4,ランク
「なぁ。ホントに無いのか?楽で報酬の良い依頼?」
テーブル席からカウンター席に移った俺はマスターと話をしていた。
クロアがキルを探しに酒場を出る時に依頼を探しておくよう頼まれたからだ。本当は、あっちで盛り上がっているカードに交ざりたかったが、頼まれたので諦めたのだ。
「そんなウマイ話、誰だって欲しいに決まってるだろう」
「まぁな。じゃあ、モンスター討伐とかの依頼は無いか?」
「それならいくつかあるが、兄ちゃんランク何だい?」
やはり、ランク制限ありか。あまり見せたくないが、俺は首に下げていた長い鎖のついた金属製のプレートをマスターに見せた。
『レイド・ジングリム、戦士、19歳、A』
「ランクAならここらへんだな」
プレートを見て、ランクを確認すると、マスターは十何枚かの紙を束にして纏められた依頼書を俺に渡した。
「……多くないか?」
「最近はどうも討伐依頼の報酬が低くって、誰も引き受けてくれないんだよ。逆に、護衛とかが増えたな」
「時代が代わりつつあるんだろうな」
依頼書を受け取るなり、俺は依頼書を流して見た。
ランクとは、モンスターをどれだけ倒したか。どれくらい強いモンスターと戦ったをこのライセンスプレートが魔力の力により記録し、決まる冒険者の強さ。レベルの事である。
今回の依頼書に載っているのは、ランクCのモンスターであるが、数が多すぎる。人間による生態系の崩れが原因だそうだが、面倒臭…。
この数で、ランクCのモンスターを倒すには、冒険者のランクはBが最低ラインだから、楽な仕事ではないな…。
「そういや、兄ちゃんの連れもランク上なのかい?」
俺が依頼書を真剣に眺めているのを見て、マスターはもう引き受けてくれると思い込んでいるようだ。
「……あー、Bの魔導士と、Aの銀色遊詩人に、BとAの中間の武道家だ」
「それなら、この依頼受けてくれないか?ちゃんと相場分は払うからさ」
そう、ランクの一番の違いは、依頼ではなく、報酬の相場である。俺達のように平均Bランクのパーティーは面倒な依頼を受ける代わりに、報酬が良い。ただ、『面倒』な依頼しか無いが。




