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その体に出会いと別れの挨拶を ~あの日、憑依した少女にもう一度出会うために~  作者: 炭本 良供
三章「名状しがたい感情」

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十八話『昔も今も』

  俺と暮らしていた生き物たちの死が黒荻(コクジャク)によるものと知った時、俺は彼の下から逃げ出した。


 俺は自分が彼の実験の要だと、理解していた。

 俺さえいなくなれば、実験は破綻し、生き物たちがこれ以上犠牲になることはないと思ったんだ。


――――でも、違った。

 

『…………何してんだよ』

『おお、戻ってきたのか。おぬしがいなくなるから、()()()をな』


 ()()()()()()()()()()()()()()()

 彼にとっては代えのきく、ただの実験体だった。

 でも、俺も、アイツらも誰一人代わりなんてありゃしない。

 あの思い出は、俺とアイツらだけのものだから。


 許せなかった。

 心の中の羨望は憤怒へと変わった。

 だから、今日まで復讐のために、全てをかけてきたんだ。


――――ああ。でも、俺は何も変われなかった。

 こうして、また実験体のように何も出来ないまま、鎖で縛られているだけなのだから。


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