Magic2
2話と言うよりは女の子視点の話です。
???side
「ちょ〜とばかしキツイね。流石に」
突っ込んできた何人かの男は大したチカラを持っていない術者だったからよかったものの残りの術者はそれなりのチカラを持った人間だった。
このままだと魔力が底をついて意識が飛ぶ。
そうなってしまったら何をされるかわかったもんじゃない。
どこか人気のない所に連れていかれて……「ストップ!想像力ストップ!」
魔力切れになる前に意識を失うところだった。
「こんなことなら余裕ぶっこいて魔法の真似事なんかするんじゃなかったな…」
あの結界担当の術者って確か結界に関しては優秀な生徒だったはずだけど私から見たらあの程度の結界を無駄に巨大化させたんじゃ衝撃も音も外に漏れ出す不完全なものになるのは当たり前のことだった。
「売られたケンカは残らず買い取る」がモットーの私は教師にこのことを気付かせず、徹底的に相手を叩きのめすためにあのチャチな結界を相手に気づかれないように強化した。
相手の結界に自身の結界を同調させ、弱い部分を強化しながら徐々に再構成していき結界の補強は完了した。
ただ強化するだけなら並の魔術でどうとでもなるけど同調させて気付かせずに再構成するには魔法の真似事をする必要があった。
だけど、たかが数人相手にするだけだと思っていた私の楽観的な考えを裏切り辺りからワラワラと生徒たちが現れ、最初の数の二倍にまで増えてしまった。
相手の動きに気を配りながらこうなった原因を反省していると結界担当術者以外の生徒が長ったらしい詠唱を開始した。
止めを刺すつもりらしい。
この距離じゃ詠唱を止められない。
障壁張って耐えるしかないよね…
出来る限りの速さでできる限り強い障壁を張り、攻撃に備え目を閉じて気合を入れていると結界担当術者が素っ頓狂な声を上げた。
「結界が…消された!!」
その言葉を聞いた周囲の術者は詠唱を止め、急にあたふたし始めた。
目の前の障壁に集中していたおかげで気づくのが遅くなったけど確かに結界は跡形もなく消されていた。
あの男の結界に私の魔法の真似事が加わった結界が何の前兆もなく突然消え去った。
「大丈夫ですか?」
気がつくと隣には男の子がいて、心配そうな顔をして私の顔を覗き込んだ。
この男の子が私の結界を消したのだろうか?
だとしたら、
「どうやっ…」
「お前が結界を破ったのか!?」
私が言おうとしたことを遮って結界担当術者の困惑した声が響いた。
「悪かったな。アレ結界だったのか?蜘蛛の巣かと思って無意識に振り払ったんだけど…いや〜スマン」
男の子はこんな軽口をたたきながらも、しっかり相手の動きに気を張ったいるようだった。
あの結界担当術者は自分の結界に自信があったようだから激情して無闇やたらに突っ込んでくると思ったんだけど以外にも冷静だった。
「もう一度結界を張る魔力は残っていないしな、今日はもういい。疲れた」
結界担当術者はそう言って倒れている術者を抱えてゾロゾロと立ち去って行った。
ケンカを売ってきた生徒が全員退いたのを見て気が緩んだのか一気に全身の力が抜けた。
「ちょっっ」
目の前の敵に気を張っていた男の子は少し遅れて反応してなんとか私を抱きとめた。
でも、
(む、胸触ってるって〜ちょと〜)
自分では叫んでいるつもりだったんだけど全く声にならなかった。
そのことに気づいた男の子は気まずそうに抱えなおし手の位置をずらした。
私は男の子が手をずらしたことで一気に緊張が解け睡魔に意識を蝕まれ、夢の世界に旅立った。
「この子どうしたらいいんだろう?」
夢の世界に旅立つ直前に耳にしたのはあの結界担当術者並に困惑した男の子の声だった。
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