新召喚獣獲得!
手の中に飛んできたカードをしっかりと掴む。
俺の中に、ランスロットの魂とシンクロする感覚が伝わってきた。
【聖騎士ランスロット 〈幻獣〉
LV:5,800
HP:197,218/197,218
マナ:0/0
AP:500/500
攻:49,304 防:49,304
種族:神人
スキル:全武器術 聖剣技 パリィング 自己回復
コスト:50 】
「コスト50か。リヴィアより気軽に呼び出せそうだな。……あれ? 状態異常が無くなってる」
すると、脳内に声が響いてきた。
『我が主。末永く、よろしく頼みます』
誠実そうな青年の声だ。
それにリヴィアが答えた。
「ランスロット。何千年ぶりかだね」
『海神殿……。楔と悠久の時の中に我を忘れていたとはいえ、私は何たる無礼を……』
「あはは。良いって。目が覚めたみたいで良かったよ」
俺はランスロットの言葉の中の一つに引っかかりを覚えた。
「そうだ。【状態異常:楔】だ。消えてるけど、あれは何だったんだ?」
『主。話せば長くなるのですが……。端的に言えば、あれは私が〈次元の歪み〉と〈異界の侵攻〉を抑えるために、この地を縛っていたのです』
「〈異界の侵攻〉……?」
『そうです。宇宙の果てから現れ、この世の理を乱す邪悪なる勢力……。そうだ! 海神殿! 魔帝国は……!?』
すると、リヴィアは複雑そうな表情で首を横に振った。
「……滅んだよ。二千年くらい前に」
『おお……。なんたることだ……。では、この世は〈異界〉に呑まれて……?』
「あたしたち神獣はあのとき不干渉を決めたから、詳しい結末は分からない……。でも、この大陸の様子を見るに、そういう事態にはなってないみたいだよ」
俺には理解の出来ない話をする二人。
魔帝国が滅びた経緯も、かなり複雑なようだ。
そして、〈次元の歪み〉と〈異界〉……。
この大陸の人もまだ知らない事実が隠されているのかも知れない。
「コージ! リヴィア! 無事なの!?」
すると、そこにミアたちが駆け寄ってきた。
リヴィアが手を振って答える。
「ああ! そっちは大丈夫か?」
「はっはっは! ノープロブレムさ! マールくんの神聖魔術は、見かけよりずっと強力だよ」
リヒャルトが髪を掻き上げる。
「無差別な光の攻撃が飛んできた時は、リヒャルトさんが一番慌ててましたけど」
「おっと、それはトップシークレットさ」
笑いながら言うマールに、リヒャルトが『ちっちっ』と人差し指を振った。
「あの甲冑は?」
辺りを見渡しながら、ミアが尋ねる。
「ああ。俺の召喚獣になったよ」
白銀のカードを人差し指と中指で挟んで見せると、ミアは苦笑した。
「うわ……。いよいよ反則度が増したわね」
すると、リヒャルトが俺の前にひざまずいて俺の手を取った。
「コージ、やはりキミは他の冒険者とは違うと思っていたよ。きっと、スペシャルな運命を背負っているね」
「やめてよ。おおげさだって」
俺が苦笑すると、全員が楽しそうに笑った。
と、その時――。
遺跡が大きく揺れ、不気味な咆哮が響き渡った。
「な、なんだ……!?」
『我が主。恐らく、抑え込まれていた〈次元の歪み〉が全て活動し始めています』
「何だって!? 一体なぜ……」
と、考えてすぐに答えに至った。
抑え込んでいた楔が無くなったからだ。
では、誰がその楔を解除したのか?
「…………俺のせい……?」
俺が呟くと、リヴィアが頬をぽりぽりと掻きながら答える。
「……まぁ、たぶん」
一段と激しく揺れ始めた。
「こ、コージ! 一体、何が起きてるの!?」
「ミア、説明はあとでする。とりあえず、ここから脱出しよう!」
全員で顔を見合わせて頷きあう。
元の道は落盤で塞がってしまっている。
俺たちは、深部へ向かう方の通路へ駆け出した。




