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悪役令嬢現る②

そう時間は掛からず、先程よりも薄暗い奥まった部屋に着いた。

部屋は肌触りが極上のカーペットが敷かれ、壁は綺麗な調度品に埋め尽くされている。


中央まで引きずられた所で、バーグが平伏した。


一体何が始まるんだ?


「偉大なるロザベール様。献上品をお持ち致しました」


かなりかしこまった様子でバーグが声を上げる。


「バーグよ。ご苦労!」


奥から気取った声が聞こえる。今度は女の子の声だ。

顔を上げると、奥の成金趣味の玉座に人が見える。


ウェーブのかかったすみれ色のロングヘアに、同じ色のキツめの大きな瞳をした、普通に生きていたのではお目にかかれない目の覚めるような美少女だ。

だが、レースとフリルと領民の血税がふんだんに使われたいかにも高慢そうなドレスに身を包み、偉そうな座り方と合わせてどこからどう見ても「悪役令嬢」という雰囲気だった。


「貴方の持ってくる献上品は皆おもしろい動物ばかりでいつも楽しませてもらっておりますわ」


完璧な高飛車悪役令嬢ボイスだ。

「~ますわ」って語尾の人って本当に存在したんだ!


リインが思わず感動する。


「前回のパンダは如何でしたか?」


「あの人を呪えるパンダも面白かったですわ。でももう飽きたから牢屋の肥やしにしておりますけれど!!」


ロザベールが口に手を添え楽しげにオーホッホッホッホという高笑いを上げる。

なんて有害なわがままなんだ…そして悪役令嬢って本当にこういう笑い方するんだ!


リインはますます感動した。


「へへへ、さすがはロザベール様」


バーグが媚びた笑みを浮かべる。


「今回は喋るカラフルなタコです」


「あらそう」


ロザベールが近づいてくる。

何を履いているのだろう。歩くたびに重い金属音のような不穏な靴音が辺りに響く。


ロザベールがリインを見下ろすと舌打ちした。


「不細工なタコね…何か芸ができるのかしら?ほら、何かやってみなさいよタコ」


「あれえ?さっきまでは活きが良かったんですけどねえ…ほら、話せこのタコ!タコ!」


目を座らせて沈黙しているリインに焦ったバーグが額をピシャピシャ叩く。


「ふん!だめなタコですわね!きっと何をやってもダメなタコですわよ」


「このタコ!早く何か言え!タコのくせに服なんか着やがって」


イラつき出すロザベールとその怒りに恐怖し焦燥の汗をながしまくるバーグのステレオでのタコ呼ばわり責めが続く。


「起きろタコ!」

「このタコ恥を知りなさい!」

「タコ!」

「このタコ!」

「タコ!」


「うおおぉぉおーーッッッ!!俺はタコじゃねーーーーッッッ!!!!!!!!」


ついにリインが切れた。

力まかせに簀を引き裂き縛られていたロープを引きちぎる。


「よく見ろや!吸盤も足8本もねえだろうが!!人様だコラ!!!!」


急な出来事に怯んだバーグにリインが物凄い速さでラッシュパンチを浴びせる。


「な…なんだこのタコ、強ぇ…!!」


何であれLv99が繰り出す拳の速さと威力になす術もなく文字通りタコ殴りにされるがままの傭兵が恐れの色をにじませる。


「タコじゃねぇって何度言ったら…


一際溜めたパンチを顔面にお見舞いしようとしたその瞬間。

金属の様な閃光が目の端にちらついたかと思ったらリインの側頭部に勢い良く重く固い何かがクリティカルヒットした。

衝撃が頭の中でこだまする。

リインは何が起こったか分からないままその場に崩れ落ち、意識を手放した。

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