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その体に出会いと別れの挨拶を ~あの日、憑依した少女にもう一度出会うために~  作者: 炭本 良供
二章「インターフェース」

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二十三話『僕の独白』

――――僕は何をしているのだろう。

 ここから出ようと血眼になって努力してきたというのに。

 どうして僕はここにいる?

 ただ、膨らんだアイツへの恨みだけで。

 どうして、こうしてしまったのだろう?


――――最初は違った。

 単に憧れていた。

 僕は偶然、そういう境遇におかれているのだと思っていて、お日様の下を歩けるアイツが羨ましかった。


 けれど、ある夜。

 ()()()と出会い、真実を聞かされた。


 少し疑念はあったけれども、憑依のことを考えていくうちに確信へと変わった。

 僕が本物の示杞なんだって。


 それでも、僕は恨みなんてしていなかった。

 だって、アイツが悪いとは思えなかったのだから。

 

 でも、あの女からアイツの日常を伝えられた。

 自然と僕の中で生まれる妬みと恨み。


『違う! 貴方はお兄ちゃんじゃない。出てって!』


 そして、あの時、僕の中で何かが弾け飛んだ。

 僕は本物の家族から存在を否定された。

 そのつらさを知ってしまった。


 許せなかった。


 偶然だとしても、僕を人生のレールから突き落としておいて、平気な顔で何も知らず、僕の人生を満喫していることが。


「――――でも、その結果、元の場所に戻っちゃ世話ないな」


 ああ、僕はどうするのが正解だったのだろう?

 もう、示杞に戻ることは不可能なのか?


「もう、外には出れないのか…………」


 目の前が何かの滴で見えなくなる。

 行動してもこの暗闇。

 何もしないでもこの暗闇。

 僕の人生は最初から詰んでいた。


「――――!」


 どうしようもない状況に、諦めかけたその時だった。

 微かに声と足音が聞こえる。


……………………アイツ。どうやって?


 それが誰のものかはすぐにわかった。

 正直、今は聞きたくない。

 でも、僕の気持ちに反してその音は次第に僕に近づいて――――


「……………………ああ、来たんだね」

 

――――僕の背後で響いて止んだ。

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