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牢屋とドクロと私②

「グランドストラッシュ改!」


謎の掛け声と共に太い赤と青の閃光が走り、牢屋階の1番奥の鉄格子が真っ二つに吹き飛ぶ。


その奥には剣を青眼に構えてシリアスな顔をするリインと陰気な表情のパンダ少女がいた。


「すごい…これがお肌と剣の力…」


リインが剣を握りながら目を輝かせた。

少女がおずおずと口を開く。


「…あの、いまのは何?グランドスト

「忘れてくれ」


リインが遮った後もパンダ少女が尚も恥ずかしそうにマゴマゴしている。


「でも、多分、その力は剣とお肌のだけではなくてあなた自身の強さの証…。あの、その…かっこいいです、…ドットだらけだけど」


「そうかなあ?俺は普通にしてるだけだけどな?」


笑いながらリインが剣を鞘に戻すと、遠くから人がバタバタと近づいて来る音が聞こえてきた。


「ひとまず逃げるか…!」


2人は慌てて倒れた鉄格子を跨いで外の回廊に逃げ出した。とにかく階段を探しながら全力で走る。


「しっかり付いてこいよパンダ!」


リインが走りながら後ろに手を差し出すと、ギュッと握る手があった。

温かい。ガイコツメイクでも、やっぱ人間の女の子なんだな。

今は逃げている時なのにそんな照れ臭さも感じてリインは頬を掻いた。


…にしても、意外と毛深くてゴツい手してんだな。

まるでおっさんだ。

おっさん………


リインが後ろを向くと、パンダ少女ではなく、知らない傭兵らしき厳つい男が手を握って走っていた。


「見つけたぜ不審者ぁ!」


傭兵が凶悪な表情で剣を振り上げる。

これでおしまいか

と思った直後、傭兵の急激に動きが遅くなった。

…こいつも「妹」か「弟」なのか?

リインはその隙を突いて腹に優しく蹴りを喰らわす。


「おまえじゃねえ!!!!」


「アザブッッ!!!」


蹴りを入れられた傭兵が勢い良く後ろに吹き飛んで行き、後方の傭兵達にぶつかって大混乱が起きる音がした。


「ちょ、パンダどこだ?」


リインが周りを見回すと、パンダ少女が仰向けに両手を胸元でクロスさせ超低空飛行で飛んで行くのが見えた。

まるで棺からそのまま出て来た吸血鬼みたいだ。こんな古いホラー映画を観た気がする。


「いや何その不気味な移動力?!待てよ!!」


カーブも楽々。良い飛空センスだ。

そして少女が視界から完全に消えた。


「…へぇ…このシチュエーションで置いてくんだ…ふぅん…?」


憮然としたリインが1人愚痴る。

仕方が無い。追手が再び追いつく前に何とかしてこのフロアから脱出せねば。


ふと横を見ると、いかにも怪しそうな大きな扉が目に入った。

つやの無い黒い鉱石で出来た酷く重そうな両扉だ。

おそらく長い間誰も開けていないのだろう。

入ったら絶対いけない匂いがするが、今は四の五の言っていられない。


「ええい!お邪魔します!」


リインは力一杯扉を押した。

そして重い音を立てて開いた隙間から素早く中に入る。


中は全くの暗闇だった。

感じられるのは充満するカビの匂いとうすら冷たい石畳の壁の手触りだけだ。

リインは道なりに歩いていくつかの階段を上り降りしたが、一体自分はどこを歩いているのか全く見当もつかなかった。


このまま歩き続けて餓死か?


と思い始めた時、ようやく目の前に光が漏れる扉が現れなかったらリインは少し泣きが入っていただろう。


「外か!?」


外だと良いなあ。

リインは期待を込めて扉を開いた。

だが、その先に光と共に広がる予想外の光景に一瞬言葉を失った。


「……!?…こ、これは…?」



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