 これで仕留めようとしているかのように、力を溜めに溜めて。


「コル、ウス――――! 避け、ろ…………!」


 雷を喰らった俺の体は動かない。

 俺が何を言っても、雷は止まらない。


「…………!」


 コルウスもペルフェの手から離れられない。


「…………うご、け」


 誰もペルフェの雷に為す術もなく、雷は落ちる。




「やらせてたまるかあああああ!!」

「――――南陽!?」


 そう思った時だった。

 疾風の如く飛び出す南陽。

 その勢いのままペルフェに飛び蹴りする。


「!?」


 ペルフェは突然の出来事に対応できずに、後ろの壁に吹き飛ばされた。

 壁には亀裂。

 ついに、ペルフェに攻撃が入った。


「…………コルウス、俺に手を貸してくれるか?」

「……………………」

「一度逃げてしまった俺だけど、一緒に戦わせてくれるか?」

「…………私、01のことは覚えてない」

「!」

「けど、嫌な感じはしなかった。あの時も。敵だったのに」

「…………そうか」

「一緒に彼女を救ってくれ、01」

「! ああ、もちろんだ!」


 南陽とコルウスは共に構える。

 ペルフェを救うために。

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