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二十一話『憎悪で見えなかったモノ』
――――ゴビは、アイツをコルウスって言ってたっけ。
『01――――』
視界がぼやけつつも、聞こえた彼女の声。
何故彼女がそれを知っている?
その名前は、黒荻の実験に関わっていた人しか知らないはずだ。
それに、俺と同じ並外れた身体能力。
もしかして、彼女は――――
俺が幼かった頃の記憶が甦る。
俺が、黒荻にとって、ただの実験体だと知ってしまった日。
俺が、実験を阻止できたか確認しようと、再びここを訪れた日。
『……………………うう』
黒髪の、俺と同じくらいの女の子がいた。
今と目の様子が違うけれど、確かに彼女とコルウスは重なって見えた。
俺が、黒荻のことを知らずに実験から逃げ出してしまったから。
俺が黒荻に怒り、彼女のことを何も考えず去ってしまったから。
君を巻き込んでしまった。
俺はあのビルでも君に気づくことができなかった。
俺は取り返しのつかないことをしてしまった。
でも――――
――――やらなきゃ。
コルウスも、彼女が助けようとしているペルフェという子も。
俺が、巻き込んでしまった。
だから、俺が解決しなきゃ。
「まだ――――終わる、ときじゃ…………ない…………!」




